木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

2021年12月26日Flow 第百七十八回目

今週は、2021年最後の放送。今回はみなさんからいただいたメッセージを紹介したいと思います。最後までよろしく!

木村:いつもたくさんのメッセージありがとうございます。早速紹介していきましょう! まずは、僕が先日いただいた賞についてのメッセージ。

【三重県 タケちゃん 26歳 男性】
キャプテンこんにちは!
この度は第46回報知映画賞 主演男優賞の受賞おめでとうございます!
今年も引き続きコロナ禍での撮影になったと思います。
色々と難しい環境だったり大変な事も多かったと思いますが、その中で生まれた作品でキャプテンがこの様に受賞された事は本当に嬉しい限りです。
これから更に寒くなる日が続くと思いますが、どうかお身体にお気をつけ下さい!


木村:タケちゃん、ありがとうございます。主演男優賞っていうものをいただいたんですけども、なんかこう、あまりピンと来なかったっていうところが正直なところで。でも実際に、ブロンズ像…けっこう重いんですけど、あれをいただいた時に、実感が初めて湧いてきて。
映画賞だったりアメリカのアカデミー賞もそうですけど、そういう授賞式を拝見してると、受賞した方が「あの人にもありがとうを伝えたい」ってすごい長いスピーチをよくされていますけど、その気持ちがすごくわかりました。「この人にもありがとう言いたい」っていう。もちろん監督もそうですし、それこそ新田浩介っていうキャラクターをイメージして書いてくださった東野圭吾さんもそうですし、なんて言うんだろう…太い道筋だけではなくて、一番細い、本当に葉脈の行き届いた、現場のスタッフもそうだし、現場にはいなくても編集室でずっと編集に携わってくれたスタッフだったりとか、「映画が完成しました、上映されます」って時に(宣伝に携わってくれた)宣伝部の方たちだったりとか、そういう方たちにも全部に、この“受賞した”っていうことをきっかけにというか、その場をお借りして「ありがとう」を言いたいなっていう。“ああ、こういうことだからみんなに「ありがとう」って言いたくなるんだな”っていうのがすごくわかりましたね。うん。
続いては、動画「木村さ〜〜ん!」を観てくれた方からのメッセージですね。

【埼玉県 そらまめ 55歳 女性】
「木村さ〜〜ん!」の三十三間堂の回、観ました!
興味深いお話と画面からでも伝わる荘厳な仏像の佇まいに感動してしまいました。
何百年もそこで、世の中や私たち人間をただ黙って見ていたと考えると、時の流れの重さを感じます。
お堂や仏像が色彩豊かだった事、初めて知りました。眼に水晶がはめられている事も…。
ろうそくの光が反射するよう考えられていたなんて。
きっと揺らぐろうそくの炎は仏像の視線をよりリアルに感じられるのだろうな。
瞬きしているように見えたり、黒目が動いているように思えたり…。
想像するだけでゾクゾクします。
朝日を反射させて、仏像の金色が光り輝くように設置された鏡!
離れた場所からでもその輝きは見えたのだろうか?月の光のもとでは?
興味は尽きないですね。幻想的で素敵な教養番組!ありがとうございました〜。


木村:本当に贅沢な時間を過ごさせていただいたなと。三十三間堂の方の「木村さ〜〜ん!」という番組への認識のはき違いがプラスに転じて、「え、『木村さ〜〜ん!』は教養番組って聞いてますけど」っていう。それがベースとなったうえで、一般公開が終わった後の時間に僕らが入ることができて、そしてその三十三間堂の“大道さん”という方がもう付きっきりで、いろんなお話をしながら、120mあるお堂を、15分番組にも関わらず1時間ぐらいかけて回らせていただいて。いや〜、あれは本当に圧巻でしたね。
で、実際に中のいろんな仕組みを教えていただいたり、今までちょっと意味をはき違えていた方が多いかもしれない…「自分と似た仏像があの中に必ず一体はある」っていう知識がみなさんに伝わってるかもしれないんですけども、大道さんがあの時改めて説明してくれたんですけど、「会いたい方、もういなくなってしまったかもしれないけれどお会いしたかったな、お会いしたいなって思う方の面影を、あの千体の仏像の中から見つけられたらいかがでしょうか」っていうことで、あの体数が並べられているらしいんですけどね。
いや〜、もうあれは本当に、あの経験は大きいですよね。すぐに、今撮影中の映画の現場で監督とかに「昨日行ってきたんですよ」って言ったら、「マジ? 俺も行こう」とか言ってましたね。まだご覧になってない方は、GYAO!の方で中の様子が見られると思うので、ぜひ三十三間堂の迫力のある空間、映像をチェックしてみてほしいと思います。
そして、こんな嬉しい報告メールもいただいております。

