mon. - thu.
トウキョウハナコマチ

アスファルトを剥がし時代を遡る
東京の過去を旅するタイムリープ・コーナー。

※こちらに掲載されている記事の内容については諸説あります。

谷崎潤一郎の恋


2018.12.17 (mon)

夏目漱石に、芥川龍之介、太宰治・・・作風とは違うピュアな恋愛事情を持つ明治の文豪たちはたくさんいます。ですが中には、自らの作品と同じような、独特の恋愛観を持っている人も。そのうちの一人が、谷崎潤一郎です。

「春琴抄」や「痴人の愛」。耽美主義でマゾヒスティックな作品の多い谷崎の作品。彼の私生活における女性関係も、普通の人とは少し違いました。谷崎の最初の奥さんは、もともと自分の恋人だった芸者の妹。ですが家庭的な女性が苦手だった谷崎はすぐに妻に飽き、そのまた妹に手を出してしまいます。

この、手を出した妹「三千子」が「痴人の愛」のモデル。三千子はなんと、当時14歳。妻の千代はこれを知り当然ショックを受けます。その時、千代は谷崎の友人である佐藤春夫に、熱い思いを寄せられていました。谷崎と違って誠実で優しい佐藤に惹かれる一方、夫に対する執着も捨てられない千代。当の本人である谷崎は、妻にはもう興味がないからお前にやる、と佐藤に言い放ちます。

奇妙な三角関係、いえ幼い妹も含めれば四角関係が続き、ようやく妻の千代が佐藤に心を寄せ始めた頃、谷崎は急に千代を手放すのが惜しくなります。佐藤に愛されることにより、美しく妖艶になった妻に気付いたのです。そして佐藤に、「もう用はないので俺の前から消えてくれ」と言い放ちます。

人間の所業とは思えない谷崎の一連の行動。俺様気質のようですが、実は女性へのラブレターには彼の作風のようなマゾヒスティックな文章が残されています。「御主人様、どうぞどうぞ御願いでございます。 御機嫌を御直し遊ばして下さいませ」「泣けと仰っしゃいましたら泣きます」これが彼の本質なのか、作戦なのかはわかりません。

女性の敵のような人生を送りながら、今なお女性に熱烈に愛される作家でもある谷崎潤一郎。作品にも本人も、興味が尽きません。

五千石心中


2018.12.13 (thu)

どんな人でも生涯に一度くらいは、身を焦がすような恋に落ちてしまうことがあるのではないでしょうか。例えそれが好きになってはいけない相手でも。江戸時代にも、そうした「道ならぬ恋」のエピソードがたくさんあります。

語り継がれる悲恋の一つに「五千石心中」と呼ばれるものがあります。男性は、藤枝外記という旗本。女性は、綾絹という吉原の遊女です。五千石取りという立派な旗本である外記には、19歳の妻と、4人の子供がいました。

深い仲になった外記と綾絹。これ以上望んではいけないと知りながらも、惹かれあってしまったのです。そしてある時、外記は幸せな家庭と旗本という立場、その2つを投げ打つような行動に出てしまいます。駆け落ちです。

きっかけは、綾絹の身請け話。金持ちの商人のもとに行ってしまうかもしれない、そんな話を聞き、外記はたまらず綾絹の手を引き吉原から逃走します。とはいえそこは吉原。遊女の脱走防止のためあらゆる対策がなされており、2人はすぐに追い詰められてしまうのです。

結局、外記と綾絹は心中という道を選びました。旗本と遊女の心中。この事件は江戸中で話題となり、こんな歌まで歌われるようになりました。

「君と寝ようか 五千石取ろか なんの五千石 君と寝よ」

悲恋は美化され、歌は流行歌に。吉原の遊女たちはこの歌を歌われると、うっとりと喜んだそうです。命をかけた大恋愛……そこまで愛された綾絹が、羨ましかったのかもしれませんね。

吉原の朝


2018.12.12 (wed)

恋人同士が2人だけの時間を過ごした1日の終わり。例えすぐ会えるとしても離れがたく、切ないものですよね。吉原ではそうした切ない時間は、朝に訪れます。夢のような一夜が終わり、現実に戻る瞬間です。

