先週から今週にかけて、
九州や中国地方を中心に長く降り続く大雨で浸水害や土砂災害が起きています。

あなたの住んでいる街でも
いつこの様な災害・被害が起きるか分かりません。
今日は、
改めて、毎年のように起きる水害の危険性について考えていきます。

防災システム研究所 所長
山村武彦さんは、地球温暖化の影響を受けて、
雨のもとになる大気中の水蒸気量が増加しているといいます。

山村さん:
大雨が頻発すると、
台風も数は多くは無いけれども
発生すると激化した台風になってしまう。
そういった点では、
異常気象時代というのは、非常に災害多発時代と言えると思います。
洪水になりそうな地域を、氾濫想定エリアというのですが、
その氾濫想定エリアに、
日本の国土の10%が氾濫想定エリアなんですね。
その10%の所にですね、全人口の51%が住んでいる、
そして、総資本の75%が集約されているとう事ですから、
これ激化すると更に、危険度が増していくと思いますね。

気象庁の観測によると、
1時間に50ミリ以上の
非常に激しい雨が降る頻度は、直近10年で、1.4倍も増えています。
データをみても豪雨災害のリスクが
高くなっている事がわかります。
豪雨は様々な災害をもたらしますが、
山村さんは。関東・都心で注意したい水害の1つが内水氾濫だと指摘します。

この内水氾濫という言葉、
気象情報やニュースでよく耳にされていると思いますが
あなたは、詳しく知っていますか?

内水氾濫は、
市街地に排水能力を超える雨が降り、排水雨量が追いつかず
建物や土地が水に浸かる現象です。「浸水害」とも呼ばれています。


そして、
この内水氾濫は標高の低い場所であるほど、発生のリスクがあります。
たとえば、外側から内側にかけて谷の様にくぼんでいる場所、
地下室や地下街などは内水氾濫が発生しやすいと言われています。

また、アスファルトは、土よりも水の浸透が遅いため、
アスファルトで舗装されている都心部でも内水氾濫が起きる危険を秘めています。

危険が迫る前に避難場所などに移動しておく事が理想ではありますが
必ずしも、早い行動が取れるとは限りません。
すでに、内水氾濫が起きてしまっていたら近くにある2階以上の建物に避難してください。
河川などが決壊する外水氾濫に比べると時間的な猶予はありますが、
無理に遠くまで逃げる事は避けて、近場のビルやマンションに避難しましょう。

そして、
大雨による災害から身を守る為に大切な事の1つに「ハザードマップ」があります。
改めて、自治体のハザードマップを確認してみてください。

最後にリスナーのあなたに伝えたい事、山村さんはこう話します。

山村さん:
いつでもどこでも、他人事ではなくて、
自分事と考えて 
気象情報、防災情報に耳を傾ける、情報はまっているだけではなくて
本当に必要な情報は自分から取りにいく、
自治体の防災メールとかポータルサイトでそういう防災のサイトを作っています。
そういったものを取り込んで、アプリを入れておく事によってですね、
いつでも情報を取りやすいようにしておく事も大切だと思います。

地球温暖化が進む中で、自然災害は年々増えています。

私の住んでいる街は大丈夫という正常性バイアスをかけないで、
いつ起きてもおかしくないんだ!という気持ちを持っておく事は
今一番求められている事です。自分の心に手をあてて考えてみてください。


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