【神奈川県 ツガタク 25歳 男性】
新海キャプテンお久しぶりです。
この場をお借りして改めてキャプテンにお伝えしたいことがありメッセージさせていただきました。

私は2017年、2018年にキャプテンにメッセージを読んでいただいた、パイロットである父と「グッドラック」のキャプテンに憧れ、パイロットの採用試験合格を目指していた就活生だった者です。

この度、3年間の訓練を経て正式にパイロットとなり、夢を叶えることができました。
まずは、パイロットを目指すきっかけをくださったキャプテン、そして父に改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
しかし、ここで終わりではなくここからがパイロット人生のスタートです。

この先も必ず嬉しいこと、楽しいこと、つまらないこともたくさんあると思います。
そんな時も新海元のように、強く熱く、そして誰よりも空を飛ぶことを楽しめる、そんなパイロットになりたいと思います。

最後になりますが、パイロットという素晴らしい夢と出会わせてくださり、本当にありがとうございました。

これからも様々な役を演じる中で多くの人に夢を与え続けてください。応援しています。
改めまして、本当にありがとうございました!Good Luck!!!!!


木村:すげぇ。覚えてましたよ。(パイロットに)なったんだね、本当に。“なろう”と思ってなれるもんじゃないからね、すごいよね。3年という訓練期間ももちろんなんですけど、くじけず続けて実際にパイロットになったということで。もうこれからは、ツガタクが、それこそお乗せするお客様みなさんに「Good Luck!」って言う立場、言う側になったわけですから。自分自身に対してももちろんそうですし、乗ってくださったお客様にその言葉をアナウンスできる側として、胸を張って飛んでいってほしいなと思いますね。おめでとうございます。

そして続いては、リスナーのみなさんが一生懸命チャレンジしていることを応援する【リポビタン×Flow 頑張るリスナー応援企画!】
今回はこちらのメッセージをご紹介したいと思います。

【埼玉県 そらまめ 55歳 女性】
拓哉キャプテンこんにちわ。
「頑張っていること」について考えました。
私は今、病気の後遺症で左半身に麻痺の残る主人と暮らしています。
周りから「たいへんね、頑張ってね!」と声をかけてもらう事もあります。
確かに主人がひとりで出来ない事はサポートしていますが、頑張ってサポートしているかというと何か違うような気もしていました。
今回の企画で改めて考えてみて、私が頑張っているのは投げやりにならない事、諦めずにいる事、希望を持ち続ける事だと思いました。
それは去年のライブでキャプテンが言ってくれた「腐るんじゃねーぞ」という事でもあるなと。
リハビリを兼ねて二人で歩いていると「元気になったね、歩き方がしっかりしてるね」と、時々すれ違う名前も知らない方に声をかけてもらう事もあります。
心配してもらったり応援してもらったり、人って温かいなと感じることが頑張るパワーにもなります。
私はこれからも腐らないでいる事を頑張りたいです。


