都心や関東南部は、雨の日が増えてきましたよね。
湿度が高くなる梅雨の時期でも注意が必要なのが、“熱中症です”

今年から全国で本格的な運用が始まった
「熱中症警戒アラート」についてお伝えします。

熱中症警戒アラートは、
危険な暑さが予想されるときに
熱中症への警戒を気象庁と環境省が共同で呼び掛ける情報です。

この熱中症警戒アラートが導入された背景について
気象庁・防災気象官の土井内則夫さんはこう解説します。

土井内さん:
背景にありますのは近年の熱中症のです。
搬送者数が著しく増加してるってことがありまして、
国民生活にも大きな影響を及ぼしているという社会的な背景があります。
平成30年かなり暑かった年は、1500人を超える熱中症による死亡者を出しました。
温暖化や気候変動の影響なんかも考えると、
この変動に適用するという観点からも熱中症の対策っていうのは非常に重要です。

総務省消防庁によると、
都内の熱中症による搬送者数は、
2018年は、7.843人2019年は6.046人、去年は5.838人。
搬送される人の数が多い傾向が続いています。

ところで、
「高温注意情報」と、熱中症警戒アラートとはどう違うのでしょうか?


土井内さん:
今回の熱中症警戒アラートは、
“暑さ指数という指数を使って発表してる”ところが大きく違います。
この暑さ指数は、
人の熱のやり取りに着目した指標です。
単純にその温度だけではなく、
蒸し暑い時のですね体から熱が逃げていくという所に大きく関係する湿度。
それから輻射といったような量も入ってくるんですけども、
そういうその人の熱のやり取りに着目した指標を使ってるというところが大きく違います。
この暑さ指数っての実はその熱中症による搬送者との関係が高い指標です。

暑さ指数は、単純な気温だけでなくて、湿度や日差しの強さ、
人の身体と外気の熱のやりとりに着目した値なんですね。

この、
熱中症警戒アラートは、
危険な暑さが予想される前の日の夕方5時と、当日朝5時の2回発表されます。

では、実際に発表されたら、私たちはどのような行動を取ればいいのでしょうか?

屋外での活動があれば、
計画を見直してみる、活動をする場合は厳重な対策をする。
買い物に出る時は暑い時間帯を避けたり、なるべく日陰を通ったりするなど
普段以上に「熱中症予防」の意識を高めて、自分の行動を変えることが必要になってきます。
また、自分だけでなく、
暑さの感覚を感じる機能が低下している高齢者や、
熱を飛ばす機能が発達していない子どもなど熱中症になりやすい人への注意や声かけも大切です。

熱中症警戒アラートは、
気象庁や環境省のホームページのほか、メール配信、
環境省のLINE公式アカウントによる配信で知ることができます。
熱中症警戒アラートの情報を活用して、熱中症の予防に役立てましょう。



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