2025年06月21日
今夜ゲストにお迎えしたのは、東大卒の米農家さん…という、ユニークな経歴を持つ、米利休さんです。
米利休さんは、1998年、山形県のお生まれです。
東京大学工学部をご卒業後、実家の農家を継ぎ、米作りに従事されます。
昨年、2024年5月にSNSアカウントを開設し、祖父の指導を受けながら、農作業する様子を配信したところ、3ヶ月で総フォロワー数20万人突破。
SNSを駆使して農業ビジネスの成功を目指し、「じいちゃんの米を日本一有名にする」という目標を掲げ、日々、奮闘していらっしゃいます。

──改めて感じる、祖父への感謝の気持ち
茂木:この度、角川からご著書『東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦』を出版されました、米利休さんに色々お話を伺っていきたいと思います。
ご著書の中にも書かれていますけども、米農家さんは年に1回しか収穫と言うか結果が出ないから、ずいぶんゆっくりとしたもので。恐らく、世間の東大工学部のイメージと言うと、今の流行りのAIとかITとか、サイクルが早い仕事を選ばれるんじゃないかな、というイメージがあると思うんですが、あえて農業をお選びになったのはどうしてでしょうか?
米利休:1年半ぐらい前になるんですけど、僕の祖父…じいちゃんが実家でずっとこれまで続けてきていた農業が、その年、ちょうど猛暑の影響とか、あとはカメムシの被害とかが酷くて、なかなか経営がうまくいっていなくて、もう廃業寸前ぐらいの状態になったんですね。このまま続けていくとしたら借金ばっかり大きくなって、返すにも「どうやって返すんだ?」、という状態になってしまう、と。家族で「どうしよう?」と迷っていた時に僕もその話を聞いたので、ちょっと色々考えて、結局、農業を継いで自分の家の家業を守っていこうかな、と思いました。
茂木:東大ご出身ということで、おじいちゃんも含め、ご家族の方は「もう米利休さんは東大に行ったんだし、農家は継がないんだろう」と思われていたんじゃないかと思うんですけど、農家を継ぐと話した時にはどんな反応でしたか?
米利休:まさしくその通りでして。父も母も、まさか僕が農業を継ぐなんて思っていなかったんです。父自身が実家の農業を継がなかったので、「農業を継がない」ということも理解できるし、逆に言うと、「廃業していく農家さんが増えていけば、もしかしたらこれが可能性になって、食べていける職業になる」というような見方もできるので。
父はどちらかと言うと中立的な考え方だったんですけど、母はもう反対と言うか…(笑)。

茂木:お母様はね。
米利休:そうです。もう祖父の農業をずっと見てきて、「これは、継いだら僕が不幸になるんじゃないか」みたいな見方をしていましたね。
茂木:でも、このご著書で触れていますが、さすが東大卒の頭脳、と言うか、まず、おじいちゃんはすごくいい人なんですけど、肥料とかの注文が適当だった、という(笑)。
米利休:そうなんです(笑)。毎年余っていましたね。「余裕を持って注文するんだ」という感じで注文をして、それで使わなかった肥料がどんどん溜まっていく、みたいな。
茂木:だから、そこら辺もしっかり計算してやっているということと、更に経営計画も「年商1億円を目指す」ということですが。
でも一方で、この本の読みどころの1つなんですけど、なんと、「年収15万円」という計算からスタート。これはインスタの方や皆さんもびっくりしたでしょう?
米利休:はい(笑)。一部の方は「もう少しましな嘘つけ」というふうに仰っていました(笑)。
茂木:嘘だと思ったんですね。
米利休:そうです。そういうふうに思われた方もいらっしゃったんですけど。ただ、「これが嘘だったら良かったな」と僕も思っていたぐらい、本当の話でして。
元々、僕の祖父が農業をしていた時に、農繁期だけ友人にお手伝いをして頂いていたんですけど、その方にお手伝い料と言うか人件費としてお支払いしていたものが、大体15万円ぐらいだったんです。だから「その金額だったら出せるでしょう」ということで、1年間ずっとやるんですけど、一応最低でも出せる金額を計算したら15万円なので、「じゃもう15万円でもやります」ということで始めました。
茂木:今、リスナーの方は聴きながら泣いているんじゃないですか? 「まぁそんな、東大まで出て、年収15万円で…」みたいな(笑)。
米利休:(笑)。
茂木:今、本当に日本の農業はすごく関心が高いんですけど、「子供の頃からじいちゃんの姿を見てた」と言いながら、どうですか? ご自身で田んぼに立つようになって、見えてきた光景というのはどんなものでしょう?

