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東京ローカルニュース

毎月東京23区のうちひとつの区を取り上げながら
東京の現在・未来について考えていくコーナー

渋谷区

対談 長谷部健(渋谷区長)× 堀内貴之 後編


2017.6.22 (thu)

毎月東京23区のうちひとつの区に注目し、区長などその区の中心人物に堀内貴之が取材しながら、東京の現在・未来について考えていきます。
6月の東京ローカルニュースは渋谷区!
対談後編は、「おとなりサンデー」「渋谷区に欲しいもの」「区長に就任してから」について伺いました。

 

堀内貴之:6/4に開催されたおとなりサンデーもそうなんですが渋谷区に住んでいる人館、活動している人たちが混ざりうような、そう言ったイメージのイベントですが、これはどう言ったビジョンになりますか?

長谷部健:これは渋谷区長になって2年間いろんなところを回っていろんなコミュ二ティに触れて、町会も商店街もPTAもシニアクラブも青少年などいろんなコミュニティがあるんですけど、どこもこの都心にありながら活発に活動してるんですよ。ただ共通の悩みがあって新しい悩みを増やしたいと思っているんです。現状はちょっと高年齢化していて僕らの父親母親世代のコミュニティが非常に多いんです。だからそこがうまく世代を超えて交わっていく場を提供できないかと思って、これはパリの隣人祭りというのをモチーフにしたんですけど、孤独死の人が出ちゃってみんなが顔見知りだったらこんなことはなかっただろうと。年に一度自分の食べ物と飲み物を持ってアパルトメントの中庭に集まりましょうと。向こうの人はパーティーが上手なのでワイン片手にパン、チーズでパーティは盛り上がるんだけど、翌日から挨拶する人が増えたっていうんですよ。そこから会話が増えてあの人気難しそうなおばあさんだなと思っていたのが子供好きで、お母さんからしたら夕飯の準備してる時に面倒見てくれて助かるわとか、そういった社会課題って近所で解決できることってたくさんあって、それが生まれてそれがヨーロッパ中に広がっていいなと。渋谷でやろうと思っても僕らパーティが恥ずかしかったりするじゃないですか。なので何してもいっていう仕切りにしよと思って、それぞれが近所の人とできる事なんでもいいよと。もちろんパーティする人もいるけど、朝一緒にジョギングして近所の人と朝ごはん食べましたとか、一緒に近所掃除しましたとか、食べ物に限らずそういった交わりの機会ができたらいいなぁという事で、勝手ながら6月の第一日曜日をこれから渋谷は「おとなりサンデー」と呼んでやっていくんです。商店街とかも来年は巻き込んで行こうと思っていて、おとなりサンデーの旗が出ていたり多分おとなりサンデー用の売り出しがあったりすると思うんです。お酒とかすごく売れると思うしパーティセットみたいなものも売れると思うし。飲食店もうちでやってくださいってやってもいいですしね。そうやってみんなが盛り上がっていくきっかけになればといいなと思って始めました。

番組で商店街を応援してるところもあるんですけど、それが根付いている町ではいいんです、北区十条とか。そうでない町に商店街の機能をって言ってももう違いますよね。都市の雰囲気が違うので。本当はみんな挨拶して生きていたいんだけどする場がないのでもうちょっとドライな生き方になっちゃってるところがあって、それでも地域の中でボランティアをしたいという気持ちを持ってる人とか、地域と何かやりたいと思ってる人がいるんだけど祭りくらいしか出てこないんですよね。地域と接点を持つ事自体が難しい。

逆にお祭りの時はいつもどこにいるんだよこんなに!っていうくらい子育て世代が出て来たりね。でも防災のこととか考えたらやっぱりそこが繋がってた方が当然いいし、あとは渋谷の場合公立校に行かない子も結構いたりするので、そうすると少し地域から離れちゃうじゃないですか。だからこういったイベントとかを通して近所が最低限、顔見知りでいるっていうことだけでも、防災のことを考えたら全然違うと思うし。やっぱりそうやって交わって行く機会をというのは必然というかやって行かないとこの先難しいぞというのも感じています。

このおとなりサンデーもそうですけど、こういった人と人が混じり合うようなことがこれからも?

あとは地域SNSも応援して行こうと思ってしてるし、多分これって一つや二つの政策じゃ解決しない問題なのでどんどん矢を放って行くというかね。あとは地域のコミュニティの活動も多くの人に知ってもらいたいので区のニュースの表紙に必ずコミュニティーリーダたちが出て来て、地域のローカルスターと呼ばれる人たちが出て、中面でその人たちの活動を紹介していたりとか。この間も少年少女合唱団を紹介したらやっぱり応募が増えたりとかね。そうやって広報機能も使いながらやっていきます。

渋谷区に欲しいもの。例えばこれがあったらいいなというものは何かありますか?

