
名古屋の都心から南西に約10km。名古屋港の一角に、新川と庄内川から長い年月をかけて流れ込んだ土砂や泥がたい積してできた「藤前干潟」があります。ここはわが国でも有数の渡り鳥の飛来地として知られていました。ところが港の整備計画が進められ、干潟はゴミの埋め立て処分場となるはずでした。しかし、反対派の地元住民たちの運動や環境庁(当時)の働き掛けで1999年に計画は断念され、干潟は水鳥たちのために保護されることになりました。そして2002年、藤前干潟は「ラムサ−ル条約」に登録されたのです。それと並行して、名古屋市ではゴミの分別収集が本格的に始まりました。名古屋のゴミの分別は実に細かく10数種類にも分かれています。しかし、市民ひとりひとりが地道な努力を続けることで貴重な自然が守られ、そこに集まる生き物が救われます。今、藤前干潟は、開発が進む周囲と切り離されたようにゆっくりと、しかし確実に自然の営みを続けています。