2025年07月05日
今夜ゲストにお迎えしたのは、ジャズピアニスト、数学研究者、STEAM教育者など、様々な分野でご活躍されている、中島さち子さんです。
中島さんは、1979年、大阪のお生まれ。
高校2年生の時、「国際数学オリンピック」で、日本人女性初の金メダルを獲得。
その後、東京大学理学部で数学を専攻する一方で、ジャズと出会い、大学卒業後は一転、ジャズピアニストとして活動を開始されます。
そして、2017年には、株式会社steAmを設立し、ニューヨーク大学 芸術学部の修士課程に留学されるなど、現在は、音楽・数学・STEAM教育と共に、アートやテクノロジーの研究に従事されるなど、多岐にわたり、ご活躍中でいらっしゃいます。
また、現在開催中の大阪・関西万博では、テーマ事業プロデューサーとして、シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」を手掛けられています。

──「生きている」ことの喜びが感じられるような社会文化にしたい
茂木:中島さんは今回の大阪・関西万博で、テーマ事業プロデューサーとして、シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」を手掛けられたということで。
中島:はい。そうですね。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもとで、8個あるテーマ館のうちの1個を手掛けています。
茂木:こちらをご紹介しますと…。
このシグネチャーパビリオンは万博会場の真ん中にあり、中島さんのパビリオンのテーマは「いのちを高める」ということで、ゆらぎのある遊びや、創造性の象徴としてクラゲを取り上げ、遊び、学び、芸術、環境問題などを、楽しみながら体験できる、そういうパビリオンになっています。
そして、今回はこの万博の絵本ということで、『クララとそうぞうのき』。これはもう、中島さんらしさが詰まった絵本ですね。
中島:そうですね。中ではいっぱい音楽が出てくるんですよ。これは音に合わせて読み聞かせとかをやりたいな、と思っているんですけど。
「クラゲ館」の真ん中には「創造の木」というものがあって、それは皆の創造性を感じさせてくれる、グワッとした木で、奈良の吉野の杉4,600本を組み合わせてできている木、というところなんです。そこは皆の創造性をギュッと集約したところだと思っていて、絵本はそれが生まれるまでのストーリー、ということになっています。
茂木:この『クララとそうぞうのき』をご紹介致しますと…。
葉も花もつけない木と暮らすクラゲの「クララ」が、あることをきっかけに日常から外の世界へと大きな一歩をふみ出します。音楽に出会い、仲間に出会い、ワクワクに出会い、豊かになっていく、クラゲたち。個性豊かな仲間たちがおこす、“いのち”の物語です。…ということで。
この物語は、ある種、批評性もあると言うか、今の環境問題なども考えさせられるところがあるし、だけどそれをちゃんと創造で乗り越えていく。そこが素敵ですね。
中島:そうですね。クララが「そうぞうのき」を置いて外に出たら、仲間がいっぱいできて「楽しい!」となって、まるで国際交流みたいにワーッとやっていくんですけど、途中で「あ、そうぞうのきはどうしてるだろう?」と思い出して…その時はまだ名前が付いていない木なんですけど、その木を思い出して戻って来て、そうしたら…という話です。余り言い過ぎると…(笑)。
茂木:それ以上は是非読んで頂きたいですけど(笑)、素敵なことが起こっていますよね。
中島:はい、是非。楽しいんだけど、その中に内包される世界で色んなことが起こっていたりすることも。だから実は、後ろの方にちょっとした万博における背景の説明も書いてあります。
茂木:今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで。「クラゲ館」もそうですし、この絵本『クララとそうぞうのき』もそうですが、想像力とか創造性というのは、命を輝かせるために大事なんでしょうか。

