先週は台風14号が九州から東海地方を横断する形で通り、
岡山県では一時、高潮警報が出されました。

そもそも、
なぜ台風などが接近すると高潮が発生するのでしょうか。
気象庁・気象リスク対策課の白石 昇司(シライシ ショウジ)さんによると

気圧が下がることで海面が吸い上げられるように上昇する
「吸い上げ効果」と
沖から海岸に向かって強い風が吹き、海水が海岸に吹き寄せられ海面が上昇する
「吹き寄せ効果」によって高潮が起きるということです。

関東の海沿いに地域にお住まいの方は
特に高波の危険がありますが、
実は、「海に面していない街でも高潮の浸水」に注意が必要です。

東京・千代田区のハザードマップでは,
今年から、「高潮ハザードマップ」が作成されました。

千代田区は海に面していませんよね?
海で発生する高潮のハザードマップが作られたという事は、
どういうことなのでしょうか。

千代田区 災害対策・危機管理課の
宮原 智紀さんに聞きました。

宮原さん
区内に流れております神田川ですとか日本橋川は、
普段から海の潮位、
満潮ですとか干潮に伴って、
川の水位というのは実は毎日毎日変わっております。
その中で、高潮が発生した場合の潮位のプラスの部分、
それと高潮が起こる際に、大きな雨が重なって、
もともと流れる水位自体の兆候、この二つが合わさって、
最終的に川の水位が護岸を越えてくるという形で
川自体が氾濫をするという形の被害を想定しております。

高潮のときは川の水位がいつもより高く、
そこに大雨が重なると川が氾濫しやすくなります。

都内には、高潮で浸水が想定される区は17区あります。

千代田区と同じ様に、
目黒区、新宿区、文京区などが含まれていて、
沿岸部に住んでいなくても高潮の危険があるんだ!
という事を知っておいてください。

さて、
今回の高潮浸水想定は、
東京都が東京湾に最大の高潮を発生させるような
最大規模の台風を想定して作られたものです。
その台風が通過する確率は、
1000年から5000年に一度と言われていますが、
いつ起きるか分かりません。
それでは、私たちはどう備えればよいのでしょうか。

千代田区では、
今回のハザードマップとともに、
「マイ・タイムライン」も一緒に付けています。

「マイ・タイムライン」は、
台風の発生から災害発生までの間に、
「いつ、何をするか」を事前に考える行動計画です。
例えば災害の3日前には、
「避難先の親戚へ連絡をする」など、事前にできることを考えておきます。
地震と違って、台風や高潮などは事前に予測がしやすい災害です。
高潮が起きると、最大で1週間以上水が引かないと言われています。

自助、共助の視点から、
災害に備える為の、マイ・タイムライン活用したいですね。
沿岸部に住んでいなくても、
高潮の影響による浸水の被害があるのかも含め
ハザードマップで確認をして万一の際に備えましょう。


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