取材日記

TOKYO FMが誇る報道スポーツチームが総力を挙げて取材します。
ラジオならではのハートフルなスポーツ報道をお送りします。

アスリートの「食」をサポート!−石川三知さん

フィギュアスケーター・高橋大輔選手の
シーズン中の食事を作っているのが、
栄養アドバイザーの石川三知さん。
質問してみました。
 
 Q:高橋選手が好きな食べ物は?
 A:「作って喜ぶのは、ハンバーグ、カレー、
   クリームシチュー、グラタン、
   もち米を入れてちょっとネチっとしたくらいの炊き込みご飯。
   鉄板です!」

高橋選手の意外な一面がのぞけた気がしました・・・


ソチオリンピックをめざす選手を支えるスタッフがいます。
そのうちの一人、栄養面をサポートする石川さんは、
これまでに、スピードスケートの岡崎朋美選手や、
フィギュアスケートの荒川静香選手らもサポートしてきた女性。

シーズン中のいまは、週1回、高橋選手の家へ行き、
1週間分の食事をまとめて作って、
冷蔵庫をいっぱいにして帰るそうです。
また、国内はもちろん、海外での試合にも同行するのだとか!

石川さんの新著、
「フィギュアスケーター高橋大輔を支えてきた食事パターン 
 身体を引き締める食べ方1:1:2」(マガジンハウス)には、
高橋選手の食生活のエピソードがまとめられています。




この1:1:2というのは、
炭水化物の量を1、タンパク質の量を1、
野菜や海藻、きのこ類の量を2の比率で摂るという食事パターンのこと。
選手のサポートをする中で石川さんが気づいた比率で、
大体この目安で食事を組み立てるようにすると、
ウエートコントロールがしやすくなるといいます。

石川さんに、
シーズン中の今、高橋選手にどんなサポートをしているのか聞いてみました。


「いつも1:1:2がずっと続いているかというと、
 それはないんです。
 基本の考え方は、
 そのぐらいの組み合わせで食べましょうということであって、
 どんな練習をしたかによって、食べ物を変えるべき。
 たとえば、朝食べるのか、夜食べるのか、
 寒いのか、暑いのかによっても、最後の2の野菜を構成するところが、
 生野菜が増えるのか、もっといえば葉ものが多いのか、実のものが多いのか、
 というようなアレンジも出てきます。
 試合の日の夜は、
 ホントは一番いろんなことをケアしないといけないんですけど、
 ケアも入れつつ、何でもあり。
 でも、海外の場合は、私が食材を残したくないので、
 残ってるもので何か作ります!」


高橋選手の体調は、
石川さんがサポートするにつれ良くなったそうで、
本人から「身体が動くし寝起きもいい」という言葉も
聞かれるようになったとのこと。

ここ5年ほど高橋選手の「食」の面倒をみてきた石川さんは、
印象に残っているエピソードの一つを明かしてくれました。


「私が大豆をもどして水煮にしていて、
 使いきれずに冷蔵庫に保管していたことがあります。
 あと同時に、お肉を買ったんだけれども、使わなかったので、
 来週使おうと思って、味も何もつけずに冷凍しておいた肉がありました。
 ただ、それがそういうものだというアナウンスをしていなかったので、
 彼はどちらも食べたんです。
 そのとき、友達がきていて、「それ、味つけるんちゃう?」と言ったら、
 『いや、ミッチーが(冷蔵庫に)入れてるんやから、
 これを食べるのがいいんやろ。置いてったものは信じて食べる!』
 と言われたそうなんですよ。熱くなりましたね。
 あと、彼のいろんな発言とか感性とか、言ってくることも、
 もっともっと信頼できるなという気もしました」


高橋選手と石川さんは、食事をとるプライベートな空間で会うので、
競技のことを思い出させないよう、口にしないのはもちろん、
本人に直接体調のことを聞くこともしないそうです。
こういった気遣いも、
2人の信頼関係が深まる理由なのかもしれませんね。

石川さんをはじめ、多くのスタッフからサポートを受けながら
高橋選手は、ソチに向けて、
12月5日から福岡でのグランプリファイナルに出場します!!

