Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.332 映画「風をつかまえた少年」モデル / 原作者 ウィリアム・カムクワンバさん

2019年08月10日

今週ゲストにお迎えしたのは、先週に引き続き、8月2日(金)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館を皮切りに全国で順次公開されています
映画「風をつかまえた少年」の主人公のモデルであり、原作者のウィリアム・カムクワンバさんです。

【映画「風をつかまえた少年」】
舞台は、2001年に大きな干ばつが襲った、アフリカ・マラウイです。
このマラウイは、アフリカで最も貧しい国と呼ばれていて、この干ばつにより、農産物は激減し、人々の収入が途絶えたのはもちろん、食べる物さえも無くなっていました。

主人公の14歳の少年ウィリアムも、貧困のため通学を断念。
しかし図書館で出会った1冊の本をもとに、独学で風力発電を作り上げていきます。
その風力発電が出来るまでを描いたのが、今回の映画「風をつかまえた少年」です。


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──学ぶこと。好奇心を持つことの大切さ。


茂木:この映画、本当に映像もきれいだし現地の文化・伝統も見ることができて、なによりも少年が好奇心に満ちて学びを続けていくその姿勢が素晴らしいなと思うんですけども、
ウィリアムさんはそんな大変な状況でも、学びたいっていう気持ちは常に自分の中にあったんですか?

カムクワンバ:学び続けたい、そういう思いをとても強く持っていました。教育というものを受ける事が出来れば、自分の人生の選択肢が増える。これからの人生を好きに歩いて行けるという風に考えていたからなんです。
自分の家族や自分のコミュニティ、農業を営んでいらっしゃる方が多いわけなんですけれども、人によっては選択肢がなくて農業を営んでらっしゃる方も結構いらっしゃるんですよね。
自給自足で作る作物のほか、少し余裕があればそれを売ったりして生活をしていらっしゃって。
自分は農業も大好きなんだけれども、それしか選択肢がないからそれをする、というのはしたくなかった。
そうではなくて、学ぶことによって人生の選択肢を増やして、そして自分の道を選んでいきたいと考えていたんです。

茂木:今、日本では学校に行けない子供はインターネットで色々調べたりすることできるんですけど、当時のマラウイでは電気がないわけですから当然インターネットもなくて。
映画でも描かれてましたけども、図書館の本が本当に貴重な学びのための道具だったと思うんですけど、当時のウィリアムさんにとって図書館とか本というのはどういう存在だったんですか?

カムクワンバ:本や図書館は自分にとって大きな意味を持つ存在です。もちろん、いろんな情報やたくさんの知識が詰まっているわけで、それを簡単に本という形で手に取ることができる。
茂木さんがおっしゃったようにネットで何だって検索できる時代ではあるけれど、本はこれからも大切なものとして、そして情報を伝えるものとして残っていくのではないかと思っています。

茂木:ウィリアムさんの人生を振り返ると、マラウイで風車を作って、そこからダートマスで学んで、そして今、自分の人生が映画になって公開されてるわけなんですけど、
振り返ってみますと、全て学ぶこと、好奇心をもって新しい世界を知ること。これによって人生という旅路を歩んで来られたようにも思うんですけど、改めて、学ぶこと。そして好奇心を持つことの大切さについて感じることがあったらお聞かせください。

カムクワンバ:学ぶこと、好奇心を持つことでより自分のマインド、脳というものが解放されオープンになります。そして、世界をより知ることができるからです。
自分の知らなかったことを知るのはもちろん、世界中の他の方々と交流することによって、その方たちの文化にも触れる事ができる。それと同時に自分の文化について知っていただくこともできる。
そうやって得た知識というのを自分の故郷に持ち帰って、何か問題があれば解決に向けて応用することができると思うんです。
ですから、問題を解決しようと思ったときに学びや好奇心を持つことはとても重要なんじゃないかなと改めて感じます。

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茂木:ウィリアムさんは自分の人生を切り開いてきて、そして今このような形で活躍されてるんですけども、アフリカをはじめ世界にはまだまだの学びたくてもなかなか学べない、厳しい状況にいる子供たちもいると思うんですけど、そういう世界の現状についてはどのようにご覧になってますか。

カムクワンバ:あまり良くない状況ではありますよね。学びたい、学校に通いたいと思っているんだけれども機会を与えられない子どもたちが世界中にたくさんいるのはとても悲しい現実だと思います。
いろんな教育のカタチというの模索しながら、学校で学ぶという以外に彼らを助けられる、彼らの役に立つような事を考えていかなければいけないと思っています。
例えば、自分自身でキャリアにつなげられるような、自分のキャリアを作っていけるような学びの形であったり、それぞれのコミュニティ・地域によっては特有の壁というものがあると思うので、地域特有の問題を解決しながらお互いのアイディアを出し合って改善していければなと思います。

茂木:ウィリアムさんは様々なNGOや、チャリティーなどにも関わっていらして、世界の現状を変えるための活動をされていると思うんですけど、今一番力を入れていることはどういうことでしょう?

カムクワンバ:今一番、情熱を傾けているプロジェクトというのが、イノベーションセンターです。これをマラウイに作りたく、尽力しているところです。
これは、自分自身といろんなアイディアを持った若い方達が一緒に作業しながらアイディアを形にしていけるような場を提供する、そんなセンターになります。
そうすることによってそれぞれのコミュニティが直面している問題を解決していければと考えているんです。
例えば、農業の助けになるようなツールを一緒にデザインしたり、より多くの収穫に繋がるようなツールを考えたり、そういう場所にできればと考えています。
というのも、自分が風車を作っていたとき、実際にアイデアを形にする場がなかったんですね。
また、それを作るツールというのもなかったんです。なので、すごく才能のある方はたくさんいらっしゃるから、そういう方々がやってきて一緒にものづくりを形にできるような場所にしたいと思っています。
マラウイにある学校でレクチャーをしたあと、僕が話した言葉だけを聞いて自ら風車を作ってしまった男の子がいました。そういう風に才能持った若者がたくさんいるので、彼らのアイディアを形にする場所を作り、メンターとして僕らが導くことができれば多くの問題を解決するイノベーションにつながるのでは、というのが自分の希望です。

茂木:素晴らしいアイディアですね!

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映画「風をつかまえた少年」公式サイト

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●風をつかまえた少年 / ウィリアム・カムクワンバ (著)


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ロングライド|映画配給 (@longride_movie) · Twitter


来週は、2012年ロンドン五輪 柔道女子57キロ級金メダリストで、2月に現役を引退した松本薫さんをゲストにお迎えします。お楽しみに!
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