2025年11月01日
今夜ゲストにお迎えしたのは、元・小学校の先生で、現在は“不登校の子どもたちを支える活動”をされている、福田遼さんです。
福田遼さんは、1995年、福岡県のお生まれです。
九州大学教育学部をご卒業後、5年間、小学校の先生として勤務。
退職後は、およそ8カ月にわたり、世界各地の教育施設を訪問されました。
その後、学生時代からの友人であった、秋山仁志さんとともに、2023年4月、ポッドキャスト番組、『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』をスタートし、MCを担当。
さらに2024年には、株式会社Teacher Teacherを設立し、無料のオンラインフリースクール「コンコン」を開校されていらっしゃいます。

──学校に行きたいのに行くことができない子どものために
茂木:今、不登校のお子さんが増え続けているとよく言われているんですけども、文部科学省の令和5年度の調査では、全国で約30万人を超えているとのことです。実感としてはどうですか?
福田:実感としては、すごいありますね。教室で机が空いているのが目立ったりとか、あとはカフェに行っても、いろんな親御さんが「うちの子が学校に行けなくなって…」というふうに相談しているのも見かけますし。本当に身近な問題になっていると思いますね。
茂木:「『令和型不登校』は“何となく”で、理由がわからない」と仰っていましたけども、当事者の子供たちというのはどんな気持ちでいるんですか?
福田:いろんなパターンがあるんですけども、「そもそも学校に行く意味がわからない」というような子もいれば、「行きたいんだけど、どうしても体が向かわない」というような子もいたりとかして、本当に様々ですね。
茂木:そうですか。でも、やっぱり親御さんはかなりいろいろ困ったり、悩まれたりして、相談してくるんじゃないんですか。
福田:そうなんですよ。悩みが深刻で、仕事にも影響するようなことがあったりとか、親子だけで過ごす時間が長くなることによって関係が悪化したりとかするので。
茂木:ああ、そうですよね。親子と言えども、あんまり長い時間一緒にいるとちょっとすれ違いがあったりしてしまいますもんね。
福田:あります。元々は教育機関が担うべきことも、親御さんのところに責任のしわ寄せが行ったりするので、「親が勉強させなきゃいけないんじゃないか」と思ってしまったりして、どんどん関係が悪化する、というのはよく聞きますね。

茂木:今回のご著書『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』。僕が素晴らしいなと思ったのは、もちろん今は学校に行かなくてもホームスクーリングなどのいろんな学び方があるという見方もあるんだけど、そうは言っても、やっぱり学校は大事ですもんね。だから、この本は、学校に行きたくなると言うか“行けるようになるにはどうすればいいのか”という、そこが書かれているのが、親御さんにとっても、あるいはご本人にとっても参考になるんじゃないかなと思ったんですけども。
福田:ありがとうございます。実際「学校に行かなくていいよ」というメッセージを発信するのもすごく大事なんですけども、子供たちと関わっていく上で、中には「本当は行きたいんだけど行けないんだ」という子もいたので、“学校に行く”という選択肢もしっかりサポートできるように、だけど学校が全てではないので、自分が選んだ道に再び出発できるようなノウハウというものをこの本の中に入れ込みました。
茂木:ぜひ、いろんなことで不登校に関心がある方は読んでいただきたいです。ご著書の中で僕が「おお」と思ったのが、『ヨイ出し』という言葉なんです。これはどういう言葉なのか、ご説明いただけますか?
福田:僕は大好きな言葉なんですけど、岩井さんという方が提唱している言葉です。『ダメ出し』の反対で、駄目なところを見つけて声をかけるのではなくて、“子供の良いところを見つけてそれを言葉にする”という言葉なんです。一定の評価基準をもとに、「ここは足りてないよね」などと言うダメ出しではなくて、子供が既に持っている良さ、既にできているところに目を向けて声をかけるので、そうすることによって、新しいことにチャレンジしようという勇気が湧いてきたりとか、自分を認められるような自信がついてきたりとかするんです。なので、このヨイ出しという言葉には本当に助けられていますね。
茂木:ついダメ出しをしてしまうことがあるけど、そうではなくてヨイ出しをする、と。これが一生モノの自信に繋がっていくんですかね。
福田:繋がっていくと思います。どうしても今の学校の中では相対評価が多くて、テストの点数を比べられたりとか、何かできなかったらLINEで友達に言われたりとかするようなこともある中で、一旦、相対評価の渦から抜け出して、自分を見つめ直すきっかけになったりとか、あとは「自分はもう既にここができてるよね」というところを見つけられるようなきっかけになったらいいな、と思っています。
茂木:今回の福田さんのご著書は言葉の力がすごいなと思うんですけど、もう1つ僕がすごくいいなと思ったのが、『てんびんの法則』なんです。これはどういうことなんですか?