■鈴木晶久
  • 23:23

縁起をかつぐ!全日本スキーチームのユニフォーム

ユニフォームには、デザインや機能に、
チームの勝利に向けた熱い想いが込められているのですが、
今日は、
縁起をかつぐ!全日本スキーチームのユニフォームをご紹介したいと思います。

今回お話を伺ったのは、フェニックスの企画部、佐藤健(さとうけん)さん。
フェニックスはバンクーバーからソチまでの8年間、
全日本スキーチームに公式ウエアを提供しています。
毎年、今フェニックスにある最高の素材や技術を入れてウエアを作るという佐藤さん。
今年のテーマについてお伺いしました。

ジャケットカラーは「朱色」。
闘志・日の丸を連想させる色ということで、この色にしたということです。


→そして、よーく見ると、「矢羽(やばね)柄が連なってますよね・・・。
 連なったウエイブが、羽ばたく「飛翔」というイメージだそうです。
→ちなみに、「矢羽」模様というのは、一直線に目標に向かう姿勢を連想させるので、この柄をデザインに取り入れたかったそうです。

・一方、パンツのカラーは「ターコイズ色」。
これは、飛翔する舞台である「空」をイメージしているそうです。


→そして、ジャケットやパンツにある、虹色のグラデーションが吉兆である「ずい雲」(ずい雲とは、めでたいことの前兆として表われる雲のこと)をモチーフにしたもの。
日本選手たちに「吉兆」がありますように、という祈りを込めてつくっているとのことです。

・・・意外と、縁起を担ぐものなんですね。

基本的に、オリンピックの場合は、選手が個人資格で出場する試合が少ないので、
チーム全員が、公式ユニフォームを着ることになるので、
メーカー側も、オリンピックに照準を合わせ、血のにじむ努力をして、
いまできる最高の技術を駆使して、ユニフォームを作るそうです。

この公式ユニフォームは、選手や監督、監督者など、
約300人が着ることになるそうですが、
それぞれの競技などによって使いやすいように、「重ね着」が出来るような工夫がしてあるというのも特徴だそう。

・例えば、一番外側に見えるのが“公式ウエア”なのではなく、中に着るダウンとのコンビネーションで温度調節を出来るようになっています。
・ダウンのわきの下の部分がメッシュになっているのは、熱がこもらないようにするため。
汗をかいて、そのあとじっとしている間、寒くならないようにという心遣いのデザインだそうです。
・アウトドアウエアとスキーウエアを融合させる、というコンセプトから、温度調整しやすいようなデザインになっているそうです。
・また、細部にも細かい工夫があって、例えば、音楽を聴くアイアフォン用の穴がウエアの内側にあったり、雪が入って手が冷たくならないよう、袖元には、親指だけど出す穴がある、というのも、選手たちからの意見をフィードバックしてつくっているんだそうです。

うーん。
このウエアを着た選手の活躍、楽しみですね!


■増山麗央
  • 17:33

「あきらめない!」−織田信成選手

フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦・NHK杯の
男子2位となったのが織田信成選手。
ソチオリンピック出場に向け、少しずつ階段をのぼっています。
第2戦、スケートカナダの3位から今回順位をあげ、
3シーズンぶりのファイナル進出に望みをつなぎました。

このシーズンの織田選手のキーワードは、「あきらめないこと」!!

この気持ちで臨んだショートプログラム。
冒頭のジャンプで少し回転不足がありましたが、
その後の3回転半ジャンプはしっかりと成功させました。
笑顔もこぼれ、最後まで楽しそうに滑ると、会場全体から大きな拍手。
ただ、得点は、思うほどのびませんでした。
本人の表情がしばらく固まるくらい、
手ごたえと点数のギャップが大きかったようです。
結果は、3位スタート。
それでも、フリーに向けて、
「練習でやってきたことを信じるしかない」と切り換えます。

そして、会場から「織田!!」のコールが響く中、フリーが始まります。
すると、4回転3回転の連続ジャンプが、3回転1回転になるミス。
会場に緊張が走ります。
しかし、そのあとでした。
織田選手は、課題としていた2本目の4回転をバシっと決めました!
できばえ点が加算されたほど見事なジャンプ!!
本人が、
「失敗してもあきらめずに続けて飛ぶ練習をしてきた。 成果が出た」と
振り返ったこのジャンプで弾みをつけると、会場も手拍子で応援します。
そこから次々とジャンプを決め、きれいなステップやスピンもみせて、
残りはノーミスでフィニッシュ。
今度は、織田選手が驚いたような表情をみせるほど高い得点が出ました。
ミスをしてもあきらめず、逆転2位で、2戦連続の表彰台にたって笑顔を見せました。