木村:でも、大変ですよね。「投げやりにならない」とか「諦めない」とか「希望を持ち続ける」ってすごくポジティブなワードだとは思うんですけど、その「続ける」って言うことがすごい大変だと思うんですよ。でもそれを、なんだろうな…大変なんだけども、そこは大変なのをわかっていて「わかってますよ」っていう自覚もしっかりしてらっしゃるそらまめさんは、応援したいですよね。間違いなく、ご主人にもそらまめさんのそういう気持ちは届いてると思いますし。
でも本当に難しいですよね。僕も思わずステージ上で気持ちが高揚して「腐るんじゃねーぞ!」とか言っちゃいましたけど、腐らないでいるってけっこう大変ですからね。
でも、そらまめさんもおっしゃってますけど、“人ってあったけーな”って感じることって、本当にものすごいパワーになることだし。自分もこうやってラジオをやらせていただいて、リスナーのみなさんからいろんなメールをいただいたりするじゃないですか。正直、本当に間違いなくエネルギーになってるし。色々、SNSだったりコメントだったりとかが目に飛び込んできたりすることもあるんですよ。その時にガコーン!ってなりそうにはなるんですけど、こういう自分の部屋のようなラジオをやらせていただいて、そこにたくさんの方からのメッセージだったり気持ちとかいただいたりとかすると、なんか、そういうガコーン!ってなった原因が薄れていくんですよね。どんどん。うん。“そういう風に言ってる人たちもいるけど、こういう風に思ってくれている人たちもこんなにいるじゃん!”っていう。そっちに頭を切り替えられるというか。そう思うなあ。
そらまめさんのその想いというか、足元はしっかり確認しながらも、俯かず前をしっかり見てらっしゃる感じは、フィーリングがすごく伝わってきたので、応援したいなと思います。

【リポビタン×Flow 頑張るリスナー応援企画!】
あなたがいま、一生懸命チャレンジしていること、頑張っていること、頑張っている理由など、エピソードと共に番組宛に送ってください。メッセージをくれたリスナーの中から10名様にリポビタン製品をプレゼントします!
みなさんの熱いメッセージ、お待ちしております!

ここで、去年のライブで、そらまめさんにも響いてくれた僕からのメッセージ、“どんなに悲しくても、苦しくても、辛くても腐るんじゃねーぞ!”「One Chance!」。

M.One Chance!/木村拓哉

BGM
M.Ride On Time[アカペラ]/山下達郎

(後TM:MOJO DRIVE/木村拓哉)

2021年12月19日Flow 第百七十七回目「拓哉キャプテン × 平井大」Part3

今月12月のマンスリーゲストは、僕のセカンドアルバム『Next Destination』に楽曲提供していただきました、シンガーソングライターの平井大さんをお迎えしました!
平井大さんとのトークも今週で最後。今日はみなさんから届いたメッセージを元にトークします。そして、平井大さんの「人生の1曲」も伺います。最後までよろしく!


木村:ここからは、この番組に届いてるリスナーからのメッセージに、平井大さんにもお付き合いをしてもらいたいと思います。

平井:All Right!

木村:まずはこんなメッセージ。

【岡山県 みちこ 38歳 女性】
拓哉キャプテン、こんにちは!
わたしは、歌を聴くと、色々な場所を思い浮かべたり、当時のことを思い出します。
実際、旅行をしているときに聴いた曲は勿論のこと、行ったことのない場所も、
「この曲を聴くと、あの場所を思い浮かべるなぁ」などと思ったりします。
キャプテンは「この曲を聴くと、あの場所を思い浮かべるなぁ」ということはありますか?


木村:というメールが来てます。旅は好きですか?

平井:旅? なんか、バックパックの感じは、あんまりしないですね。いろんな所に行かなきゃいけないの、僕、無理ですし。そもそも予定を立てれないから(笑)。
普段、日常生活と違う景色を、愛する人と見に行くっていうのは大好きだから、それはよくしてますよ。

木村:そういう時に、音楽って何か聴いてますか?

平井:聴いてますね。ずーっと聴いてるかな。

木村:何が流れてるんですか? そういう時は。

平井:もう色々ですよ。僕はカントリーミュージックが大好きですから、カントリーはよくかかってますし、あと、ブルースもよくかかってるし。最近、40年代とかのジャズをすごいよく聴いてます。車の中で。フランク・シナトラとか、その辺をよく聴いてるかな。

木村:“この曲を聴くとあの場所を思い出すなぁ”っていうナンバーはあったりします?

