木村拓哉 Flow - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

木村拓哉 Flow - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

2020年11月22日Flow 第百二十一回目「拓哉キャプテン × Creepy Nuts」Part4

11月のゲスト「Creepy Nuts」のお二人とのトークも今週が最後です。
今日は、皆さんから頂いたメッセージを元に、三人でトークします。
そして、DJ松永さんの人生の1曲も伺います。最後までよろしく!

まずは、こんなメッセージが届いています。

【静岡県 ぽんぽんぽこたん 男性 16歳】
木村さん、こんにちは。
僕は高校2年生なのですが、クラスの女子と上手く喋れません。
クラスの女子に限らず、自分の年上か同年代の女性と上手く話せません。
女性と話すと顔と耳が熱くなり、鼓動が早くなり、男友達と話すときとは明らかに違う話し方になってしまいます。
女性にもスマートに対応できる木村さん、どうしたら緊張せずに上手く話せるようになりますか?


木村:16歳。今現在。出来ました? 会話。16歳の頃。松永は?

DJ松永:学生時代は全く出来ず。

木村:女子と?

DJ松永:女子と。しかも、“女子と話してるのがカッコ悪い、恥ずかしい” と思ってしまい、“女子に興味ないのがカッコイイ” と思って、全ての女子から話しかけられる言葉を無視するっていうのを自分に課してて(笑)。

R-指定:嫌な奴(笑)。

木村:マジで!?

DJ松永:ずっとやってましたね。でも、そういうのだと女子に話しかけられても顔がめちゃくちゃ強張って無視するんですよ。俺、絶対。だから、面白がって女子が遠くから、からかって「おーい、松永!」みたいな感じで言ってくるんですよ。そしたら、「な、なんだ、なんだ」とか言いながらこうやって…。

木村:完全に女子からしたらアトラクションだよね。「話しかければ、あいつがあー変わるんだ」っていう。

DJ松永:如実に「はっ、はっ…」てなるから。

木村:へー。もったいねーなー。

DJ松永:ダメでしたね。学生時代に関しては。

木村:R-指定は?

R-指定: (笑)。笑ってる俺も同じような感じで。僕は逆にしゃべり過ぎてまうみたいな。女の子が喋りかけてくれたら、「おっ!」みたいな感じで余計なことをいっぱい喋っちゃって変な感じになるみたいな。

木村:へー。じゃー、ぽんぽんぽこたんには何のアドバイスも送れない。

R-指定:でも、松永さんは、最近はスムーズに女性と喋れるようになった。むしろ、全然俺より上手に喋れるんですよ。今は女性と。

木村:それは何の変化があったの?

DJ松永:仕事だからなんですよね、これは。プライベートになると、あんまりダメですけど。

R-指定:俺は仕事なのに喋れない(笑)。あたりまえのように喋らなあかんのに、「えっ…」ってなってしまって。

木村:でも二人、ラジオやってるじゃん。そこに綺麗なタレントさんだったり、女優さんだったり、アーティストだったりが来たらどうなるの?

DJ松永:女性を目の前にすると、R-指定は全ての機能が停止するんですよね。全然ダメなんですよね。

R-指定:ぽんぽんぽこたんと同じですね、まだ(笑)。

DJ松永:来年30歳になる男ですけど、ぽんぽんぽこたんと一緒。

R-指定:ぽんぽんぽこたん、今16やろ。まだまだ続くと思うよ。

木村:まーでも、続いた人たちが、わりとたくさんの人たちから「キャー!」って言われる存在になってますから。

R-指定:なんの奇跡か(笑)。

木村:だから、“上手く話せるようになりたい” って思ってる今があるならば、きっとそれは “そっちにシフトチェンジしていく” と思うし。“まー、いいや。俺、全然喋れなくてもいいや” って思ってた人たちが、今僕の目の前の二人みたいになってるんで…。

DJ松永:何故だろう?

R-指定:確かに諦めたんかも。上手く女性と喋ろうみたいのが。ある時期、俺も自分で口に出して言ったことがそうやもんな。「俺もう、喋られへんわ」みたいな。で、もう逆に自分の好きなことに没頭するみたいな方向もありそうですしね。でも、上手く話せるようになりたいんやったら…。

木村:絶対そっちにシフトチェンジするでしょ。Creepy Nutsは、綺麗な人たちに、もっとお会いして、もっともっとセッションした方がいいな。

DJ松永:揉まれた方がいいっすか。

R-指定:場数踏んでいかないと。

木村:絶対そっちの方がいい!
ぽんぽんぽこたんはCreepy Nutsと同じように、もっと場数を踏んでもらった方がいいっすね。16歳だから、いっぱい踏めますよ。

続いて、こんな相談メッセージが来ています。

【茨城県 ちい 16歳 女性】
キャプテン、こんにちばん!
突然ですが相談です。
私は今高校2年生で硬式テニス部に所属しているのですが、大会のときにとても緊張していつも通りのプレーができず、格下相手に負けてしまいます。
キャプテンは勝負どきに緊張したら、自分とどのように向き合っていますか?


木村:今ちいちゃんのメールを読んでて、一個だけ、“ここだけは直してほしい” と思ったのが、“緊張していつも通りにプレイができない” っていうのは、“なるほど” って思うんですけど、“格下相手に負けてしまう” っていうのが、まず相手を格下という風に見定めて試合をしているちいちゃんが、「そりゃ勝てねーよ!」っていう。

DJ松永:ほんと、そうですね。そこかもしれないですね。

木村:自分と試合をしてくれる相手に対しては、格下相手は絶対使わないようにしてほしいなっていう。

R-指定:たしかに僕、10代ぐらいの時にMCバトル出てる時に、めっちゃ自分が上手いって思ってたから、「全員倒したる」みたいに殺気立ってたんですよ。「自分より下手やから全員倒す」みたいな感じでやってた時は、大阪大会は突破出来たんですけど、全国では一回戦で敗けるとか最後まで行けないですね。やっぱり、そのマインドじゃ。

木村:「あれ? 俺、全国行ったな」って時って、どういう状況でやってたの?

