取材日記

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全日本ジャンプチーム初の女性コーチ、山田いずみさん

今回は「女子ジャンプ界のパイオニア」で、
女性として初めて全日本女子チームのコーチを務めている、
山田いずみさんに、ソチオリンピックにかける想いを伺ってきました!



日本の女子ジャンプ界は、
山田さんと共に始まったと言っても過言ではありません!

山田さんは、1985年に小学校1年生でジャンプをはじめました。
ただ当時は、国内に女子のジャンプ選手がほとんどいない状況。。
女子の大会もなかったため、男子の部に出場していたそうです。

1991年、はじめて国内の大会で女子の部が開催された際
中学一年生だった山田さんはたった一人で出場し、
国内の女子選手として初めてノーマルヒルをとびました。

その後1999年に女子国際大会が初開催された際には、
日本代表として初出場。
2009年の世界選手権に女子ジャンプが初採用されたときにも、
初めての日本代表として出場されています。

まさに国内の女子ジャンプ界を切り開いてきた山田さんですが、
今回、オリンピックの正式種目に選ばれた事に対して、
こんな風に語っています。

「年数にしたら、
 一気にオリンピックまで来たと思われるかもしれませんが
 ゼロからの部分をずっと見てきたので、
 ただただ『やっとここまで来たんだ』という嬉しい気持ちです。」

山田さんは、ご自身が競技生活を引退したあとも
女子ジャンプの魅力をより多くの人に知ってもらいたいと
選手や競技を紹介するウェブサイトを立ち上げるなど、
女子ジャンプ界のために力を注いでこられましたので
オリンピックに採用された喜びはひとしおだったでしょうね。

さて、そんな山田さんが今挑戦されているのが、
全日本女子チームの国内で初めての女子コーチです。
現在の全日本女子チームといえば、
高梨沙羅選手をはじめとして
メダル候補ぞろいのメンバーがそろっています!

コーチの視点からみて、2月のオリンピック本番に向けて、
現在の日本代表チームは順調に仕上がっているとのこと。
なかでも気になるのが高梨選手についてですが、
山田さんは、高梨選手の強みについて
次のようにお話になりました。

「彼女の場合は、飛び出してから
 空中での形が完成するまでがものすごく早いので、
 その分ロスが少ない飛び方を出来るんだと思います。
 スキージャンプは飛び出してから
 形が完成するまでの間が短ければ短いほど、
 前に進む力が出るので遠くに飛べるのですが、その力が秀でています。」

そして、高梨選手の性格については、

「かなりストイックですね。
 たとえば人が10本飛べば、自分は15本飛びたいというような、
 小さい頃からそうゆうところはあったのですが、
 それが今も継続していて・・・
 競技に対しては誰よりもストイックだと思います。」とのこと。

ちなみに山田さんが、高梨選手と出会ったのは小学校3年生のとき。
山田さん曰く、そのときはまだ光る部分は感じられなかったそうです!

意外ですよね。
彼女が本格的に実力をつけてきたのは
小学校6年生のときにノーマルヒルを飛び始めてからということですが、
高梨選手のストイックさが、大きな飛躍につながったのかもしれませんね。

全日本女子チームは来月6日からノルウェーのリレハンメル、
21日からドイツのヒンターツァルテンでで開催されるワールドカップに出場します。
山田さんの心強いサポートを得て、
日本女子チームが活躍することに期待したいですね!!

■中村亜裕美
  • 19:25