来月、山開きを迎える「富士山」この富士山は、活火山です。
活火山とは、
おおむね過去1万年以内に噴火した火山や、
現在も活発な噴気活動のある火山の事を言います。

現在、日本全国にある活火山は、
近畿、四国を除くほぼ全国に110あると言われています。

噴火に伴って災害を引き起こす火山現象には、
大きな噴石や融雪型火山泥流、火砕流など様々なものがあります。
そして、もうひとつ、
大きな被害をもたらすおそれのあるのが、“火山灰”です。

京都大学レジリエンス実践ユニット特任教授・
鎌田浩毅名誉教授は、火山灰はただの灰ではないと指摘します。

鎌田先生:
火山の灰って書くので、普通ねタバコの灰とかね、
木の燃え殻みたいにね水に流せるように思われているんですよ。
でもね、実際火山灰ってガラスの欠片なんですよ。
ガラスのコップね。あれを砕いたら火山灰になるんですよ。
目に入っても炎症を起こすし、喉に入って気管支炎とかね、
身体にはいると、とんでもない花粉症どころじゃない、
目とか鼻とか喉を痛める。
それが火山灰の正体ですね。

火山の灰は、
たばこの灰の様なものではなく、“ガラスの欠片”なんですね。

政府の中央防災会議の作業部会は、
宝永噴火と同規模の噴火が起き、偏西風が吹いた場合、
火山灰は3時間で首都圏の広範囲を直撃すると予測。
東京・新宿区でおよそ10センチ、
三鷹市で20センチ弱、
神奈川・横浜市で2センチ程度積もるという結果を公表しています。

鎌田先生は、
都心に火山灰が降ると私たちの生活に大きな影響を与えると話します。

鎌田先生:
コンピューターに入ると、結局ライフラインを停めるんですよ。
今、都市は電気、ガス、水道、全部ライフラインですよね。
それから、交通もそうですよね。
電車もそうだし、
自動車もフィルターを火山灰が詰まらせると動かなくなる。
火力発電所、
首都圏には火力発電所が沢山ある火山灰が入ってタービンを停めてしまう。
飲み水も、
浄水場に火山灰が降ると火山灰で汚れるわけですよね。
都市に火山灰が降ると、
電気、ガス、水道、を停めてしまう。
ライフラインがストップするわけです。

例えば道路に積もるとわずか0.5mmの厚さでも
センターラインなどが見えにくくなったり、スリップしやすくなったりします。
火山灰が雨を含んで電線に付着すると、
その重さのために電線が切れたり、
導電性が高まるので漏電などを起こして送配電機器を故障させたりして、
停電を引き起こすことがあります。

鎌田浩毅先生の著書、「富士山噴火と南海トラフ」では、
富士山噴火や、今日お伝えした内容が分かりやすく解説されています。
是非、書店で手にとってみてください。


音声ファイルはこちら