平井:ありますねぇ。いっぱいあるけど、例えばDan + Shayっていう比較的新しいカントリーのデュオのグループがいるんですけども、彼らの「19 YOU+ME」って曲が、僕は大好きで。初めて聴いたのが、たしかパートナーと一緒に行った湘南の海だったんですよ。それで、今でもそれを聴くとその光景を思い出しますね。

木村:この(リスナーからの)メールのぴったりのエピソードじゃないですか。

平井:けど、“香り”とかに近いですよね、音楽って。そういうイメージはあるかなぁと思いますけど。

木村:あ〜わかる! わかる! あ〜なるほどね。今の一言はすごい賛成だなぁ。あの時嗅いだ匂い、あの場所で…うん、それに近いな。でもやっぱり、自分も、海に行く時聴いてる曲って、大体一緒なんだよな。

平井:ほんとですか。何か違うのを聴きたいということもない?

木村:ない。

平井:イメージがばっちり合ってるってことですよね。

木村:合ってるのかもしれないし、僕、レッド・ホット・チリ・ペッパーズがすごい好きで。わりと海辺でレッチリ聴くことが多いかなぁ。

平井:いいですね。サーフィンの前とかは、テンションも上がるし。

木村:サーフィンの前、すごい好きですね。でも、”香りと音楽”。すごい、自分も賛成できたな。

平井:“ハワイのあのラジオで聴いた曲だなぁ”とかね。家で流れてくるとその景色が出てきたりとかありますからね。

木村:(ダイヤモンド)ヘッド下とか行きたくなっちゃうんだよなぁ(笑)。
続いて、こんなメールが来てます。

【岐阜県 りんこ 35歳 女性】
私は最近、中学生から30代前半にかけてハマっていた“推し(人物)”が15年前に作ったある1曲に、再び熱を帯びています。その曲は恋愛経験がほぼ皆無だった当時の私には理解出来なかったのですが、曲の展開が大好きで何度もリピートして聴いていました。
今その曲を聴いていると当時のその推しに対する熱い想いが蘇り、とても懐かしい気持ちになります。それと同時に、この15年間で多少…甘くてほろ苦い経験をした今の私だからこそ、理解出来る部分を発見しました。木村さんは昔ハマって、今になって再びハマったことはありますか?
人物ではなく、食べ物や作品でも構いません。


平井:なるほどね。

木村:でも、昔ハマってたものって、今拒絶することって滅多になくないですか? 音楽にしても、食べ物にしても、カルチャーにしても、一度自分が「うわっ、これすげぇ」って思えたものって、今「いや、いらないよ」って毛嫌いするようなものって、まずないですよね。ある?

平井:どうかなぁ。そこまで考えたことなかったですね。確かにね、ないかもしれないですね。

木村:アイドルとかにハマったことってあります?

平井:アイドル? ボブ・マーリーとかね。

木村:そこだもん! いや、今俺が出したパスっていうのは、わかりやすい、日本人が「この子可愛いなぁ」とか「この子たちに会いたいなぁ」みたいな、そういう対象人物のことを俺はパス出したつもりだったんだけど。返って来た答えがボブ・マーリーだったから、これどう処理すれば良いかなっていうね。

平井:(笑)。

木村:だからそこなのよ。“アイドル”ってう定義を置く、その対象人物が、平井大の中ではボブ・マーリーだから。やっぱりね、次元が違うよね。

平井:だって、すごいカリスマ性じゃないですか。「ザ・アイドル」っていう。

木村:そっか。そういう風に受け取ってもいいのか、アイドルって。そういう角度から考えたことなかったけど、それでもありだね。うん。
ボブ・マーリーは、どれ位(の時)から聴いてた?

平井:それこそハワイとか、ラジオでレゲエがいっぱいかかってるから、その辺から知りだしたって感じですね。調べてみたらボブ・マーリーだったんだっていう感じでしたね。それこそ、前回のツアーでは楽屋でボブ・マーリーかけてましたもんね。

木村:やっぱりそういうのって抜けないんじゃないですか?