R-指定:その時は、ほんまに自分の心持ちが変わった時で…。
先輩に「今年の全国大会どう?」って聞かれた時に、もう3年目やったんですね。3年目で、2回連続1回戦で敗けた3年目。「まー、いつも通りやるっすね。俺のいつも通りの感じで。」って言ったら、先輩が「お前それ、いつも言ってんで」みたいな。「全国の一番てっぺん取って盛り上げたるぐらいの。お客さんに向けてっていう、もっと前向きな気持ちでやらなあかんと思うで」みたいなことを言われて…。
自分の中でそれがすごい発見というか。それまでは、ほんまに、それこそ格下じゃないけど、相手をグワッて下にすることだけを考えてたんですけど、MCバトルっていう性質上も。でも、どっちかっていうと自分のスキルを見せつつも、お客さんをしっかりとエンターテインメントするみたいな。相手をけなすにしても、ちゃんと美味しくというか、ちゃんと相手もバンっと返してこられるような言い方で言わなあかんし。かつ、お客さんもちゃんと盛り上がらなあかんみたいな。ただ嫌なこと言うだけじゃあかんのやみたいな感じで意識が変わって。むしろ、「いいや、優勝とかは。一戦一戦勝とう」みたいな。何故なら、よく考えたら全員強敵だしみたいな。全員に負ける可能性あるし。だって、この人こういうところあるやろ。逆に俺はそこから、どんな相手でも恐れるようになりましたね。負ける可能性が絶対にあるみたいに考えてから、もっと自分的には強くなった気がしますね。

木村:今のお話にもあったけど、“エンターテインメント” っていう言葉が出てきたけど、やっぱり、やる方も観る方もエンターテインメントっていうところに行った暁には、“プレイヤーもお客さんも楽しんでないとそこになってない” ですもんね。義務になってるというか。
だから、緊張すらも「うわ、やべ。超緊張してる」っていうスイッチをちょっと変えてあげるだけで楽しむっていう。試合も楽しむ、もちろん。それで、“結果は自ずとついてくるんじゃないかな” とは思ったんですけど。まーでも、実際に世界取った男だったり、日本取った男が言ってくれる言葉なので、みんなには分かりやすく届いたんじゃないかなと思います。

そろそろ、お別れの時間が近づいてきたということで。
先週は(R-指定さんの人生の1曲)RHYMESTER聴いてもらいましたけど、今週はDJ松永さんの人生の1曲を伺います。どんな曲でしょう。

DJ松永:竹原ピストルさんの「カウント10」という曲です。

木村:マジ!?

DJ松永:ご存じですか?

木村:知ってますよ。知ってますけど、そうなんだ!

DJ松永:めちゃくちゃ好きなんです。

木村:へー。その理由は?

DJ松永:これは、本当に俺にとって、聴く時期によって効能が変わる。しかも、超劇薬の曲なんですよ。

木村:劇薬…。

DJ松永:劇薬。昔から聴いてるんですけど、時期によって全く効能が違う。俺、DJの大会は2010年に出て、6年空いて2016年に出て、2017年に出て。で、去年2019年、4回出たんですけど、2016年に向かってルーティンをめちゃくちゃ作ってる時に聴いてたんですよ、最初は。
サビが
「ダウン!から カウント1・2・3・4・5・6・7・8・9までは、哀しいかな、
神様の類に問答無用で数えられてしまうものなのかもしれない。
だけど、カウント10だけは、自分の諦めが数えるものだ。」
と言うんですよ。で、
「ぼくはどんなに打ちのめされようとも、絶対にカウント10を数えない。」
っていう歌なんですよ。
俺は、すごいその時前向きだったから、「よし、俺は絶対にカウント10数えない。9までは数えられたけど、絶対に数えずにめちゃめちゃ努力して勝ち抜いてやるんだ!」って、すごい前向きな、そういう作用があったんですけども。2016年敗けて、2017年敗けた後でホントに落ち込んでる時って、これめっちゃ残酷なんですよ。“いや、数えさしてよ” って思うんですよ。“諦めかけてる、折れかけてる人間にとって、カウント10数えさしてくれないことがどんなに残酷か” って思うんですよ。
ほんとに落ち込んでる人にとっては、めちゃめちゃ劇薬。
で、2019年ついに勝ち抜いた。とにかく全てが報われたんですよ。で、全てが報われた後の人生でも、やっぱり仕事で落ち込んだりとか、人間関係で傷ついたりだとか、あの人怒らせちゃったなとか、傷つけてしまったなとかいって、くだらない事で落ち込むんですよね。自分のない瞬間。その時は、今これを聴くと、「あっ、あの時ついに俺はカウント10数えなかったな。お前めっちゃ頑張ったじゃないか」っていう、自分を慰めてやれるような曲になってるんですよね。
今は、ほんとに落ち込んだ大事なときに聴くお守りのような曲になっていて。時期によって全く…。ほんとに前向きになれる時、めちゃめちゃ絶対聴けない超劇薬な時、今は大事な時だけに聴くお守りになる曲っていう、俺にとって人生とともにある曲です。

木村:すごいね!
世界一位を取ったDJが選んだ選曲が、まさかのアコギとブルースハープのみの1曲っていうね。聴いてて思ったけど、そっち側の立場になって物を発信できる人って、やっぱり、それだけ傷ついたり、悔しかったり、苦しかったりした思いがあった。そういう人がきっと、その人にも目線で物を考えることが出来たり、発信することが出来たりしてるんだろうなって、今、竹原さんの曲を聴いてて思いましたね。こんなデジタルな人なのに、こんなアナログな選曲をするっていう。

DJ松永:(笑)。ほんとですね。アナログ楽器しか使ってない。

M1.カウント10/竹原ピストル

2020年11月15日Flow 第百二十回目「拓哉キャプテン × Creepy Nuts」Part3

今月、11月のゲストは「R-指定」さんと「DJ松永」さんによるHIPHOPユニット「Creepy Nuts」のお二人です。
今週はどんなトークになるのか、お楽しみに!!


