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東京ローカルニュース

毎月東京23区のうちひとつの区を取り上げながら
東京の現在・未来について考えていくコーナー

渋谷区

対談 長谷部健(渋谷区長)× 堀内貴之 前編


2017.6.15 (thu)

毎月東京23区のうちひとつの区に注目し、区長などその区の中心人物に堀内貴之が取材しながら、東京の現在・未来について考えていきます。
今月の東京ローカルニュースは渋谷区!
渋谷区長で同性パートナー条例を成立させるなど精力的に活動している長谷部健氏を迎えて、渋谷区での現在の取り組み、そして渋谷区の未来をどのようにしていくのか?について伺いました。

 

堀内貴之:長谷部区長になってから色々な事が動いている。そんなイメージで渋谷区を見てますけれども、今取り組まれていることは?

長谷部健:就任してすぐ取り掛かっていたのは渋谷区の基本構想を20年ぶりに改定するのをやっていて、20年先のヴィジョンをもう一度持とうということで『違いを力に変える街、渋谷区』を掲げて20年先に向かって7つのカテゴリー、教育や福祉などそれらを実現していくと『違いを力に変える街、渋谷区』就任以来「ダイバーシティ&インクルージョン」を意識した構想になっているんですけど、それをやっていくには行政だけ頑張ってもダメでみんなともっと混じり合う。そのみんなというのも区民だけを向いてるのではなく、働いてる人や遊びに来ている人も学生も沢山いるし、元学生の人たちもいて渋谷区を第二の故郷と思ってくれる人たちがいる。そういう人たちをみんなステークホルダーだと思ってそういう人たちの意見を取り込んで新しい動きを作っていこうと。

渋谷区のプライドじゃないですけど、渋谷区民である事、渋谷区にいる事を誇ろうとか渋谷を愛する自分を出していこうとか。例えばニューヨーカーやパリジャンのような呼び方がありますけど、渋谷には何かないかな?と思います。

自然と生まれてきたらいいなと思ってるんですけど、「渋谷民」とか「渋谷人」とかが出てくるといいなと。やっぱりその街を愛する人を自然発生的に出てくるって事は、その街のシティープライドの高さを表していると思うので、それは結果ついてくるように色んな仕掛けを。1つ何かを変えたら変わるというわけではないので、いろんなプロジェクトを投げかけていこうと思っています。

これから2020年に向けて街の周辺が大きく変わりますけど、例えば人はやってくるけど駅の周辺に来てすぐに帰ってしまうみたいな事に対して何か取り組みはありますか?

これだけ観光客が渋谷に来ていますが、スクランブルにきてちょっと歩いて浅草に行ってしまうとか、もう少しこの街のローカルな部分を知って欲しい。例えば僕らは海外行った時も向こうのローカルな人が行く店とかに行きたいじゃないですか。その生活を見て見たたかったり。渋谷区にはそういう場所がたくさんあるので、うまくそういうところに連携できないかなと。観光協会を去年一新して非常に今アグレッシブに動いてますね。いろんなイベント等も仕掛けていて。あとは渋谷ってこれだけ観光客がきているのにハイシーズンが無いんですよ。例えば秋の京都とかあるじゃないですか。11月が色んなイベントが、音楽イベントがあったりアートイベントがあったり、超福祉展という福祉のイベントをやっていたり。いろんなものがあるのでそれを串刺しにして「ダイブダイバーシティー」ってテーマで今年やっていこうと思っていてダイバーシティーを軸にして海外に売り出す。海外に向けてのビジネスカンファレンスも明治神宮の中の明治記念会館も借りて11月にそういった催しもやっていく。あとはこれはまだ課題なんですけど渋谷、原宿、恵比寿、新宿の南口の方も渋谷区なんですけどお土産物がないんですよこの街に。これを開発できたら大金持ちよって思ってるんだけど(笑)そういう事もできたらいいなと観光協会も頑張っています。

渋谷区、大きく分けて幾つかブロックがあると思うんですけど、どんなイメージで捉えていますか?