福田:てんびんの法則は、冷静に状況を判断する上で使いたいのが、例えば“学校”と“家庭”というものを天秤にかけた時に、「本人にとってどっちがプラスになっている状態かを考える」、というような方法で、天秤の“学校”側にマイナスの要素が多ければ多いほど学校には行きたくないし、逆に、“家庭”の中にプラスの要素が多ければ多いほど家庭にいたくなる、というようなことです。
なので、冷静に「学校のマイナス要素は何なのか」を考えて、このマイナスの要素をきっちり解消しなければ、学校に向かおうとはしないし、逆に、「学校の中でプラスの要素は何なのか」ということも考えて、このプラスの要素をどんどん増やしていくことをアプローチとしてできれば、子供が自分から学校に向かい出す、というのは、何回も見てきましたね。
茂木:何回も見てきたんですね。やっぱり、福田さんが本当に子供に寄り添った経験から出てきている言葉ですから、すごく力があると思います。
今「令和型不登校」で、理由がわからない状態で学校に行けない子供たちがいますけど、ひょっとしたらこの1冊が変わるチャンスになるかもしれないですね。
福田:そうですね。本当に学校が全てではないんですけども、学校に行きたいと思った時に行けるような自信はつけておきたいな、と思っているので、そのきっかけになったらいいなとは思います。
茂木:今回ご紹介しました福田さんのご著書『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』は、現在、角川より発売されています。ご興味を持たれた方、ぜひ手に取ってみてください。
福田さん、この放送を聴いてすごく興味を持たれた方も多いと思うので、ぜひそういうリスナーの皆さんにメッセージをお願いしてよろしいでしょうか?
福田:はい。今の世の中ではやっぱり不登校に対するネガティブなイメージがあるので、すごく否定的な言葉もあったりすると思うんですけど、僕はそういった子たちとたくさん関わっていて、もう(不登校は)チャンスだと確信しているので、そういった認識を持つことができるようになる、という意味でこの本を手に取っていただきたいです。
また、「具体的に何ができるか」という行動ベースで書いているので、子供とチャンスを掴むきっかけにしてもらえたらと思います。よろしくお願いします。

●福田遼 (@onlinet0719)さん 公式 X(旧Twitter)
●株式会社 TeacherTeacher 公式サイト
↑フリースクール「コンコン」についても、こちらをご覧ください!
●KADOKAWA 公式サイト
●不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方 / 福田 遼 (著)
(Amazon)
福田遼さんは、1995年、福岡県のお生まれです。
九州大学教育学部をご卒業後、5年間、小学校の先生として勤務。
退職後は、およそ8カ月にわたり、世界各地の教育施設を訪問されました。
その後、学生時代からの友人であった、秋山仁志さんとともに、2023年4月、ポッドキャスト番組、『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』をスタートし、MCを担当。
さらに2024年には、株式会社Teacher Teacherを設立し、無料のオンラインフリースクール「コンコン」を開校されていらっしゃいます。

──学校に行きたいのに行くことができない子どものために
茂木:今、不登校のお子さんが増え続けているとよく言われているんですけども、文部科学省の令和5年度の調査では、全国で約30万人を超えているとのことです。実感としてはどうですか?
福田:実感としては、すごいありますね。教室で机が空いているのが目立ったりとか、あとはカフェに行っても、いろんな親御さんが「うちの子が学校に行けなくなって…」というふうに相談しているのも見かけますし。本当に身近な問題になっていると思いますね。
茂木:「『令和型不登校』は“何となく”で、理由がわからない」と仰っていましたけども、当事者の子供たちというのはどんな気持ちでいるんですか?
福田:いろんなパターンがあるんですけども、「そもそも学校に行く意味がわからない」というような子もいれば、「行きたいんだけど、どうしても体が向かわない」というような子もいたりとかして、本当に様々ですね。
茂木:そうですか。でも、やっぱり親御さんはかなりいろいろ困ったり、悩まれたりして、相談してくるんじゃないんですか。
福田:そうなんですよ。悩みが深刻で、仕事にも影響するようなことがあったりとか、親子だけで過ごす時間が長くなることによって関係が悪化したりとかするので。
茂木:ああ、そうですよね。親子と言えども、あんまり長い時間一緒にいるとちょっとすれ違いがあったりしてしまいますもんね。
福田:あります。元々は教育機関が担うべきことも、親御さんのところに責任のしわ寄せが行ったりするので、「親が勉強させなきゃいけないんじゃないか」と思ってしまったりして、どんどん関係が悪化する、というのはよく聞きますね。