表彰式後の会見で、織田選手は、早くも次の大会をみすえて話をしてくれました。

 「ショートプログラムで、すごくあのお客さんの拍手であったり
  歓声がすごく自信になったので、それを忘れずにいい演技ができれば
  いいなと思って試合に臨みました。
  最初の4回転は失敗してしまったんですけど、
  そのあとの試合はこびというか、演技はこびにはすごく満足していますし、
  まだまだ点数も伸ばせると思う。
  次の大会に向けてはそういうところを練習していきたい。
  持久力的な面では、すごく先シーズンより良くなったなという実感があるので、
  最初の2つのジャンプをしっかり集中して跳べるように
  練習していきたいなと思います」





そして、「ソチで終わりたい」と引退する考えを、今年はじめに表明している織田選手。
ソチオリンピックへの想いについては、こう語ってくれました。

 「自分の立場としては、やっぱりまだまだオリンピックに向けて、
  もっともっと自分をアピールしていかないといけないと思いますし、
  他の選手を追いかける立場だと思っている。
  今は本当に健康にケガもなく練習できているので、
   しっかりまた練習を積んでレベルアップできるように、
  がんばりたいと思います」


ソチオリンピック出場となれば、2大会連続の出場となる織田選手。
今回のNHK杯2位の成績が、
代表選考の第一関門ともいえる、グランプリ・ファイナル進出を
ぐっと引きよせたといえますね。

ちなみに、グランプリ・ファイナルは12月5日から福岡で行われます。
そして、最終的な戦いの場となる全日本選手権は
12月21日から埼玉でスタート。
ここで優勝すると、オリンピック代表入りが確定します。

フィギュア男子のオリンピック代表枠は3つ。
代表をかけての争いが熱くなっています!!!

■鈴木晶久
  • 23:20

鈴木明子選手の「オペラ座の怪人」に期待☆

今週の「コレカラのソチ」は、
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯についてお届けしていますが、
今回は女子総合3位となった鈴木明子選手をピックアップします!



鈴木選手は、先月にグランプリシリーズ初戦となる「スケートカナダ」で、
3年連続の銀メダルを獲得。
上々のスタートを切って、過去に優勝経験もある、相性のいいNHK杯を迎えました。

1日目のショートプログラム、
鈴木選手は情感たっぷりの演技をみせて2位発進。
しかし2日目のフリープログラムでは、
序盤の3回転ジャンプが1回転になったあと調子を崩し、
後半の3回転ジャンプでは転倒してしまうなど、ミスが続きました。

鈴木選手いわく、後半に持ち直さないといけないという焦りが強くなって、
最後まで気持ちを切り替えられなかったとのこと。
スケートカナダのあと、思うように練習をこなせなかったことも、
不安要素のひとつにあったそうです。
その結果、ショートプログラムから順位をひとつ落として、
総合3位に終わりました。

試合を振り返って、鈴木選手はこんなふうに語っています。

「 今日は本当にミスが多くて、
ちょっと不安を持って滑ってしまったことが
  演技の中に出てきてしまったなと思って、
立て直すことができませんでした。
  メダルをとれたことは、すごく嬉しいことですけれども、
  自分の演技の出来に関しては全然満足がいかないので、
悔しい気持ちで一杯です。
  ここで悔しい思いをした分、
また上がっていくだけだと思っているので、
  次へのバネとして、
モチベーションに繋げていけたらいいかなと思います。」

試合直後の会見だったにも関わらず、
次に向けて気持ちを切り替えている前向きな姿勢はさすがです。
今回の悔しさをバネにして、
最高の状態でソチオリンピックを迎えて欲しいですね。

さて、今シーズン限りの引退を表明している鈴木選手ですが、
スケート人生の集大成をかけて演技しているのが、
ショートプログラムの「愛の讃歌」、
そして、フリープログラムの「オペラ座の怪人」です!!