平井:“ストックとして貯まっていく”っていう感じですかね。うん。その感じだ。それ、すごいわかりますね。

木村:だと思うよ。それこそ僕は、“海”はきっとそういうことなんだろうなってずっと思ってますけど。やっぱりあのカルチャーを知った後っていうのは、物の考え方もすごく変わったし、あの感覚は、やっぱりサーフィンっていうものを海で体験しなかったら、今の自分の中に存在してないので。

平井:音楽も近いかもしれないですよね。“ギターできるヤツはカッコいい”っていうか。それで食って行ける、食って行けないかはわからないですけども、「このぐらい指が動くんだ」とか「こんだけ自分の気持ちをギターで表現できるんだ」とか。それに似てるかもしれないですよね。

木村:あ〜、けっこう、今日は名言出てますよ、いっぱい。みなさん(笑)。

平井:(笑)。

木村:じゃぁラスト! お悩み相談いきますか。

【東京都 ゆきち 女性 17歳】
拓哉キャプテン、こんにちは!聞いていただきたい悩みがあります。
私は同級生が精神的に私よりもはるかに精神的に成熟していると感じます。
もちろん、私も多少は、成長したとおもいます。友人とけんかになることもほとんどありません。
しかし、自分の感情のまま行動したり、相手が傷つくようなことを言ってしまったりします。
友人にそれをたしなめられることもあります。後で、自分は何をやっているのだろうと
自己嫌悪に陥ることも多々あります。こんな私でもちゃんと大人になれると思いますか?
精神的に成長するにはどうしたらよいでしょうか。


木村:これは今日、うってつけのゲストだったかもしれないね。

平井:これは僕に聞いちゃダメでしょう(笑)って感じしますよ。
 
木村:なんで? 「こんな私でもちゃんと大人になれると思いますか?」ってゆきちが言ってますよ。17歳の女の子が。

平井:気持ちの面でしょ? 身体は大人になっていきますけどね。僕、ほんとだから、すごいなと思いますよね。周りの方を見ると。いろんな方がいらっしゃいますけども、なんかしっかりしてるなぁって思いますもん、やっぱり。だから、すごいよくわかりますよ。僕は大人になることを諦めたんで、いいんですけど。

木村:諦めた?

平井:諦めましたね。なんか疲れちゃうっていうかね。なんか無理なんですよ。

木村:平井大にとって、大人になるってことはどういうなの? 今、大人になることを諦めたって発言があったけど、自分の中で大人になるっていうことは、定義はある?

平井:やっぱね、我慢が増えると思いますよ。我慢。僕、我慢ができないんですよ。

木村:例えば? 1つ挙げるとしたら?

平井:そしたらば、(できない我慢は)朝、起きる。起きれないですもん。ね?

木村:(笑)。

平井:そういうことに負ける僕っていうのはね、大人じゃないなと思いますもん。

木村:でもさ、「ライブがあります」って行って、お客さんが目の前にいて、自分が歌を歌ってギターを弾いたり、ウクレレを弾いたり、それこそ、その曲をフッて発した後に、受け取ってくれるオーディエンスの人がいてくれた時の幸福感はめちゃくちゃあるでしょ?

平井:そうですね。それは“好きだから”なんですよ。ステージで演奏してるのが好きだからやってるだけであって。だから、そこで“届けなきゃ”とも俺は思ってないんじゃないかなって、最近思ってますよ。

木村:(笑)。マジ?

平井:最近ライブしてて、“お客さんが盛り上がってる。僕も盛り上がってる。あ〜楽しい!”っていう感じ(笑)。

木村:でも、それだよなぁ。基本は。

平井:そこに、僕の“届けなきゃいけない”とかいう気持ちはないと思いますね。歌わなきゃいけない、弾かなきゃいけない、届けなきゃいけない…っていう気持ちはないかもしれないですね。ライブをしてて。

木村:一番の自然体だね。それがね。

平井:それが癖づいちゃってるっていうか。

木村:いいなぁ、その空間。

平井:だからもう、“僕は僕でいいや”っていうことなんじゃないですかね、結局。

木村:だって、さっきから話を聞いてると、無敵だよね。その感覚。
今後挑戦していきたいことだったり、目標、夢っていうのはありますか?