木村:「大阪では不良ではなかった」と仰ってましたけど、なぜラップだったんですか?

R-指定:もともと、音楽はほとんどお父さんの影響で、車の中でかかるサザンオールスターズとか、おとんの世代の小田和正さんとか、そういうのを聴いてて。小学校ぐらいの時とかも、そこまでいろんな音楽を聴いてたわけではなくて。従姉妹のお姉ちゃんとかがちょっとテレビをつけている時に、その時は2000年代の前半やったんで、ちょっとお茶の間にもHIPHOPが流れてたりしてた時期やったんですよ。
その時にはあんまり興味がなくて、小6から中1ぐらいになる境目の時に、家族でご飯を食べてる時に、SOUL'd OUTっていうグループの「1,000,000 MONSTERS ATTACK」っていう曲が流れたんですよ。で、歌詞は聴き取れなくて、何を言ってるかはわからなかったんですよね。でも、めちゃめちゃ音がカッコいいし、何を言ってるのかわかれへんのが逆に気になって、“なんや、この曲?”って言って調べて、で、“あ、これジャンル的にはHIPHOPとかラップなんや”ってことで、急遽TSUTAYAに走りまして。でも、お金ないからレンタルですよね。「HIPHOP」「日本語ラップ」って書いてある棚の所に行って、なんとなく見たことのある名前、それこそ“Zeebra…テレビとかで聞いたことあるぞ”、“RHYMESTERも聞いたことあるな”みたいな。それを、全部まとめてレンタルして家で聴きまくったら、もうすっかりハマってしまって。

木村:へぇ〜!

R-指定:なんか、それまで聴いてた歌謡曲と違ったのが、“この人たち全員、自分のこと歌ってる!”みたいな。普通の歌手って、自分の名前を言い出してから歌わないじゃないですか。でも、HIPHOPで衝撃やったのが、「俺がZeebra」って言ってから歌ったりとか。“歌って、自分のことを歌っていいんや!”って思って、それで強烈に興味を持って。かつ、“韻を踏む”という行為をどうやらしてるらしい、と。“なんか面白い、似た響きが聴こえる。あ、これは韻を踏んでるんや”みたいな。そういう歌詞の構造と、自分のことを歌っていいというジャンルの特性みたいなところに、強烈に惹かれて。それでずっと聴き漁ってた時期が中学生ぐらいの時なんですよ。

木村:中学生でそこまでいったんだ。

R-指定:影響という意味では、RHYMESTERの皆さんも別に不良ってわけじゃないんですよ。いろんな日本のラッパーの名曲とかレジェンドたちを聴いてると、すごいやんちゃでカッコいい人もおるし、それもめっちゃ好きなんですよ。悪いHIPHOPとかいかついHIPHOPも大好きなんですけど、中学生の時に聴いてて“俺の人生と関係ないか”みたいな。“聴くだけのもんや”って思ってたんですけど、RHYMESTERを聴いて、「別にHIPHOPは不良じゃなくても誰でもやっていいし、お前、今このHIPHOPを聴いてカッケーって思ったよな。その思った感情が正しいから、やってみたらええやん。なぜなら、俺たちもそう思ってやってるから」というメッセージを歌の中で歌っていて、“じゃあ、俺もやっていいんかな?”みたいに思えたんですね。

木村:すごいすごい。すごいなぁ〜! 人のアンテナって、いろんな電波を拾うんだな(笑)。松永さんなんですけども、出会いは何ですか?

DJ松永:出会いは中学2年生ぐらいの頃ですかね。すごい歳上のお姉さんがいる友達がいて、その人はクラブとかに行ってたり、あと裏原系のストリートファッションが流行ってた時期なんで、そういうのにも詳しくて、その延長線で友達のお姉ちゃんから「こういう音楽があるんだよ」って教えてもらって、聴いて、それで“あ、カッコいいな”って思ったんですけど、更にどっぷりハマったきっかけが、ラジオなんですよ。
当時、まさしくこのTOKYO FMで、RHYMESTERが深夜番組で「WANTED!」っていう音楽番組を…。

木村:(R-指定と)おんなじRHYMESTERなんだ。

DJ松永:そうなんですよ。全く一緒で。で、そこで「WANTED!」を聴いて、そこからラジオとHIPHOPをむちゃくちゃ両方好きになるんですけど、1つのラジオ番組をめっちゃ好きになったらそのパーソナリティの表現するもの全部好き、そのパーソナリティの一挙一動全部好き…っていう病気になってしまって(笑)。そこでもうRHYMESTERがどうしようもなく好きになってしまうんですよ。
で、RHYMESTERの「WANTED!」を聴いて、いろんなHIPHOPアーティストがゲストで来るんですけど、聴いたらもう速攻でTSUTAYAに走って行ってレンタルでCD借りて、聴いて勉強したり。

木村:やってること全く一緒なんだね!

R-指定:そうなんですよ(笑)。全然違う土地で同じことしてたって(笑)。

木村:とりあえずTSUTAYAに走るっていうね。

R-指定:お互いの地元に、でっけーCDショップというよりは1番近くにTSUTAYAがあって、お互いお金がなかったからレンタルで聴いてたんですよね。

木村:「TSUTAYAありがとう」だね。で、音楽を聴いて一緒に言ってみるっていう行為に走るのはすごくわかるんだけど、なんでそこでラッパーではなくDJを選んだんですか?