中島:もうまさに、「生きがい」とか。
命というのは、「始まって終わる」という、科学的に定義されるような命ということもあるんですけど、私たちのテーマは、万博の「いのち輝く未来社会」、「いのちを高める」です。ただ生きていることに…もう生きているだけですごいことなんだけど、そこにもう1回気づく、と言うか。「自分が生きていると誰かが笑ってくれる」とか、「未来の欠片を自分たちも作っていくことができるんだな」という、生きているということの喜びとか、そういうものが感じられるような社会文化にしたい、というのがあるわけですよね。
ただ、「創造性」というのは一見固く聞こえたりとか、「難しそう」、「私、創造性ない」、と思っている人もいるかもしれないんですけど、もう「生きている」ということが本当に創造性の塊で。1人1人、全員創造性が違うと思うんですよね。だから面白いので、その多様な創造性がワクワク拓けるような社会を目指して、万博とかを上手く活用できるといいな、と思っています。
茂木:中島さんの絵本『クララとそうぞうのき』は、本当にストーリーが素敵なんですよね。ご興味を持たれた方は是非手に取ってください。そして、この本を持って中島さんのパビリオンに行くと、楽しいですよね。
中島:是非やってみてください。やっぱり皆にも「絵本を読んでから来るとすごいよく分かる」みたいなことをすごく言われています。
クララが色んなことに出会いながら旅をして、友達を増やして、仲間を増やして、でも「ゴミ」というものから楽器を作って…そういうストーリーから多分「なるほど!」みたいなことが見えるんじゃないかと思います。
あと色も綺麗なんですけど、実は「クラゲ館」にはシンボルマークがあるんですね。これも色々インクルーシブに皆で作ってきたシンボルマークなんですが、これには8色が使われていて、例えば黄色は「子どものこころ」とか、ピンクは「わくわく楽しい」とか、そういう8色の意味合いがあるんです。実はその8色が上手く使われているので、そういうものも、後からもう1回見直してみると「なるほど!」と感じるものがあると思います。是非、楽しんで見てきて欲しいし、来た方も、もう1回来て、見てもらえたら嬉しいです。
茂木:そうですよね。そして、中島さんの後書きもすごい面白いので、絵本の部分と合わせて楽しんで頂ければな、と思います。
中島:はい。最後には是非クラゲの絵を描いてもらって、「皆、クラゲプロジェクトに一緒に参加してね」という気持ちで作っています。
茂木:中島さんの絵本『クララとそうぞうのき』をこれから読みたいという方もいらっしゃると思うので、メッセージを頂いてよろしいでしょうか?
中島:はい。今も申し上げましたけど、万博で行なっている「クラゲ館」の背後の、ここまでの色んなストーリーが詰まっている絵本になっています。これから「クラゲ館」に来る方も、来ない方も、是非この『クララとそうぞうのき』を読んで欲しいです。
私たちは「0−120歳の子どもたち」と言っているんですけど、ちっちゃい子も、おばあちゃんおじいちゃんも、読んで楽しんでもらえるものかな、と、まるで音が聞こえてくるような感じの絵本だと思っています。
多分、色んな国にも行きたくなっちゃったり、周りにあるゴミを見て何か作りたくなっちゃったりするんじゃないかな、と思うので、是非読んで頂き、そして「私もクラゲプロジェクトに参加したいな」と思う方は、是非お声掛け頂ければと思います。
●中島さち子 さん (@komenorikyu) 公式 Facebook
●中島さち子・シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」公式サイト
↑「いのちの遊び場 クラゲ館」の事前予約は、こちらから!
●株式会社steAm 公式サイト
↑中島さんが代表を務める会社の公式サイトです。
こちらには、KURAGE Bandの情報も掲載されています。
●クララとそうぞうのき / 中島さち子 (著), くすはら順子 (イラスト)
(Amazon)
●ひかりのくに株式会社 公式サイト
中島さんは、1979年、大阪のお生まれ。
高校2年生の時、「国際数学オリンピック」で、日本人女性初の金メダルを獲得。
その後、東京大学理学部で数学を専攻する一方で、ジャズと出会い、大学卒業後は一転、ジャズピアニストとして活動を開始されます。
そして、2017年には、株式会社steAmを設立し、ニューヨーク大学 芸術学部の修士課程に留学されるなど、現在は、音楽・数学・STEAM教育と共に、アートやテクノロジーの研究に従事されるなど、多岐にわたり、ご活躍中でいらっしゃいます。
また、現在開催中の大阪・関西万博では、テーマ事業プロデューサーとして、シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」を手掛けられています。

──「生きている」ことの喜びが感じられるような社会文化にしたい
茂木:中島さんは今回の大阪・関西万博で、テーマ事業プロデューサーとして、シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」を手掛けられたということで。
中島:はい。そうですね。「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもとで、8個あるテーマ館のうちの1個を手掛けています。
茂木:こちらをご紹介しますと…。
このシグネチャーパビリオンは万博会場の真ん中にあり、中島さんのパビリオンのテーマは「いのちを高める」ということで、ゆらぎのある遊びや、創造性の象徴としてクラゲを取り上げ、遊び、学び、芸術、環境問題などを、楽しみながら体験できる、そういうパビリオンになっています。
そして、今回はこの万博の絵本ということで、『クララとそうぞうのき』。これはもう、中島さんらしさが詰まった絵本ですね。
中島:そうですね。中ではいっぱい音楽が出てくるんですよ。これは音に合わせて読み聞かせとかをやりたいな、と思っているんですけど。
「クラゲ館」の真ん中には「創造の木」というものがあって、それは皆の創造性を感じさせてくれる、グワッとした木で、奈良の吉野の杉4,600本を組み合わせてできている木、というところなんです。そこは皆の創造性をギュッと集約したところだと思っていて、絵本はそれが生まれるまでのストーリー、ということになっています。
茂木:この『クララとそうぞうのき』をご紹介致しますと…。
葉も花もつけない木と暮らすクラゲの「クララ」が、あることをきっかけに日常から外の世界へと大きな一歩をふみ出します。音楽に出会い、仲間に出会い、ワクワクに出会い、豊かになっていく、クラゲたち。個性豊かな仲間たちがおこす、“いのち”の物語です。…ということで。
この物語は、ある種、批評性もあると言うか、今の環境問題なども考えさせられるところがあるし、だけどそれをちゃんと創造で乗り越えていく。そこが素敵ですね。
中島:そうですね。クララが「そうぞうのき」を置いて外に出たら、仲間がいっぱいできて「楽しい!」となって、まるで国際交流みたいにワーッとやっていくんですけど、途中で「あ、そうぞうのきはどうしてるだろう?」と思い出して…その時はまだ名前が付いていない木なんですけど、その木を思い出して戻って来て、そうしたら…という話です。余り言い過ぎると…(笑)。
茂木:それ以上は是非読んで頂きたいですけど(笑)、素敵なことが起こっていますよね。
中島:はい、是非。楽しいんだけど、その中に内包される世界で色んなことが起こっていたりすることも。だから実は、後ろの方にちょっとした万博における背景の説明も書いてあります。
茂木:今回の万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで。「クラゲ館」もそうですし、この絵本『クララとそうぞうのき』もそうですが、想像力とか創造性というのは、命を輝かせるために大事なんでしょうか。