明け六つ、現代で言うと早朝の6時。ゴーン、ゴーンと浅草寺の鐘が鳴れば江戸の夜明け。この音が鳴ると、吉原では唯一の出入り口である「大門」が開きます。一晩を過ごした男女が、あちらこちらで別れを惜しみ遊女は涙を流して見送るのです。

もちろんこの涙、ほとんどの場合が演技。吉原は恋愛を商売にしているので、お別れの時間まで演出しなければなりません。目に涙をためてこちらを見つめる遊女を後にすると、客は「必ずまたこよう」と思うのですね。

この別れの儀式が終わると、遊女はすっと現実に戻ります。ここからは彼女たちの自由な時間。まずは一眠りして疲れた体を休め、起きたら湯屋に行きおふろでゆっくりと過ごします。さっぱりしたら、仲間たちとごはんを食べながら女子トーク。昨夜の客はああだった、こうだったと仕事の話に花を咲かせていたのかもしれません。

ゆっくりしたあとは、お客さんへのお手紙を書く時間。再び仕事モードになり、楽しかった夜へのお礼と、また会いたいという営業の恋文を送るのです。

男性にしてみたらちょっとコワイ遊女の実態。でも、お仕事だから仕方ないですよね。

吉原シミュレーション


2018.12.11 (tue)

ここは江戸時代の吉原。入り口の見返り柳を通り過ぎ、大門を入るとそこは別世界。左右には監視所があり、遊女が逃げ出さないように見張っています。

仲の町と呼ばれるメインストリートを歩くと、両側には引手茶屋と呼ばれる案内所が。ですがこの引手茶屋を使うのはお金持ちだけ。ほとんどの人はこのメインストリートから横道に入っていきます。横道に入ると、「張見世」と呼ばれる格子のある店が並び、中には指名を待っている遊女たちがこちらを見ています。

今回は引手茶屋を利用するとしましょう。「細見」というガイドブックを見ながら遊女を選び、お酒や料理を食べながら待ちます。しばらくすると指名の遊女が禿を従えて遊女屋まで移動。これが「花魁道中」です。遊女の中でもランクの高い花魁・・・その艶めかしい美しさに皆、釘付けに。皆がうらやむこの美女を今夜独り占めするのは自分なのだ、という男の自尊心が満たされます。

初めての吉原では遊女屋の大広間で、三々九度の真似事をします。ですが、花魁はこの時、一言も話してくれません。この後座敷で宴会が行われますが、よそよしいまま本日は終了。あなたは別の日に再び吉原に赴き、同じ花魁を指名します。この二回目の登楼を「裏」と言い、前回より少し心を許して話をしてくれます。ですが、まだ、肌は許しません。

この時もうすでにあなたは美しい花魁に夢中。なんとかして振り向かせたい。当然三回目の登楼です。初めての指名の時とは違う、なんだか親密な態度。ここではじめて「馴染み」と認められ、ようやく花魁は帯をほどいてくれるのです。

吉原での遊び、いかがでしたか?江戸の男性たちがお金や魂、全てをつぎ込んでしまうのもわかる気がしますね。

Schedule

12.17年内中に会いたい人

12.18俺、風邪ひかないタイプなんで。

12.19男は顔じゃない! じゃあ何?

12.20お酒が飲めない私がしてる事

Tracklist

2018.12.17

Apple MusicSpotify

15:05Freelance / Toro y MoiAS

15:09On My Mind / BairdAS

15:12TEMPER TEMPER / The Allsorts

15:17Sweet Disposition / The Temper TrapAS

15:21キミニアイタイ / 木村カエラAS

15:30Begin The Beguine / Tony BennettAS

15:36The World Should Revolve Around Me / Little JackieAS

16:02E-Lo feat.Jozzy / Los Unidades & Pharrell WilliamsAS

16:16はいからはくち / はっぴいえんどAS

16:31Pure / 向井太一AS

16:39Where Angels Fear To Tread / DisclosureAS

16:47ムーンライト / EmeraldAS

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