米利休:子供の頃、実際に(農業の)風景というものを見ていても、農家の方々の苦労をそこまでは知らなかったんですけど、やっぱり自分で田んぼに立って農作業することによって、「この作業ってこんなに大変なんだ」とか、逆に、「あ、この作業はそんなに大変じゃないんだ」みたいな、実際に田んぼに立ったからこそ分かる苦労みたいなのがあって。
それと同時に、今まで僕は自分の祖父が作ったお米をずっと食べてきたので、すごいありがたいな、という感謝の気持ちが湧き上がってきましたね。
茂木:本当ですよね。どうですか? 今、皆がお米を大事にしようという感じになっていて、「農家さんを応援したい」という気持ちがある方もいると思うんですけど、どうやって応援したらいいでしょうか?
米利休:そうですね。色んな方法があると思うんですけど、例えばその農家さんが直接ホームページや通販サイトとかでお米だったり、農作物を販売しているのであれば、それを買って頂けるだけですごい嬉しいですし…。
茂木:いわゆる「直販」というものですかね。
米利休:そうです。そういうものもありますし、あとは僕で言ったら、応援のコメントがあるだけでも本当に嬉しいです。
茂木:皆、米利休さんに応援コメントを送っちゃおう!
米利休:ありがとうございます(笑)。
茂木:これから、日本の食がどうなるか。このご著書の中でも書かれていますけど、周りからは「東大卒なんだし、政治家をやったら?」というようなことも言われるようですけど、今はあくまでも農家をされたい、ということですか。
米利休:はい。スタートが、ギリギリだった実家の祖父の農業の立て直しで。地域も含めて自分達の周りを守っていったりとか、その中で、作ったお米を全国に発信して色んな方に食べてもらえたり、みたいな、そういう直接的に現場で人に貢献できるような仕事というのが、僕はやっぱり好きだなと思っているんです。だから僕はどちらかと言うと、「現場に近しいところにいたいな」という、そういう思いがあります。
茂木:素晴らしい!
『東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦』をこれから読むという方も多いと思うので、リスナーの方にメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
米利休:こちらの本は、僕の中では農業をやっている方に向けて書いたというよりは、一般の方向けに書いた本なんですね。だからこそ、例えば、僕が今まで生きてきた中で感じてきた葛藤とか、自分が学んできたことみたいなのもすごい詰め込んでいるので、農家の本として読むというよりは、1つの物語を読んでるような、そういった感覚で読んで頂けるとすごい面白い本なんじゃないかなと思っています。

●米利休 さん【山形の米農家】(@komenorikyu) 公式 Instagram
●米利休 さん【山形の米農家】(@komenorikyu)公式 X(旧Twitter)
●利休宝園 | 米利休 公式サイト
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●KADOKAWA 公式サイト
●東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦 / 米利休 (著)
(Amazon)
米利休さんは、1998年、山形県のお生まれです。
東京大学工学部をご卒業後、実家の農家を継ぎ、米作りに従事されます。
昨年、2024年5月にSNSアカウントを開設し、祖父の指導を受けながら、農作業する様子を配信したところ、3ヶ月で総フォロワー数20万人突破。
SNSを駆使して農業ビジネスの成功を目指し、「じいちゃんの米を日本一有名にする」という目標を掲げ、日々、奮闘していらっしゃいます。

──改めて感じる、祖父への感謝の気持ち
茂木:この度、角川からご著書『東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦』を出版されました、米利休さんに色々お話を伺っていきたいと思います。
ご著書の中にも書かれていますけども、米農家さんは年に1回しか収穫と言うか結果が出ないから、ずいぶんゆっくりとしたもので。恐らく、世間の東大工学部のイメージと言うと、今の流行りのAIとかITとか、サイクルが早い仕事を選ばれるんじゃないかな、というイメージがあると思うんですが、あえて農業をお選びになったのはどうしてでしょうか?
米利休:1年半ぐらい前になるんですけど、僕の祖父…じいちゃんが実家でずっとこれまで続けてきていた農業が、その年、ちょうど猛暑の影響とか、あとはカメムシの被害とかが酷くて、なかなか経営がうまくいっていなくて、もう廃業寸前ぐらいの状態になったんですね。このまま続けていくとしたら借金ばっかり大きくなって、返すにも「どうやって返すんだ?」、という状態になってしまう、と。家族で「どうしよう?」と迷っていた時に僕もその話を聞いたので、ちょっと色々考えて、結局、農業を継いで自分の家の家業を守っていこうかな、と思いました。
茂木:東大ご出身ということで、おじいちゃんも含め、ご家族の方は「もう米利休さんは東大に行ったんだし、農家は継がないんだろう」と思われていたんじゃないかと思うんですけど、農家を継ぐと話した時にはどんな反応でしたか?
米利休:まさしくその通りでして。父も母も、まさか僕が農業を継ぐなんて思っていなかったんです。父自身が実家の農業を継がなかったので、「農業を継がない」ということも理解できるし、逆に言うと、「廃業していく農家さんが増えていけば、もしかしたらこれが可能性になって、食べていける職業になる」というような見方もできるので。
父はどちらかと言うと中立的な考え方だったんですけど、母はもう反対と言うか…(笑)。