平井:そうですね…今後のことはあんまり考えられないですからねぇ。

木村:まぁ、週末のことがあやふやな感じですもんね。

平井:でも、お父さんにはなってみたいなと思いますね。それはあるかも。多分ね、自分の作る曲であったりとか全然変わってくると思うし。人生としての景色だったりとか変わってくるんじゃないかなって思うから。目標はとりあえず、お父さんになりたいな。

木村:いい目標だと思うし、なんだろうな、でもそれ(お父さんになること)って挑戦っていう風に捉えたことなかったなぁ。

平井:僕がこんなだからですよ(笑)。

木村:でも授かるものだから。どうなんだろうな。でも、お父さんになった後の大にも期待だな。

平井:いきなりしっかりしちゃったりとかね。

木村:それはないと思いますけど(笑)。

平井:(笑)。

木村:今月は平井大さんとお送りしてきましたが、この番組では、毎回ゲストの方に「人生の1曲」を伺っているんですけど。

平井:色々ありますけどねぇ。すごい悩むなぁ。さっきもお話したけども、“香りと近い”とか、そういうことを考えると、ジョン・メイヤーの「Queen of California」という曲。

木村:これは、何故この曲なんですか?

平井:僕、サンタモニカからジョシュアツリーのユッカバレーの方にドライブに行くのが好きなんですけど、その時にちょうど流れて来たんですよね。海から町に行って砂漠になっていくあの景色をすごい思い出すし、その道のりが人生とちょっと被る感じもするというか、“これこそが人生だなぁ”っていうね。そういう感じがするから、すごい好きな曲。海から生まれて陸地の砂漠に行く、それがすごく人生と被るというか、その情景を思い出させてくれる曲だなぁと。

木村:なんか、ジョン・メイヤーっていう人選でビックリしたんですけど。もうちょっとこう、もっとオッサンなのかなぁと思ってたんですよ。アーティスト。

平井:ほんとですか? ジョン・メイヤー、カッコいいですよね。

木村:じゃあ、その曲をみなさんにお届けしたいと思います。ということで、12月のゲストは平井大さんでした。ありがとうございました。

平井:Thank You Guys!ありがとうございました。

M.Queen of California/John Mayer

(後TM:Beautiful Things/木村拓哉)

2021年12月12日Flow 第百七十六回目「拓哉キャプテン × 平井大」Part2

今月12月のマンスリーゲストは、僕のセカンドアルバム『Next Destination』に楽曲提供していただきました、シンガーソングライターの平井大さんをお迎えしました!
ここでしか聞けないトーク、お楽しみに!


木村:全ての人がコロナの影響を受けてますけど、なにか変化ありました?

平井:変化はやっぱりありましたね。ライブがないっていうところがまず大きかったですし、ここ10年くらい、ライブがないっていうことがなかったというか。週末はどこかしらで演奏してましたし、やっぱりそういうところの変化っていうのは、すごいありましたよね。

木村:でも、これを見てビックリしたんだけど。“2週間に1回という頻度で楽曲をリリースするプロジェクトをスタートした”って。
2週間に1回? だから、新曲をどんどんどんどん作っていくってってこと?

平井:今年の夏なんか、週に1回出してましたよ。

木村:なんでそういう連続配信をしようとしたの?

平井:それね、やりたかったんです、僕。もともと。アルバムを作るの大変じゃないですか。

木村:うん。

平井:レコーディングだったりとか、その前に何曲も貯めて、そこで精査して…って作業がすごいめんどくさいなって思って。だから、できた順番に出していっちゃうっていうのやりたかったんですよね。だけど、なんかこう“CD作んなきゃダメ!”みたいなのがあったからCD作ってましたけども、そういうのもなくなったんですよ、去年から。やっぱり社会も変わっていったしね。…というところで、”じゃぁやってみよう!”ってスタートしたっていう。

木村:ストレスにはならなかった? 2週間に1曲とか、1週間に1曲とか。

平井:アルバム作るより全然ストレスなかったですね。

木村:マジで!?

