Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.245 羽賀翔一さん

2017年12月09日

今週お迎えしたのは、先週に引き続き、マガジンハウスから出版されている
「漫画 君たちはどう生きるか」を書かれた、漫画家・羽賀翔一さんです。

原作は、児童文学者の吉野源三郎さんが1937年に書かれた名著「君たちはどう生きるか」。
この作品が80年の時を経て、漫画になった作品が「漫画 君たちはどう生きるか」です。

今週は、羽賀翔一さんがどのようにして漫画家になったのか、お話を伺いました。


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──漫画家の原点

茂木:羽賀さんは、原点としてどういう漫画に影響を受けたんですか?

羽賀:僕は「ドラゴンボール」「ワンピース」という王道を読んできて、その真似ばかりを描いてたんですよ。
それが小学校の時に、描いてはお母さんに読ませたり、友達に読ませたりしてたんです。
中学生くらいになってくると、中二病というか”人マネでやってるだけじゃん”って。

茂木:中学生でそう思ったのは早いですね。

羽賀:描くのが楽しくなくなっちゃったんですね。”どうやったら、自分にしか書けないものができるんだろう”って思って。
なんとなく、漫画家になりたいという気持ちはあったんですけど描かなくなっちゃって。

茂木:はい。

羽賀:それから、大学生の時にたくさん本を読むようになって、村上春樹さんとかがすごく好きになったんです。
本をたくさん読むという経験をして、漫画からインプットしたものを、漫画としてアウトプットするのではなくて。自分が触れた文学作品で考えていったことを、漫画に変換して出したらどうなるんだろう?と思って描いたのが「インチキ君」って言う漫画だったんです。

茂木:そこで自分のスタイルを掴んだんですね。

羽賀:”これは自分にしか書けないぞ”と思って「インチキ君」を出した時は清々しい気持ちというか、結果がどうなろうが自分としては納得できた漫画だったので。

茂木:それを佐渡島さんが拾ってくれたということですもんね、その時は嬉しかったですね。

羽賀:めちゃくちゃ嬉しかったですね。大学卒業間近の1月下旬に電話がかかってきて、「君の漫画を読んだよ、担当編集になる佐渡島だ」と、”変な名前だな”と思いながら(笑)。
入選して担当が付くことになったから、打ち合わせをしようとなったときに”これで自分の漫画家としてのスタートが切れるぞ”っていう風に思って。

茂木:そこまで辿り着けない人がほとんどですからね。

羽賀:僕の場合はそこからが…出す本が全然売れなくて(笑)。

茂木:佐渡島さんに案を持っていくとどんな感じなんですか?

羽賀:面白がるときは面白がってくれるんですけど、最初は箸にも棒にも引っかからないので。

茂木:最初はどれくらい持って行ったんですか?

羽賀:かなり(笑)。僕は大学出て教職課程をとっていたので、先生になろうとしてたんです。
それをやめて、漫画だけでやろうと思って。

茂木:はい(笑)。

羽賀:佐渡島さんも、まさか就職やめたと思っていないから、「君、なんで昼間に打ち合わせ来れるの?」って(笑)。
「ケシゴムライフ」のネームが全部出来上がるまで、5話作るのに1年くらいかかりましたね。

茂木:その編集者と作家の緊張関係ってすごいですね。

羽賀:佐渡島さんは、思ったことを何でもガシガシ言ってくるので(笑)。

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──真剣に漫画を描く

茂木:漫画界の地図に「羽賀翔一」という名前が載ったわけですけど、今後の方向性はどうしますか?

羽賀:僕は正直、「君たちはどう生きるか」っていうのは、僕が解釈して漫画として作ったという自負はあるんですけど。
あくまでも、吉野源三郎さんが生み出した物語だと思っているので。

茂木:でも、漫画の構図とか台詞とか、コマ割りは非常にオリジナリティーが高いですよね。
吉野さんにインスパイアされて、羽賀さんが原作というふうに僕は理解してますけどね。次はゼロから?

羽賀:自分のオリジナルのストーリーというものもやりたいですし。
これを作って多くの人に読んでもらったという経験をしたことで、必ずしもオリジナルにこだわらなくても、自分が楽しんで漫画を描くということが、いろんな人と繋がれる形で漫画を描くっていうことが一番理想だなと同時に思っていて。
今、僕は「宇宙兄弟」のアシスタントに入ってるんですけど。

茂木:え!?そうなんですか!

羽賀:小山宙哉さんっていう人は、”どうやったら自分が楽しめるか”とか、自分の身の回りにあるもの、宇宙というはるか遠くの舞台を描いてるにも関わらず、自分の身の回りにある出来事とか、人たちを観察して物語を作ってるんだなっていうのを間近で見させてもらって。
そういう形で、僕も肩肘はり過ぎずに自然体で、でも、真剣に漫画を作っていくということができたらなと思っています。

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「【マガジンハウス】漫画 君たちはどう生きるか」

「羽賀翔一・オフィシャルサイト」

「【公式Twitter】漫画 君たちはどう生きるか」

来週は、文藝春秋から初の小説「ふたご」を発売された
SEKAI NO OWARIのSaoriさんこと、 藤崎彩織さんをお迎えします。
どうぞお楽しみに。