茂木:お母様はね。
米利休:そうです。もう祖父の農業をずっと見てきて、「これは、継いだら僕が不幸になるんじゃないか」みたいな見方をしていましたね。
茂木:でも、このご著書で触れていますが、さすが東大卒の頭脳、と言うか、まず、おじいちゃんはすごくいい人なんですけど、肥料とかの注文が適当だった、という(笑)。
米利休:そうなんです(笑)。毎年余っていましたね。「余裕を持って注文するんだ」という感じで注文をして、それで使わなかった肥料がどんどん溜まっていく、みたいな。
茂木:だから、そこら辺もしっかり計算してやっているということと、更に経営計画も「年商1億円を目指す」ということですが。
でも一方で、この本の読みどころの1つなんですけど、なんと、「年収15万円」という計算からスタート。これはインスタの方や皆さんもびっくりしたでしょう?
米利休:はい(笑)。一部の方は「もう少しましな嘘つけ」というふうに仰っていました(笑)。
茂木:嘘だと思ったんですね。
米利休:そうです。そういうふうに思われた方もいらっしゃったんですけど。ただ、「これが嘘だったら良かったな」と僕も思っていたぐらい、本当の話でして。
元々、僕の祖父が農業をしていた時に、農繁期だけ友人にお手伝いをして頂いていたんですけど、その方にお手伝い料と言うか人件費としてお支払いしていたものが、大体15万円ぐらいだったんです。だから「その金額だったら出せるでしょう」ということで、1年間ずっとやるんですけど、一応最低でも出せる金額を計算したら15万円なので、「じゃもう15万円でもやります」ということで始めました。
茂木:今、リスナーの方は聴きながら泣いているんじゃないですか? 「まぁそんな、東大まで出て、年収15万円で…」みたいな(笑)。
米利休:(笑)。
茂木:今、本当に日本の農業はすごく関心が高いんですけど、「子供の頃からじいちゃんの姿を見てた」と言いながら、どうですか? ご自身で田んぼに立つようになって、見えてきた光景というのはどんなものでしょう?

米利休:子供の頃、実際に(農業の)風景というものを見ていても、農家の方々の苦労をそこまでは知らなかったんですけど、やっぱり自分で田んぼに立って農作業することによって、「この作業ってこんなに大変なんだ」とか、逆に、「あ、この作業はそんなに大変じゃないんだ」みたいな、実際に田んぼに立ったからこそ分かる苦労みたいなのがあって。
それと同時に、今まで僕は自分の祖父が作ったお米をずっと食べてきたので、すごいありがたいな、という感謝の気持ちが湧き上がってきましたね。
茂木:本当ですよね。どうですか? 今、皆がお米を大事にしようという感じになっていて、「農家さんを応援したい」という気持ちがある方もいると思うんですけど、どうやって応援したらいいでしょうか?
米利休:そうですね。色んな方法があると思うんですけど、例えばその農家さんが直接ホームページや通販サイトとかでお米だったり、農作物を販売しているのであれば、それを買って頂けるだけですごい嬉しいですし…。
茂木:いわゆる「直販」というものですかね。
米利休:そうです。そういうものもありますし、あとは僕で言ったら、応援のコメントがあるだけでも本当に嬉しいです。
茂木:皆、米利休さんに応援コメントを送っちゃおう!
米利休:ありがとうございます(笑)。
茂木:これから、日本の食がどうなるか。このご著書の中でも書かれていますけど、周りからは「東大卒なんだし、政治家をやったら?」というようなことも言われるようですけど、今はあくまでも農家をされたい、ということですか。
米利休:はい。スタートが、ギリギリだった実家の祖父の農業の立て直しで。地域も含めて自分達の周りを守っていったりとか、その中で、作ったお米を全国に発信して色んな方に食べてもらえたり、みたいな、そういう直接的に現場で人に貢献できるような仕事というのが、僕はやっぱり好きだなと思っているんです。だから僕はどちらかと言うと、「現場に近しいところにいたいな」という、そういう思いがあります。
茂木:素晴らしい!
『東大卒、じいちゃんの田んぼを継ぐ 廃業寸前ギリギリ農家の人生を賭けた挑戦』をこれから読むという方も多いと思うので、リスナーの方にメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
米利休:こちらの本は、僕の中では農業をやっている方に向けて書いたというよりは、一般の方向けに書いた本なんですね。だからこそ、例えば、僕が今まで生きてきた中で感じてきた葛藤とか、自分が学んできたことみたいなのもすごい詰め込んでいるので、農家の本として読むというよりは、1つの物語を読んでるような、そういった感覚で読んで頂けるとすごい面白い本なんじゃないかなと思っています。

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