中島:もうまさに、「生きがい」とか。
命というのは、「始まって終わる」という、科学的に定義されるような命ということもあるんですけど、私たちのテーマは、万博の「いのち輝く未来社会」、「いのちを高める」です。ただ生きていることに…もう生きているだけですごいことなんだけど、そこにもう1回気づく、と言うか。「自分が生きていると誰かが笑ってくれる」とか、「未来の欠片を自分たちも作っていくことができるんだな」という、生きているということの喜びとか、そういうものが感じられるような社会文化にしたい、というのがあるわけですよね。
ただ、「創造性」というのは一見固く聞こえたりとか、「難しそう」、「私、創造性ない」、と思っている人もいるかもしれないんですけど、もう「生きている」ということが本当に創造性の塊で。1人1人、全員創造性が違うと思うんですよね。だから面白いので、その多様な創造性がワクワク拓けるような社会を目指して、万博とかを上手く活用できるといいな、と思っています。
茂木:中島さんの絵本『クララとそうぞうのき』は、本当にストーリーが素敵なんですよね。ご興味を持たれた方は是非手に取ってください。そして、この本を持って中島さんのパビリオンに行くと、楽しいですよね。
中島:是非やってみてください。やっぱり皆にも「絵本を読んでから来るとすごいよく分かる」みたいなことをすごく言われています。
クララが色んなことに出会いながら旅をして、友達を増やして、仲間を増やして、でも「ゴミ」というものから楽器を作って…そういうストーリーから多分「なるほど!」みたいなことが見えるんじゃないかと思います。
あと色も綺麗なんですけど、実は「クラゲ館」にはシンボルマークがあるんですね。これも色々インクルーシブに皆で作ってきたシンボルマークなんですが、これには8色が使われていて、例えば黄色は「子どものこころ」とか、ピンクは「わくわく楽しい」とか、そういう8色の意味合いがあるんです。実はその8色が上手く使われているので、そういうものも、後からもう1回見直してみると「なるほど!」と感じるものがあると思います。是非、楽しんで見てきて欲しいし、来た方も、もう1回来て、見てもらえたら嬉しいです。
茂木:そうですよね。そして、中島さんの後書きもすごい面白いので、絵本の部分と合わせて楽しんで頂ければな、と思います。
中島:はい。最後には是非クラゲの絵を描いてもらって、「皆、クラゲプロジェクトに一緒に参加してね」という気持ちで作っています。
茂木:中島さんの絵本『クララとそうぞうのき』をこれから読みたいという方もいらっしゃると思うので、メッセージを頂いてよろしいでしょうか?
中島:はい。今も申し上げましたけど、万博で行なっている「クラゲ館」の背後の、ここまでの色んなストーリーが詰まっている絵本になっています。これから「クラゲ館」に来る方も、来ない方も、是非この『クララとそうぞうのき』を読んで欲しいです。
私たちは「0−120歳の子どもたち」と言っているんですけど、ちっちゃい子も、おばあちゃんおじいちゃんも、読んで楽しんでもらえるものかな、と、まるで音が聞こえてくるような感じの絵本だと思っています。
多分、色んな国にも行きたくなっちゃったり、周りにあるゴミを見て何か作りたくなっちゃったりするんじゃないかな、と思うので、是非読んで頂き、そして「私もクラゲプロジェクトに参加したいな」と思う方は、是非お声掛け頂ければと思います。
●中島さち子 さん (@komenorikyu) 公式 Facebook
●中島さち子・シグネチャーパビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」公式サイト
↑「いのちの遊び場 クラゲ館」の事前予約は、こちらから!
●株式会社steAm 公式サイト
↑中島さんが代表を務める会社の公式サイトです。
こちらには、KURAGE Bandの情報も掲載されています。
●クララとそうぞうのき / 中島さち子 (著), くすはら順子 (イラスト)

●ひかりのくに株式会社 公式サイト