DJ松永:俺もやっぱりRHYMESTERを聴いて、“ちょっとラップやってみたい、ステージで客を沸かせてみたい”っていう気持ちがあったんですけど、すごい目立ちたがり屋なんですけど、こう…恥を恐れるから…。

R-指定:(笑)。

木村:恥!? “恥を恐れる目立ちたがり屋”!

DJ松永:今、ラッパーを「恥」って言いましたけど(笑)。

R-指定:俺いつも気になるん、その話(笑)。

木村:あれでしょ? いっしょくたに“ラッパー”に対しての恥ではなくて、ラッパーとしてマイクを持った後に、“あ、なんだっけ?”とか、自分がかく恥ってことでしょ?

DJ松永:そうです。あと、かつ、プラスしてより失礼なんですけど、歌詞を書くってちょっと恥ずかしいじゃんって(笑)。

R-指定:お前な! いつもやってんねん、俺、横でそれを!

DJ松永:歌詞を書いてそれを歌うって、到底出来ないなって思ったんですよ。下に下げたところに、“DJっているな…”みたいな(笑)。

R-指定:「下に下げた」とか言うな!

DJ松永:(笑)。“DJっている!”ってなって、なおかつ、俺はRHYMESTERみたいにラップグループを組みたかったんで、ガーって歌ってるラッパーの横で涼しい顔して佇んでるDJの人って、よりクールでカッコいいんじゃないかと思って(笑)。“じゃあDJや〜ろう!”っていう、すごいあさましい考えで始めたんですよ(笑)。

木村:で、その大会?にエントリーして。その間の自分っていうのはどういう感じでエントリーしてたんですか?

DJ松永:なんか、田舎で、1人地元でDJやってるのは俺だけだったんですよ。HIPHOP聴いてるのも俺だけだったし。で、みんな出来なかったことだったから、みんなが俺がスクラッチ出来ることにワッって驚いてくれたり感心してくれたりしたんで、“DJが上手いってことが自分のアイデンティティなんだな”みたいになっていって。
それで、スクラッチ、DJの技術を極めに極めたところが、この自分がエントリーした「DMC」っていうDJの大会だったんですよね。
もう本当にスクラッチが異常発達した人は、スクラッチのノイズだけで数分間の演奏を成立させることできるんですけど、それがターンテーブル上で奏でる音楽、「ターンテーブリズム」って呼ばれるものなんですけど、“あ、そういうのがあるんだ”と思って。じゃあ、1番上手いヤツが集まる所でエントリーして、そこで1番上手いってなったら、もうそれこそ自分に自信が持てるし、より自分がDJが上手いというアイデンティティを確立させられるなと思って、そこに進もうと思ったんですよね。

木村:それで実際に(世界大会で優勝を)獲り。これはいきなりスーパーサイヤ人になっちゃうよね。

DJ松永:そうですね(笑)。

木村:(DMCの)北海道大会でまず、“俺、テクニックついたかも”ってなって、で全国大会出てやってみたら、“あれ?”っていう。“俺、頭金髪になってね?”っていう。

DJ松永:そうですね、はい(笑)。

R-指定:確かに、日本獲って世界行くまでの間に、何がとは言えないんですけど、“進化した感”みたいな。ポンポンっていって、で、気付いたら、今までもすげーDJっていうのは大前提やったんですけど、横におったヤツが次の日にはなんか世界一のヤツになってる…みたいな。すごい変な感じでしたね。

木村:まあ、今っぽく言うならば、サイヤ人じゃなかったのかな。今っぽく言うならば、1日にして「柱」になったような感じ。

R-指定・DJ松永:鬼滅の刃(笑)。

DJ松永:でも、獲るまでにけっこう時間はかかったんですけどね。最初にエントリーしたのが2009年とか2010年とかなんで。そこからけっこう負け続けて、2019年に(世界一を)獲ったんですよね。

木村:世界大会を獲るっていうのは、何が必要なんですか? だっていろんな、もちろんアメリカからも来てるだろうし、地元ロンドンからもエントリーしてると思うし。どんな人たちだった? 世界大会にいた人たちって。

DJ松永:もうホントに、それしかやってないような人たちですね。仙人みたいな集まりなんですよ。やっぱり、「DMC」っていうターンテーブリスト、ターンテーブリズムの業界って、技術が発展しすぎて、もう音楽業界の中ですごい異質な存在になってるんですよ。もうちょっと昔、音楽業界って近かったんですよ。だから、ターンテーブリズムを極めたら音楽業界でも認められるような存在だったんですけど、もうマニアックになり過ぎて、誰にも理解されないような業界になってしまったから、もうみんなDMCっていう数分間のルーティン、演目をルーティンって言うんですけど、ルーティンを作るために1年間を費やしてるんですよ。だから、音楽業界で売れるとか有名になるとかじゃなくて、本当に俗世から離れた仙人みたいな人しかターンテーブリストにはなれなくって。
だからもう、「日本2位」っていう戦績は不服だったんですよ。その不服な最終戦績を背負って生きていくのがマジしんどくって。“いや、俺はもっと上手い、どうだ!”っていう肩書きを持って生活をしないと、俺はダメだと思って。もう呪いみたいになってて、その呪いを解くために(大会に)出ないと、っていう使命になっていって、で、(2位だった)翌年の2017年に出るんですけど、でも1年でその数分間の演目を作るのってやっぱり難しくって。

木村:そっかそっか。

DJ松永:完成させるのは難しいんですけど、自分の引き出しを全部開けたからもう焼き直しみたいなものになってしまって、似てるようなものの劣化版みたいになってしまって、次は順位を落として日本3位になってしまうんですよね。それでめちゃめちゃ落ち込んで、地元の新潟に師匠がいるんですけど。

木村:師匠?