平井:そう。もともと音楽を作るのがストレスじゃないっていうのもありますけども、けど、全然良かった。

木村:そのプロジェクトから誕生した、『Stand by me, Stand by you.』。SNSをきっかけに、サブスクリプションサービス(で大ヒット)。曲もそうだし、動画もアップされて、それをどんどん配信していくっていう。

平井:そうですね。ミュージックビデオを撮るの、すごく大変じゃないですか。

木村:大変ですね。

平井:僕は(MVは)「リリックビデオ」っていうものにしようっということで。なんかこう、ちょっとした映像と、写真でもいいから、そこに対して歌詞だけ出てくるビデオで良いんじゃない?っていう提案で。それでもうバンバン、作っていって。だから、僕が出演することもないですし、気付いたらできてる。

木村・平井:(笑)。

木村:アナログ派、デジタル派ってけっこう分かれると思うんだけど、どっちだと思います?

平井:僕ね、アナログ派だと思いますね。

木村:じゃあ、知り合いとかとLINEのやり取りとかはしないですか?

平井:LINEはね、始まったんですね。

木村:始まったんだ(笑)。

平井:2年位前かな。僕の中でLINEが始まった(笑)。“ネット上で3〜4人とグループを作って、一斉に(送信)いけるんだ!”とかちょっと楽しかったんですけど、最近ちょっとめんどくさいですね。LINEが来ると憂鬱。でも、送られて来るの、スケジュールとか、そんなくらいですよ。それとあと、たま〜の台本ぐらい。
でも、それって、どうやって返信します? 「明日のスケジュール」って(LINEが)来ますよね?

木村:来ます、来ます。

平井:それ、どうやって返信します?

木村:「了解」って送りますね。一応、やっぱり自分に対してスタッフが動いてくれたことなので、それに対しては「了解」っていう一言は送りますね。

平井:僕の場合、朝出る時間さえわかっていればいいかなと。明日何するかもよくわかってないですもん、僕(笑)。

木村:すげぇなぁ。

平井:ライブを飛ばしたことはないですね。けど、ウクレレを忘れたことはありますね。1回、電車の中に。

木村:電車までは持ってったんだ。電車までは持っていって行先地まで着いて、降りた時に持ってったウクレレを(電車の中に)忘れたってこと?

平井:そうですね。随分前ですけど、その時は湘南でライブだったから、湘南新宿ラインに乗ってたんですよ。で、僕は、会場に着いて気付いたんですよ。「あれ? 何か持ってないなぁ」って。

木村:(笑)。それ、どうしたの? 何かで代用できた?

平井:(忘れ物届をJRへ)言ったらば、戸塚に(ウクレレが)あったらしくて。最初の3曲くらいはウクレレ無しで演りました。

木村:忘れちゃったからね(笑)。で、戸塚にあったウクレレが…。

平井:そう。で、ステージの上で”ありましたー! 届いたよー!”って。すごい盛り上がりましたよ。「良かった〜!」って。

木村:それは盛り上がったと言うのかなぁ(笑)。忘れ物が届いたってことだよね。

平井:あれもあったな〜。ラジオで「弾き語りお願いします」って言われてて、でも、僕忘れっぽいから…。けど“もう今日は忘れない!”ってウクレレ持ってったんですよ。で、開けたら“ケースの中にウクレレがない!”っていうパターンがありましたね。ラジオで。

木村:ケースだけ持ってったっていう。

平井:そうなんです。ウクレレは軽いから、入ってるか入ってないかよくわかんないんですよ。ホントに。

木村:ウソだぁ。それはわかるでしょ。入ってるか入ってないかは。

平井:ホントわかんないんですよ。

木村:真っすぐな目で言われた(笑)。

平井:いやぁ、けっこうビックリしましたね。
…あれ、今日入ってるんですか?
(持参したウクレレを確認中)

木村:何、どうしたの? ケースだけ? 今この話をしてて、ウクレレが入ってたら…。

平井:入ってる! 良かった!

木村:じゃあ、(ラジオの時は)このケースだけを持って来たの?

平井:これは新しいですけどね。そういうことがあるから、僕は楽器を運ばないでくれって言われたんですよ。自分で楽器を管理するなと。

木村:「ちゃんと楽器はうちら(スタッフ)でやるから、もうあなたはちゃんと何時に家を出て、どこどこまで行って、パフォーマンスをしてくれ」と。

平井:そうです、そうです。そういうことになったから、今すごい楽ですよね。忘れることもなくなったし。

木村:いや、楽というか、そうね、周りの人からすると相当ショックなことだからね(笑)。「あいつ、忘れてるよ!」っていう。
それは何本目のウクレレですか?