本当にそれぞれの街で個性が違っていて、代々木公園と明治神宮が区の真ん中にあってそれを15キロ平方メートルで囲んでいるですよね。南の端っこが天現寺のあたり。北の方の端っこが笹塚から中野方面にかけてのあたり。もうそこの色だけでも全然違いますよね。やっぱり街にそれぞれ個性があって、恵比寿なんかは住みやすい街、住みたい街No.1なんて言われてるけどあそこがどうやって発展したのかを僕らは一生懸命研究していたり。実際人口が多いのは甲州街道の初台から笹塚に向けての両サイド。あっちの方をどうやったら恵比寿のような住みやすい街って言われるか。恵比寿と同じことをするつもりじゃなくて地域のリソースを生かした街づくりができないかなと。下町っぽいところもあるし、だけど交通の便はものすごいよくて、甲州街道で新宿まですぐだし首都高もすぐ乗れるしね。そういうことを考えていくともう少しやりようがあるんじゃないかとかいろんなことを考えてますね。水道道路という甲州街道の向こうにある都道なんですけど、あれが例えば桜並木のようなアーヴェニューに変化したり。やっぱり行政ができることって場を作ったりルールを作ったりすることが多いんですけど、そこでどう民間の人がアクティブに活動するか。その土台を作っていくことができればいろんな価値や文化みたいなものが渋谷区らしくできるかなと。街それぞれ特徴があって長所を伸ばすデザインができたらいいなと思っています。

勝手にみんなが付けて勝手に盛り上がっていく文化が元々渋谷区にはいっぱいある?

どんどん奥とか裏とか広がっていくし(笑)そういった息吹というのが大切だと思いますね。僕自身ストリートカルチャーに揉まれて育ってきたんだなと。小学校の時はたけのこロカビリーがいて、中学校はDCブームで、高校はアメカジ、渋カジ。こういうのはストリートでいろんな人たちが交わって生まれてきたカルチャーでそれも大切にして行きたくて。大きなビルがこれからどんどん出来て街の景色が変わるけど、もうちょっと歩行者天国とかそういった機会を追及していければ、また渋谷らしいカルチャーが生まれる要素が担保できないかなとか。

最近トランクホテルができました。あれも明らかに街に向かって扉を開いているイメージですよね。

そうですね。お土産なんかも区の福祉産業所で障害者たちが携わったものを販売してくれていたりとか非常に地域のことを考えてくれている。一緒にやろうという意欲にあふれた。それであんなに洒落ていて。

あの人たちも渋谷でずっと遊んできた渋谷の血があれを作ってるなと。

渋谷愛を感じますよ。

代々木公園が真ん中にあることによって緑がある区っていうイメージがあります。小さい公園もたくさんありますが、これから先どうなんでしょう?

あそこの緑はしっかりと担保して行きたいし、今、緑被率も3位くらいなんですよね。それは明らかに代々木公園、明治神宮のおかげだし、もう一つ忘れちゃいけないのが2020年に明治神宮も100年なんですよ。あの森も人工の森で100年たったら自然の森になるという計算で作られていて、学者が見るともうすでに自然のサイクルに入っているんですけど、都会の真ん中にあんな人工の凄い鬱蒼とした森を作った。その記念すべき時が2020年。それをみんなが知って想いをちゃんと持てばさらにあの森の価値が上がってくるんじゃないかな。

Google Mapができて上からの写真が見れるようになって、表参道の1本まっすぐの気持ちよさって他になかなかないんですよね。あれは明治神宮の参道としての立派な雰囲気が出ていますよね。

みんな忘れちゃってるけどあれ参道なんです。ファッションストリートだと思ってますけど(笑)他の町と違うのは参道という和の文化の上に洋風が乗ってきてるからああいう風に混じりあってるのが出ていると思うんですよね。日本の街って洋に降っちゃってるところって多いじゃないですか。それが割と新しい街の中でしっかりと話が残っているということはあの街の売りだと思うし、全部並んでいるビルは高さを自分たちで制限してるんです。行政がしたわけじゃなくて。それも明治神宮の重みというか意味がありますよね。

 

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