DJ松永:師匠は2016年の世界チャンピオンなんですけど、けっこうボロボロになって帰ってきて師匠の元に相談に行ったら、「もう、お前は5年ぐらい出るな」って言われて(笑)。「今もう1回ルーティンを頑張って1年かけて無理やり作っても、お前の手癖でしか作れないし、審査員にお前の手癖はバレてるから、順位を落としていく一方だから、1回出るのを止めて、お前の積み上げたもの、正解みたいなものを1回まっさらにする何も考えない時間を設けろ」と。かつ、「自分のスキルの底上げに数年間を費やせ」って言われたんですよね。

木村:すげぇな、師匠。

DJ松永:“まさしくそうだな”って思って。で、1年間出ずに、でも無理やり2019年に出ちゃうんですけどね。もう、「最終戦績3位」っていうのが辛すぎて。でも、Creepy Nutsとしては活動は軌道に乗ってるから、いろんなメディアに出てプロフィールを紹介されるんですよね。そこで「日本3位の松永さん」って言われるのがマジで恥ずかしくて。“いや、もっと出来るはずなのに”って思った状態で日本3位って言われるのがしんどすぎて、ホント具合が悪くなってくるんですよ(笑)。その呪いを解きたくて解きたくてしょうがなくって、半ば無理やり2019年に出て、奇跡的に(世界1位を)獲れるっていうことが起きたんですよね。

木村:でも、それは獲れたから今こうやって笑ってられるじゃない? でも、その師匠すごいね! その人は、普段もDJをされている人なんですか?

DJ松永:その人は、俺から見て超天才なんですよ。努力もあった上に、元々のセンスも素晴らしい人なんですけど、新潟で、農家の息子なんですよ。その人は、魚沼産コシヒカリを作ってる人なんですよ。

木村:マジ!?

DJ松永:マジで(笑)。俺がその人の家に行ってDJを習ってたんですけども、携帯の電波も入らないような山奥の家に住んでる人で。で、農家の長男なんで、農家をやらないって選択肢が無い人なんですよ。だから、その人は泣く泣くDJを引退してるんですよ。

木村:今はお米を作ってると。

DJ松永:今はお米を作ってます。その人にずっと教えてもらって。その人も仙人みたいな人で。

木村:へぇ〜! なんか話を聞いてるだけだと、もう“フォースを身に付けるか否か”みたいな。

DJ松永:そうです、そうです。

R-指定:でも、マジDMCの人はそんな感じやんな。

DJ松永:フォース…そういう領域というか。

木村:(笑)。新潟にヨーダがいるんだね。すごいな〜。いろんな過去があったけど、今笑えてるっていう。そして“生きてる”という。

DJ松永:ホントにそうです。

木村:まあ、これからに向かってのCreepy Nutsのお2人がいてくれてることに“良かった”って思うんですけど。毎回ゲストの方に「人生の1曲」っていうのを聞いてるんですけれども、今週はR-指定さんの人生の1曲を伺いたいと思います。

DJ松永:そうですね。先ほどもお話ししました、RHYMESTERの「ザ・グレート・アマチュアリズム」という曲がありまして。これは、僕が全然不良じゃない、僕みたいなヤツががラップをしていいのかなって思ってた中学生時代の自分に、「いや、お前もラップをしていいんやぞ」って、RHYMESTERが肩を押してくれた曲というか。
その曲の中では、RHYMESTERほどのベテランで一線級のスターの人たちが、「こちとらシロウト」って歌うんですよね。「偉大なるアマチュア トシロウト」って言えるのって、ものすごい素晴らしいなというか。この、“ホンマにHIPHOP大好き”みたいな、夢追っかけてるヤツらさえも肯定してくれるというか。で、「止まらない初期衝動」で、その初期衝動のまんまにやっちゃえばいいんや、っていうのを俺は言ってもらった気がして、この曲が人生の1曲やなって。

木村:まさにそういう感じですね。それがあったから今ここにいるっていう。

DJ松永:そうですね。

M1.ザ・グレート・アマチュアリズム/RHYMESTER

2020年11月08日Flow 第百十九回目「拓哉キャプテン × Creepy Nuts」Part2

今週のゲストは、先週に引き続き「R-指定」さんと「DJ松永」さんによるHIPHOPユニット「Creepy Nuts」のお二人です。
今回もここでしか聴けないトーク、お楽しみに!!


木村:大阪出身のR-指定さんと新潟出身の松永さんが、どういう経緯で「ウィーッス」ってなったんですか?

R-指定:これはですね、大阪で僕が仲間とラップグループというか、いろんなラッパーと活動してたんですよ。そこで、俺の仲間が「10代のラッパー、DJを集めるイベントをしたい」と言い出しまして。当時、10年ぐらい前なんですけど、10代でラップやってるやつ、DJやってるやつっていうのがすごい貴重やったんですよね。今でこそ、すごい多いんですけど、日本ではかなり貴重で。
大阪で僕と仲間がそのイベントを「やろうぜ!」って言って、日本各地で10代で名の売れてるDJとかラッパーを集めたんですよ。で、東京から結構イカツめの不良っぽいやつが来たり、福岡から細いけど危なそうなやつが来たりとか。当時やっぱり10代でラップで名を挙げてるDJって言ったら、多少、その街のちょっとワルみたいな感じがあって。
「俺ら呼んじゃったけど仲良くなれるかな」みたいに勝手に思ってたら、新潟からこの男がやってきて。「あれ、一人だけむちゃくちゃ弱そうなやつおる。仲良くなれるんちゃう」と思って(笑)。俺らも全然不良じゃなかったんですよ。それで、「全然悪くなさそうやけど、HIPHOPはめっちゃ好きなんやろうな」っていう感じで「仲良くなれるかな」と思って喋ったんですよね。そこで意気投合して、仲良くなりまして。

木村:じゃあ、その招集かけたときに、そこに足を運んでくれた松永さんは当時から「あっ、よろしくお願いしま〜す」っていう感じの。

R-指定:いや。なんかね、その感じじゃなく、結構各地の不良たちがちょっと牽制した感じで「オイッス」みたいな感じやったのに、松永がヘラヘラしてたんですね。一人だけ。

DJ松永:カッコよくねぇな(笑)。

R-指定:しかも新潟出身って聞いてたんですけど、短パンとサンダルでハットかぶって、上にはコート着てて、「何じゃ、この恰好」と。その男が「よろしく! よろしく!」みたいな感じだったんで「アホ?」みたいな。すごいヘラヘラした子が来たみたいな。それで、「変な人やな」と思って喋ってみたら、気が合って仲良くなったんですよね。

木村:そこから、「じゃあ、一緒にやろう!」ってなったのは?

