今週19日(日) 石川県珠洲市で、震度6弱を観測する地震が起きました。
その後、20日(月)にも震度5強を観測するなど地震活動が活発な状態が続いています。
この地震について、京都大学 防災研究所の西村拓也准教授はこう説明します。

西村准教授
能登半島の周辺では、2020年12月から小さい地震が活発に起こっていまして
1年半くらい地震活動が多い状態が続いておりました。
こういう地震を群発地震と呼んでいます。
特に1番大きい地震と言うよりは、同じ様な規模の地震が
南海も活動の〜を繰り返しながら、
大きくなったり小さくなったりしながら長く続くというのが特徴です

お話しにもありましたが、珠洲市がある能登地方では、
2020年12月から震度1以上の地震が160回以上発生しています。
また、国土地理院によると、
珠洲市の地表面は20年12月以降、およそ4センチ隆起していて、
地震活動の活発化と地殻変動はほぼ、同じ時期に起きていると言えます。
そこには「流体」が関係しているといいます。
再び、西村准教授のお話しです。

西村准教授
流体が溜まっていて、
それで地面を押し広げて、この様な隆起であったり
群発地震を生じさせているのではないかと考えられています。
流体は、
例えばガスとか水とかあるいはマグマというのも流体と言うんですけれども、
能登半島には火山がないですので、恐らくマグマではないという風に思われます。
地下の深い所に水があるというのは、
火山帯以外の所でもいろんな場所にあると考えられていまして、
今回の能登の場合も、水が深い所から上がってきて地震に関連していると考えられています。


太平洋プレートが沈みこむ際に引き込まれた海水の一部が、
温度や圧力の影響で上昇して地下に溜まって地面が隆起したとみられるという事です。
その後、まわりの岩盤に力を与える様になって、群発地震の原因となっている可能性があると言います。
現在も、地殻変動はゆるやかに続いている事から、地下でこの水が移動していると考えられています。
今後、数か月から半年間は地震活動に注意が必要です。
さて、
関東に住んでいるあなた、石川県能登半島で起きた事・・・と思っていませんか?
この様な、流体が溜まる地域は限定されているのか?
関東でも起こる可能性があるのか最後に西村准教授に伺いました。

日本列島は、地下から水が上がりやすい所に位置しておりますので、
能登半島が非常に特別な場所というわけではなくて、
日本列島の他の場所でも可能性としては水が上がってきたりという事はありうる事だと思います。
関東地方は、どちらかと言うと
比較的上がりにく所にあるんじゃないかなと思うんですけども、
山側や伊豆に近い方では
水が上がりやすい地域もあるのではないかと思います。

今回の様な地震のメカニズムは、関東でも起こりやすい地域はある。
流体が溜まって起きる地震もあるんだという事を覚えておきましょう。


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