取材日記

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スピードスケート高木姉妹の絆!

今回は、スピードスケート女子の高木姉妹をご紹介します。
高木姉妹の妹・美帆選手は、前回のバンクーバーオリンピックで、
日本スピードスケート史上最年少の15歳で
オリンピック出場を果たしたことで注目を集めましたよね。
あれから4年。現在は日本体育大学1年生で、
新しい環境で2度目のオリンピック出場を目指してきました。

そして姉の那菜選手は、オリンピック出場経験こそないものの、
今シーズンのワールドカップでは団体パシュートで2位に入っていて、
メダル獲得へのキーマンとしても注目される選手です。
名門「日本電産サンキョー」に所属していて
男子・長島圭一郎選手や加藤条治選手の後輩にあたります。

2人は、姉妹そろってのソチオリンピック目指してきたんですが・・・
先月行われた代表最終選考会で、姉妹で明暗がわかれました。

姉の那菜選手は、1500メートルでオリンピック出場圏内の4位入賞、
そしてワールドカップの団体パシュートでの実績が考慮され、初の代表入り!!
一方で、妹の美帆選手は1000メートル、1500メートル、3000メートル、いずれも5位。
選考基準をみたすことができず、2度目のオリンピック出場はなりませんでした。

前回のバンクーバーオリンピックでは、妹に先を越される形となった、那菜選手。
今回、悲願のオリンピック代表入りを果たしたわけですが、
那菜選手の原動力となったのは、
バンクーバーで妹が大舞台に立っている姿だったようです。
代表入りを決めた後の那菜選手の声です。

「あのレースを見て『自分もあの場に立ちたい』という気持ちが強くなって、
 この4年間やってきていたので、選んでもらったていうことで、
 もっと自分の実力を高くしていかなきゃなと思います。
 最後は本当に拾われたって感じなので、
 これから、体も心も強くしていきたいなっていう気持ちにはなりましたね。」

美帆選手が史上最年少でオリンピック代表入りを果たし、注目を集めて以来、
那菜選手は、「美帆の姉」と呼ばれることに悩むこともあったそうです。
妹の存在に対する、心の葛藤について、那菜選手はこんな風に語っています。

「最初はすごい悔しい気持ちがあったり、色々な複雑な気持ちがあって・・・
 姉妹としては仲良くしていたんですけど、
 スケートでは、自分の中で葛藤があったり、色んな気持ちがあった中で、
 切磋琢磨して二人でやってきたので
 本当に妹で良かったなっていう気持ちはありますね。
 中学生くらいの時から妹に負けてて、
 上を目指したいっていう気持ちもありましたけど、
 妹に勝ちたいっていう気持ちもあって、ここまでやってこられてたので、
 やっぱり妹はかけがえのない存在であることは確かですね。」

実は体格も、美帆選手が164センチ、那菜選手が155センチと、
那菜選手の方が小柄なんです。
ただ、「姉として負けてしまうと悔しい、でも妹を応援したい」と
葛藤していたという那菜選手からは、優しいお姉さんの姿がみえてきますよね。

一方の美帆選手。試合後には
「オリンピックを甘く考えていたところは少なからずあったのかな」と
反省を口にしました。そして那菜選手には、
「はじめてのオリンピックで色んなことがあると思うけど、
頑張って欲しい」とエールをおくりました。

4年後の平昌オリンピックでは
姉妹そろって出場してくれる事を楽しみにしつつ、
まずはソチで、妹の想いも背負って戦う那菜選手の活躍に期待しましょう!

■中村亜裕美
  • 19:25