茂木:今回のご著書『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』。僕が素晴らしいなと思ったのは、もちろん今は学校に行かなくてもホームスクーリングなどのいろんな学び方があるという見方もあるんだけど、そうは言っても、やっぱり学校は大事ですもんね。だから、この本は、学校に行きたくなると言うか“行けるようになるにはどうすればいいのか”という、そこが書かれているのが、親御さんにとっても、あるいはご本人にとっても参考になるんじゃないかなと思ったんですけども。
福田:ありがとうございます。実際「学校に行かなくていいよ」というメッセージを発信するのもすごく大事なんですけども、子供たちと関わっていく上で、中には「本当は行きたいんだけど行けないんだ」という子もいたので、“学校に行く”という選択肢もしっかりサポートできるように、だけど学校が全てではないので、自分が選んだ道に再び出発できるようなノウハウというものをこの本の中に入れ込みました。
茂木:ぜひ、いろんなことで不登校に関心がある方は読んでいただきたいです。ご著書の中で僕が「おお」と思ったのが、『ヨイ出し』という言葉なんです。これはどういう言葉なのか、ご説明いただけますか?
福田:僕は大好きな言葉なんですけど、岩井さんという方が提唱している言葉です。『ダメ出し』の反対で、駄目なところを見つけて声をかけるのではなくて、“子供の良いところを見つけてそれを言葉にする”という言葉なんです。一定の評価基準をもとに、「ここは足りてないよね」などと言うダメ出しではなくて、子供が既に持っている良さ、既にできているところに目を向けて声をかけるので、そうすることによって、新しいことにチャレンジしようという勇気が湧いてきたりとか、自分を認められるような自信がついてきたりとかするんです。なので、このヨイ出しという言葉には本当に助けられていますね。
茂木:ついダメ出しをしてしまうことがあるけど、そうではなくてヨイ出しをする、と。これが一生モノの自信に繋がっていくんですかね。
福田:繋がっていくと思います。どうしても今の学校の中では相対評価が多くて、テストの点数を比べられたりとか、何かできなかったらLINEで友達に言われたりとかするようなこともある中で、一旦、相対評価の渦から抜け出して、自分を見つめ直すきっかけになったりとか、あとは「自分はもう既にここができてるよね」というところを見つけられるようなきっかけになったらいいな、と思っています。
茂木:今回の福田さんのご著書は言葉の力がすごいなと思うんですけど、もう1つ僕がすごくいいなと思ったのが、『てんびんの法則』なんです。これはどういうことなんですか?

福田:てんびんの法則は、冷静に状況を判断する上で使いたいのが、例えば“学校”と“家庭”というものを天秤にかけた時に、「本人にとってどっちがプラスになっている状態かを考える」、というような方法で、天秤の“学校”側にマイナスの要素が多ければ多いほど学校には行きたくないし、逆に、“家庭”の中にプラスの要素が多ければ多いほど家庭にいたくなる、というようなことです。
なので、冷静に「学校のマイナス要素は何なのか」を考えて、このマイナスの要素をきっちり解消しなければ、学校に向かおうとはしないし、逆に、「学校の中でプラスの要素は何なのか」ということも考えて、このプラスの要素をどんどん増やしていくことをアプローチとしてできれば、子供が自分から学校に向かい出す、というのは、何回も見てきましたね。
茂木:何回も見てきたんですね。やっぱり、福田さんが本当に子供に寄り添った経験から出てきている言葉ですから、すごく力があると思います。
今「令和型不登校」で、理由がわからない状態で学校に行けない子供たちがいますけど、ひょっとしたらこの1冊が変わるチャンスになるかもしれないですね。
福田:そうですね。本当に学校が全てではないんですけども、学校に行きたいと思った時に行けるような自信はつけておきたいな、と思っているので、そのきっかけになったらいいなとは思います。
茂木:今回ご紹介しました福田さんのご著書『不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方』は、現在、角川より発売されています。ご興味を持たれた方、ぜひ手に取ってみてください。
福田さん、この放送を聴いてすごく興味を持たれた方も多いと思うので、ぜひそういうリスナーの皆さんにメッセージをお願いしてよろしいでしょうか?
福田:はい。今の世の中ではやっぱり不登校に対するネガティブなイメージがあるので、すごく否定的な言葉もあったりすると思うんですけど、僕はそういった子たちとたくさん関わっていて、もう(不登校は)チャンスだと確信しているので、そういった認識を持つことができるようになる、という意味でこの本を手に取っていただきたいです。
また、「具体的に何ができるか」という行動ベースで書いているので、子供とチャンスを掴むきっかけにしてもらえたらと思います。よろしくお願いします。

●福田遼 (@onlinet0719)さん 公式 X(旧Twitter)
●株式会社 TeacherTeacher 公式サイト
↑フリースクール「コンコン」についても、こちらをご覧ください!
●KADOKAWA 公式サイト
●不登校をチャンスに変える一生モノの自信の育て方 / 福田 遼 (著)
(Amazon)