R-指定:そこまでは結構期間があって、出会ってからは4年ぐらい普通の友達やったんですよ。遊んだり、飯行ったり。でも、お互いのラップとトラックとかDJのプレイが好きやったんで、それこそ松永さんに「曲作ったんやったら聴かせてくださいよ」とか、逆に「俺の作った曲聴いてくださいよ」みたいに言ったりして。あとは遊ぶだけみたいなのが4年ぐらい続いて、ドラマチックなきっかけはなく普通に、「なんか一緒にやりますか!」みたいな、どっちからともなく言い出して、ヌルッと始まっていったっていう。

木村:Creepy Nutsって、どう決めたんですか?

R-指定:2人で松永さんの家で夜中に「HIPHOPとかアメリカのスラング、あっちの俗語みたいなのを調べて、響きいいやつ探そうぜ!」みたいに言って、朝方まで探した結果、『Creepy Nuts』っていう名前になりましたね。“Creepy” っていう、“不気味” みたいな意味と “Nuts” っていう、これは下ネタなんで各々で皆さん調べてほしいんですけど。

木村:でも、大丈夫ですよ。

R-指定:大丈夫ですか? 言うたら、“キンタマ” のことなんですよ。“不気味なキンタマ” って。しかも2人やし、なんかいいな…みたいな感じ。朝方のテンションで決めちゃいました。

木村:なるほどね。

DJ松永:マジでほんとに夜中に中学生がパソコンを「アメリカ スラング」とかいって「わー」とか言葉を調べて。もし万が一俺らが売れて、女子が「Creepy Nuts、キャー!!」とか言ってて、「本人たちの自覚無しにキンタマとか言ってるような光景に巡り合えたら幸せだよね」とか話してて(笑)。

木村:ガキんちょの頃は、どんなガキんちょだったの?

DJ松永:俺はサッカーやってたんですよ。小学校4年生から高校1年生までサッカーやってました。

木村:結構、本気のやつだ!

DJ松永:本気で、一応取り組んでました。けど、中学校3年生、最後の試合。俺、誰よりも頑張った自信あるんですよ。朝練誰よりもやって。けど、ベンチにも入れずユニフォームももらえず、体操着を着て新入生と保護者と一緒にグランドの外からメガホン持って応援したんですよね。それで結構、心がくじけて、「もうサッカーやめよう」と思ってたんですけど、入った高校がサッカーめっちゃ弱い高校だったんですよ。ほとんど初心者で構成されてるような部活で。俺もう数年間やってるから、「超うまいやつの顔できるかも!」と思って。派手な練習着買って、1年生から檄飛ばしたりとかしたんですよ。
で、最初はドリブルでめっちゃ抜けるんですよね。「エーイ!」とか言ってたんですけど、1ヶ月2ヶ月たったら徐々に抜けなくなっていって(笑)。“才能のないサッカー数年間やったやつより、運動神経のある数か月のやつの方が上手い” っていう壁にぶち当たって。
最初上手いヤツの顔して檄飛ばしてたけど、その引っ込み方分かんなくて(笑)。で、「1年生でこれか。2年生になったら新入生とか入ってくるよな」と思って。その時に、「どういう顔したらいいんだろ」と思って。「あ〜、そういう時ににする顔ない」と思って、7年間やったサッカーをやめたんですよね(笑)。

木村:あ〜。始めた真のスタートと、もう一回やってみようかなっていうリスタートの、リスタートのスタート地点がめっちゃ不純だもんね。

DJ松永:でも、DJ始めて、初めて “人の向き不向きってあるんだ” って気づいたんですよ。サッカーやってる時って、与えられた練習を何も考えず淡々とやったんですよ。

R-指定:それやりゃ、上手くなると思って。

DJ松永:そう! 上手くなると思ってたんですよ。元々すっごいサッカーが好きで始めたわけじゃないんですよ。友達の流れでなんとなくサッカー始めるっていう、周りに流されて自分の意志じゃないんですよね。だから、“ここをこうやったら上手くなる”、“こうやって練習しよう”、“こういう目標がある” みたいな想像力が働いてないんですよ。
でも、DJって自分の意志で始めたし、やって初めて気づいたんですけど、“ここを力抜いたらスクラッチ上手くいく” とか、“脇締めてみよう” っていうね、想像力がむちゃくちゃ働くんですよ。そこで初めて、サッカーって向いてなかったんだって気づいたんですよね。“ここをこうしたら上手くなる” とかって、試行錯誤をしてこなかったんですよね。ただ、“やりゃあいい” だったんですよね。でもDJは、“ここをこうしよう、こうしよう” って、どんどん湧き上がってきたんですよ。そこで初めて「あ、向いてなかった」って気づきました。

木村:でも気づけたからいいね!

DJ松永:そうっすね! 気づきました、さすがに!

木村:全部OKだね!!

DJ松永:全部OK! 良かった!

木村:R-指定は、最近買ったものありますか?

R-指定:最近はですね、ぶら下がり健康機を買いましたね。懸垂とかできるやつ。

木村:なぜに?