「オペラ座の怪人」は、
これまでにも数多くのスケーターがプログラムに使用してきた、
フィギュアスケートと馴染みが深い曲です。
高橋大輔選手や、カナダ人スケーター、パトリック・チャン選手の演技が
印象に残っているという方も多いのではないでしょうか。

一方、鈴木選手の演技といえば
表現力豊かでで、ドラマティックなことで有名。
そんな鈴木選手にミュージカル楽曲はぴったりで、
これまでにも「ウエストサイドストーリー」など
ミュージカルの名曲で滑ってきています。

この曲にかける思いについて、
鈴木選手はこんな風に話しています。

「オペラ座の怪人は、高橋選手はじめ、
 本当にたくさんのスケーターが今まで滑ってきていて、
 曲を選ぶときにも正直悩んだところはありました。
 でも、使える部分は色んな曲がたくさんあったので、
 その中から振付けのパスカーレ先生と2人で選んで、
 1つのストーリーを通して、
 自分がクリスティーヌを演じると決めて作ったプログラムなので、
 最後まで自分の気持ちを込めて滑れたらいいなと思っています。」

ソチオリンピック代表入りをかけて、
鈴木選手は、来月下旬に行われる全日本選手権に挑みます。
この試合でなんとしても代表を勝ち取り、オリンピックの舞台で
鈴木選手の表現力豊かな「オペラ座の怪人」を見せて欲しいですね。



■中村亜裕美
  • 22:46

完全復活・高橋大輔選手!!

先日、代々木第一体育館で行われた、
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第4戦、NHK杯。
男子で見事、優勝を果たした高橋大輔選手を今回はピックアップしました。

高橋選手は、今シーズン世界最高得点をあげ、2年ぶり5度目の優勝!
第1戦、スケート・アメリカの4位からみると、完全復活となりました!!




まずショートプログラムで、
注目されていた4回転ジャンプを11ヶ月ぶりにしっかり決め、
リズムをつかんだノーミスの演技を続けた高橋選手。
技術点・演技点ともにトップで、なんと世界歴代2位の記録をマーク!!
自ら「いい演技だった」と振り返っていました。

演技を見守っていたモロゾフコーチは、その復活ぶりに号泣。
高橋選手が「びっくりした」というくらい感激の涙をこぼすシーンも
ありました。

そして、迎えたフリー。
注目された、最初の4回転ジャンプは、
ショートプログラムより高く跳び、早くまわってあざやかに成功!!
その後も攻めの姿勢を貫き、大きく崩れる事はありませんでした。
「ビートルズメドレー」にのせ、
自分のスケート人生を表現したという演技で、
今シーズン世界最高の得点での優勝を果たしました。

完全復活を果たした高橋選手は、笑顔をみせて、
オリンピック2大会連続メダルに、意欲をみせました。

「今回、自信を取り戻すということを考えてきたんですけど、
 少しは自信になったかなと思います。
 終わった後なんかも100%の演技ではなかったんですけど、
 スタンディングオベーションしてくださったりとか、
 たくさんの声援を送ってくださったので、
 自分自身こうやって皆さんの前で滑れて幸せだと感じますし、
 (代表が決まるまでは)あと少しの時間なので
 自分の演技で今まで応援してくれた方に恩返しができるように
 もうちょっと自分自身、気を引き締めてやっていかなきゃなとは思いました。
 オリンピックまではまだまだ今の段階では遠い道のりだと思うので、
 少しでも近づけるように、オリンピックのメダルというものを目指して、
 自分に何が必要かということを日々考えながら、
 がんばっていかなきゃなと思います」

晴れやかな笑顔で、こう語っていました。


ところで、高橋選手の優勝のポイントの一つは、
靴を「重くした!」ことにあったそうですよ。
いまのスケート界では軽い靴を履く選手が多い中、
高橋選手は、9月に、以前まで履いていた重い靴に変えて、
滑り込みを重ねたそうです。
その方が、ジャンプの幅・高さが出るという判断があったとのこと。
この果敢なトライも、優勝に結びついたといえますね。


そして、記者会見では、
「4回転ジャンプを2連続で見せてくれるのはいつ頃か?」という質問に、
高橋選手は次のように答えていました。

「4回転を2本するまでの練習量っていうのが
 まだまだ足りないのかなと思うので、練習はしているんですけれども、
 その練習量がまだ追いついてってないなと思っているので、
 できれば今すぐにでも見せたいです(笑)」

この具体的な目標の達成に向けて進んでいく高橋選手。
めざすは12月5日からのグランプリファイナル。
「もし行けたら、
 オリンピックに向けて自分を取り戻す場にしたいと思っています」
と話してくれました。



NHK杯でここ一番の強さをみせて、
大きく自信をつけた高橋選手の今後に期待が高まります!!

■鈴木晶久
  • 23:55
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