渋谷の良さっていうのはもちろん住んでもよしっていうところもあるんですけど、日本とか東京のことを考えて行った時に、エンターテインメント、クリエイティブの分野で「どれだけ尖れるか」というところが重要だと思っていて、長所ですよね。僕らくらいの世代が例えばクリエイティブを学ぼうと思って海外に留学しようとすると、ロンドン、パリ、ニューヨークってなるところを、これからやっぱり、せめてアジアの人たちにはロンドン、パリ、ニューヨーク、東京。そこには渋谷っていう風に読んでもらえるようになりたいなと思うし、経済の面ではシンガポールが税制が優遇されていたり、マーケットの広い上海とか外資含めてあっち側にマーケットは広がりつつありますけど、カルチャーの面ではやっぱり負けてないと思うし、そこで尖っていくってことがやっぱりアイデンティティとしては大切だと思うんですよね。そうなった時に欲しいものといえばやっぱり僕はアリーナが欲しいですけどね。

それはスポーツも出来たり?

そうですね。あとは避難場所としても有効だし、代々木公園のB地区あたりに本当はね。今サッカー場とかありますけどあの辺とかにできるといいんだけど、東京都の土地なんで。でもあそこでJリーグが見れたりとか、例えば芝生の出し入れができるようなアリーナであればサッカーやってない時はコンサートホールになったりとかね。3万人規模とかになると思うのでそういったアリーナとかはないじゃないですか。そういうものができてくると本当に渋谷がエンタメの集積地見たくなってくるといいなと。ダンサーとかみんな海外目指しちゃうじゃないですか。ビヨンセやマドンナの後ろで踊るってなっちゃうけど、一度渋谷でまず通過してから攻めて行こうってなれば、アジア中の人や世界中の人が渋谷を目指して来るようになると思うしそのポテンシャルはあると思っているので。

渋谷っていうこの名前が海外に出ている。それはやはりあの交差点のおかげで出ているんですか?

それは大きいと思いますね。あのスクランブス交差点は立派な観光資源だし、あれを目指して来る人たちがたくさんいて、渋谷渋谷とあれを目指してきてくれるのは本当にありがたいですね。

渋谷がクリエイティブという感覚はあると思うんですよ。例えば千駄ヶ谷の方に行って年配の人たちがクラフトで何か作っている。そういうクリエイティブもあるだろうし、渋谷の駅の近くで若い子たちが音楽にまみれているのもあるだろうし、アートもあるだろうし。あとは渋谷は以外と本が手に入る環境が。

そうですね。レコードもあったしね。でもそれって僕らが自覚、自信を持てばいいだけの話で海外から見たらクリエイティブだと日本人の事を思っている人はたくさんいるし、東京渋谷にクリエイテビティを感じている人は実はたくさんいて、僕らがいまいち自信持てきれていないというかシャイだったりしてて、そこがもう少し自信持てるだけでもっと発信力も変わってくると思うし、そこが大事かなと思ってますね。

例えばこれからいろいろやっていくことあるかと思いますけど、区長に就任してから今までどういった感触でしたか?

まぁもちろんまだ道半ばなんですけど、今まではどちらかというと区に提案をして説得する感じでしたよね。でも今度は自分が旗をあげるとみんながそれをやってくれようとする立場に変わったので、そこは逆に責任感を持ってやっていかなきゃいけないなというのは感じてますね。クライアントに対して提案してた側からクライアントの責任者に位置が変わったというのがあって、そこは一番大きく変わったところですね。だから運転手になった感じはありますよね。

渋谷区で生まれ育ってきて、それこそ地域のおじさんおばさんもみんな知ってて、その中で感じてきたものを今還元できているわけですよね。

還元できているというか、渋谷区に育てられたという想いがあるからそれに対してのお礼というのはどこかにあると思いますけど、でも自分の生まれ育った思い入れのあるこの町をもっとよくしたいっていう想いがやっぱり強いし、次の世代に向けて世界に誇る成熟した国際都市としてこの町が行けるように、そこで汗かきたいと思ってやってます。

最後に、渋谷区に来る人たちに一言。

渋谷に住まれたい方も本当にウェルカムだし、古くからいる人たちもウェルカムと思ってくれている人たちも多いと思うのでうまく交じり合って、みんなと混じり合うことでまた新しい価値文化がこの町から生まれると思うのでそこも一緒に汗かいてもらえたらいいなと思います。

 

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