R-指定:三日前から、筋トレを始めたんで。

木村:何のきっかけなの(笑)。

R-指定:太ってきたというのもあるし、11月の11・12日に武道館があるんですよね。僕ら初の。それに向けて、ちょっと身体を作っていこうみたいな感じで。3日前に、こんなんやってたら、あかんやん。メチャメチャ初の武道館、そこに向けて身体整えようと思ってやり始めたんですよね。結構ね、根が怠け者なんで、やってやめて3日坊主の繰り返しというか。でも、自分の中では確実に前に進んでて、3日坊主が最近は一週間坊主ぐらいにはなったんで(笑)。

木村:でも、そういう“武道館”っていう大きな目標があると…。

R-指定:それを超えて、年末・年明けまで行けたら、成長した俺の状態で来年が迎えられる。自分との勝負みたいなところですよね。

木村:武道館が終わった後、自分で言うのはちょっと恥ずかしいですけど、ぜひ “木村” な…。

2人: (笑)。

R-指定:マジで、ほんまにそういう、自分を磨く時に、カッコよくならなくちゃって時にやっぱり浮かんでるんですよ。頭に木村さんのことが。ああいう風に…っていうのを目指して。

木村:ぜひぜひ。あの…坊主になりそうになった時は、“木村” でお願いします。

DJ松永:これ絶対、坊主になれないからね、マジで。これで坊主だったら俺、怒るからね。

M1.かつて天才だった俺たちへ/Creepy Nuts

2020年11月01日Flow 第百十八回目「拓哉キャプテン × Creepy Nuts」Part1

今月、11月のゲストはMCバトル日本一のラッパー「R-指定」さんと、DJバトル世界一のDJ「DJ松永」さんによるHIPHOPユニット「Creepy Nuts」のお二人です。
一体どんなトークになるのか、お楽しみに!!

まずは、番組にこんなメッセージが届いています。

【大阪府 さっちー 19歳 男性】
キャプテンこんにちは!初投稿です!
以前から、「平成=木村だ、俺は木村拓哉に憧れてロン毛にしている」などとキャプテン大好きアピールをしているCreepy NutsのR-指定さんが、先日のラジオで、その週のMステにCreepy Nutsが出演するという話になったとき、DJ松永さんに、「Rさんの“木村“見たいです!」(木村=歌番組で歌詞をその場でアレンジすること)
と言われ、「FNS歌謡祭の“木村“ね!」とのっかり、実際にMステで“木村“をされてました。
キャプテンはCreepy Nusさんをご存知でしょうか?
僕は昔からSMAPのファンで、またCreepy Nutsのファンでもあるので、ラジオやまた楽曲などでキャプテンとCreepy Nutsのコラボが観てみたいです!


木村:ということで、大阪府のさっちー、19歳男性、あなたの願いを叶えましょう!
11月のゲストはCreepy Nutsのお二人、R-指定さんとDJ松永さんをお招きしました。

R-指定:ほんと、すいませんでした(笑)
いや、会うと思ってないから。まさか本当に会えると思ってないから。

木村:でも、「あ〜、木村ね!」っていうのは、やっぱりそういう事で合ってるんですか?

R-指定:いや、あの、基本的に敬称略というか、呼び捨ての件は申し訳ないですけど、“ゴジラ” とか “スーパーマン” とかに “さん” って付けないじゃないですか!もう、それ級なんですよ、俺らからしたら。

木村:えー、ゴジラさん。ま、確かにおかしいですね。

R-指定:そうなんですよ。もう、そのレベルで。あと、みなさん “キムタク” って呼んだりするじゃないですか、木村さんの事。

木村:はいはい。

R-指定:で、ちょっとやっぱりなんか、“俺だけの呼び方をしたい” というのがありまして(笑)。色々やった結果、“木村” と。ほんとにね、呼んじゃってるわけなんですよ(笑)。

木村:いやいや。クラスの同級生もしくは担任の先生にしか言われない呼び名ですよね。「木村!」っていう。

R-指定:あれなんですよ! 俺らの中では、“粋なことをする”、“カッコイイ行動をする” ことを “木村” と呼んで、行動として呼んでたりするんですよ。

木村:あー! へー(笑)。

R-指定:だから、俺ら世代からしたら、ほんとに辞書で “男前” とか “カッコイイ” の欄を引くと、“木村拓哉” って書いてあるんですよ。辞書に。ぐらいの、俺らの中では…。

木村:いや、そんな辞書は出版されてないですよ(笑)。

R-指定:でも、俺らの中ではそれぐらいの事で。歌詞を『FNS歌謡祭』で、「今日の歌謡祭は〜」とか、SHAKEの歌詞をアレンジしたりとか。

木村:はいはい。

R-指定:あれを『ミュージックステーション』で「やってくれ」と言われて、実際にやったという事なんです。

木村:その、“木村” と使ってくださってる、プラス僕の中でクエスチョンなのが、「平成=木村」っていうのはこれ、これは何ですか?

R-指定:これ、でも間違いなく。逆に自覚なされてないというか。平成という一時代を表したら、俺と松永の間では “木村拓哉だったよな、平成って!” っていう印象なんですよ。

木村:え〜、今日はCreepy Nutsのお二人をゲストにお迎えして、この『Flow』っていう番組をやっていくわけなんですけども、ゲストに来ていただいた方の、どんな人生をFlowしてきたのかっていうのをお伺いする番組ではあるんですが。
まず、僕の目の前に座ってくださってますDJ松永さん。今、30歳。ということで、新潟県出身でDJなんですけど。見た感じ、何て言うんですかね〜。TOKYO FMさんの1スタッフというか、エンジニアリングとかをしてそうな「今日もよろしくお願いいたしま〜す。マイクのレベル合わせたいんで声お願いしま〜す」っていう、それが似合いそうな感じなんですけど。

DJ松永:ほんとそうなんですよね〜。人間としてプレーンなんですよね、見た目が。

木村:そんなプレーンな見た目なんですけれど、実績として恐ろしいんですよ。2019年にロンドンで開催された30年以上の歴史を誇る世界最大のDJ大会で優勝してるんですよね。

