2022/03/24

Drive Discovery PRESS Vol.51 編集後記

DDP編集部

三寒四温が続いていますが、春が感じられる日々の中でウグイスの鳴き声も聞こえてくるようになってきました。そんな中、今週、特別特派員としてお迎えしたのは、シジュウカラの言葉を研究されている鈴木俊貴さん(京都大学白眉センター特定助教)

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シジュウカラは独自の言葉や文法を持ち、鳥同士で会話をしているという驚きの発見をした鈴木さんですが、実はすでに17年もシジュウカラの言葉を研究されているそうなんです。これまで、動物は気持ちは伝えても、具体的な言葉を伝えることはできないとされてきた中で、観察を続けると「タカ」「集まれ」など次々とシジュウカラの言葉を認識することができたそうで、紀元前2000年ごろから、人間以外は言葉を持っていないとされてきた定説を覆すことに。実際に今回もスタジオで次々とシジュウカラの言葉を紹介してくれましたが、その構造の複雑さにも驚くばかりでした。
すでに200ぐらいの音声が取れているそうで、シジュウカラの生態もより深く理解できるようになっているそうですが、例えば、シジュウカラの縄張りは、大きなところで直径200メートル。その縄張りの中にソングポストと呼ばれるさえずりの場所があり、隣の縄張りの雄のことは認識していたり・・・ちなみに、隣の縄張りで知らないオスが鳴いたりすると、すかさず追い払いにいくんだとか。

人間は生まれてから話せるようになるのに1年はかかるところ、にシジュウカラは孵化して1ヶ月で鳴くようになり、そこにはすでに言葉があり、1ヶ月で会話ができるようになっているのだとか。
鈴木さんは、その言葉を少しずつ理解し、自分がシジュウカラになっているような気分だと話していましたが、完全に理解することは無理だと思うぐらい複雑な言葉を持っているというシジュウカラ、全てが驚きでした。

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