DJ松永:はい。そうです。すみません。

木村:僕の勝手な印象ね! DJやってる人って、ちょっとこう見た目的にはピュアではなく、ちょっとキャップを斜めにかぶりなのか、デカめのオーバーサイズのTシャツ着てるのか、指輪ゴロゴロさせーの、「あ、お願いしま〜す」ってちょっと気怠そうに、漂わせてるのかなと思ったら、「何?この好青年」みたいな人が世界一のDJの称号を持ってるんですよね。

DJ松永:あ、すいません。一応そうなんですよ。10代の頃とか、頑張ってニューエラかぶったりとかしてましたね。

木村:あ、してたんだ! それが20代を経て、今30歳になり、こんな感じに落ち着いた。

DJ松永:なんか、あまのじゃくな精神でHIPHOP聴いたりしてたんですよ。それこそみんながJ-POP聴いてる中で、中学2年生の俺がHIPHOP聴いてて、誰も聴いてない世界に触れてる優越感みたいなものがあって気持ち良かったんですけど。
その恰好して初めてクラブ行った時に、全員俺と同じ恰好してたんですよ。そうなってくると、あまのじゃく精神的に、“あれ? 俺、結局、制服着てる感じになってるな” とか思って。でも、ちゃんとHIPHOPらしい恰好した方が正義だなと思って、そういう恰好したんですけど、やってけばやってくほどHIPHOPは自分らしくあることが重要だとか、自分に自信がついていけば、 “HIPHOPっぽい恰好に身を包まなくてもいいのかも” と思って、どんどんどんどん自分に自信がついていった結果、こうなったんですよね。HIPHOPらしくない、DJらしくない格好に、なんかこう変化をたどっていったんですよね。

木村:そして、もう一人。R-指定さん。現在、29歳。大阪府堺市出身。そして日本最高峰のMCバトル「ULTIMATE MC BATTLE」で5連覇。

R-指定:大阪大会というのがありまして。全国大会の大阪予選で5連覇。

木村:2012年、2013年、2014年と3連覇を成し遂げて。

R-指定:これは全国大会。

木村:で結果、「MCバトル日本一のラッパー」っていう。だから、日本一位のラッパーと世界一のDJが僕の目の前に座ってるっていう。座ってるんですけど、なんか恐縮してるんですよ。日本一と世界一が恐縮するって、おかしいですよね。

DJ松永:します。します。

R-指定:その目の前には、木村拓哉が座ってるんですよ。俺らからしたら。

木村:えーっと、だから、“木村” です。

R-指定、DJ松永: (笑)。

木村:いや、でも実際さ、今年2020年、このコロナ禍でライブができなかったりとか、そういう状況の中、二人の音楽活動っていうのはどういう状態になったんですか?

R-指定:この期間は、ひたすら曲作ってましたね。家に二人ともこもって曲を作るということしかなかったんで。緊急事態宣言の時はずっと、お互い家で曲作ってましたし。でも、逆に言うと音楽だけに純粋な意味で向き合えたのかなみたいな。制作に。
でも、その期間が終わると、曲が出来あがるとライブしたいわけじゃないですか。でもやっぱり、ライブが出来ないと。今、配信ライブとかちょくちょくやらせてもらったりとか。ちょっとずつ、お客さん入れるライブとかも、ほんと数える程度ですけど。出来るようになったんですけど、やっぱりライブできないっていう状況が、こんなにアーティストにとってしんどいんやなっていうのは、お互いビックリするぐらい、改めて自覚させられたみたいな。それまで毎週ライブが入ってたりとか、曲作りもせないかん、ライブもせないかんとか、ばぁぁぁ〜ってなってて。

木村:そのライブっていう、実際に自分たちの作ったものを凄く熱く受け止めてくれる人たちがいるっていう現状と、自分達で新しいものを作るっていう、クリエイトの天秤が、すごく今までは均等に保たれていたりとか。もしくは、ライブの比重が重くなってくると、より良いものを会場に持っていきたいから、ちゃんと作らなきゃっていうので、天秤がすごくいい感じで取れてたと思うんですけど。

DJ松永:自分の自覚としてはライブに向かう時に、いいライブしなきゃとか、かまさなきゃみたいな感じ、乗り切るみたいな意識でライブをやってたんですけど、ライブやってないと精神的な健康が蝕まれていったんですよね。

R-指定:むしろ勝負って感じだったんですよ、それまでは。毎回毎回のライブが、この現場外されへんっていうのが毎日って感じだったんですけど。そんなことよりも、勝負とかよりももっと俺らの根源にかかわるとか。

DJ松永:そうそう。やっぱり、何で人前に立つとか、DJやり始めたかというと、人前に出てカッコつけたいんですよね。それで、ちゃんと歓声を浴びて称賛を浴びたい、自分の持ってるナルシストな自分を全部フルに出したいから、ステージに立ってたんですよ。でも、それがなくなると、そういう自分を消化できる場所が全くなくて、真っすぐ歓声を浴びたいみたいな自分が全く報われなくて、結構それで精神的にガタガタと崩れてたりとかして。このタイミングになって、“あ、めっちゃ俺ナルシストなんだな” って気づいたんですよね。

R-指定:自覚しましたよね。

木村:若干だけど配信でライブができるようになったりとか、さっきR-指定さんも言ってたけど、人数は制限されるけどもお客さんが居てくれてライブができるように徐々にはなってきてるじゃないですか。なんだけど、どこかちょっとむずがゆい状況ではあるんだけれど、だからといって制作意欲が蝕まれてしまって物が作れなくなるってなると、それも癪だし。

R-指定:そうですね。だからもう、そういうのもあって、新しく出したアルバムの1曲目なんかはそういう想いとかも全部曲にして。

木村:やっぱり、出てくるんだね。

M1.ヘルレイザー/Creepy Nuts


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