平井:(ウクレレを弾きながら)僕ね、あんまり持ってないんですよ、ウクレレ。

木村:おばあちゃんにもらったのと?

平井:(おばあちゃんに)もらったやつが、もう弾けないような状態である。弦もビヨンビヨンだし。あと、今ライブで使ってるのと、RECで使ってるやつって感じです。

木村:あ、じゃあ今つま弾いてくれてたのは?

平井:これはREC用ですね。けど、もう古いですよ。10年以上使ってますから。

木村:おばあちゃんが(ウクレレを)渡してくれなかったら弾いてないんだよ、不思議だよね…。

ここで、平井さんがウクレレで「Slow&Easy」を生演奏!

木村:めちゃくちゃFMっぽかったね。良かった〜。これ、FMで。
振り返ってみると、いろんなアーティストの方にゲストに来ていただいて、いろんなトークはしたけど、その場で歌ってくれた人って、初めてです。

(スタッフから質問が届いて)今回の「Beautiful Things」に対して、平井大さんからいただいた楽曲について、僕が歌詞を読んでどうだったかってことですか?
歌の歌詞ってさ、ものすごい抽象的なものもあれば、すごい風景が広がる歌詞もあるじゃん。今回はどちらかというと、1フレーズ毎に映像がポン!風景がポン!って浮かんでくるような歌詞でしたね。メロディもすごい好きなメロディだったし。レコーディングをさせてもらった時も、なんかストレスがなかったことを覚えていますね。

平井:けど、良い歌詞ですね、改めて見ると。

木村:良い歌詞ですねって、あなたが書いたの! これは全部(笑)。

木村・平井:(笑)。

木村:これ、好きですね。

平井:僕はね、今回、拓哉さんの、男の柔らかい部分を引き出せるような曲が作れたらいいなとは思ったんですよ。そこって、一番カッコ良かったりするじゃないですか。

木村:男の柔らかい部分?

平井:大切な人ができたりとか、家族が増えたりとかした時に、”失う恐怖”ってすごいあると思うんですよね。愛が大きければ大きいだけ。そこの、“失う恐怖”みたいな部分に怯えながらも、日々の生活を大切に過ごしているという。なんかそういう男がカッコいいなぁと思って。多分、拓哉さんはそうなんじゃないかと思ってたんですよ。

木村:ほう。

平井:で、なんか、そういうところを引き出せたらいいなぁと思って、作らせていただきましたけど。歌ってみて、どうでした?

木村:すごいしっくり来るんですよ。

平井:ホントですか? 良かった!

木村:なんかこう、無理がないというか。だから、それこそ言ってたけど、表現する時に、ウソってやっぱり嫌じゃん。やる方も。なんだけど、歌詞の内容だったり、音楽の音楽性もそうかもしれないけど、音源化する時に、自分にないものを無理やり表現しようとすると、それってウソになっちゃうから。(楽曲に)これはなかったですね、一切。

平井:良かったです。

木村:うん。これ、ぜひ早くみなさんにも聴いていただけたらとなぁ思うんですけど。

平井:聴いていただきたいですね。

木村:そもそも、大丈夫でした? 自分がレコーディングさせてもらったやつを、多分、作ってくれたご本人もチェックしたんじゃないかと思いますけど。

平井:いや、こんなカッコ良く歌えるんだなぁと思いましたよ。

木村:やめてよ。

平井:ホントに。僕ね、ビブラートできないんですよ、そもそも。ホントにできない。

木村:できる!(笑) おかしいよ、どいういうトークセッションになってんの(笑)。

平井:(木村の)ビブラート、カッコ良いなぁと思いましたね。ええ。

木村:全然。だって、デモテープ本人が歌ってくれたやつを僕が聴いて、それで自分はレコーディングしたわけだから。曲を覚える時もそうだし、聴きまくったし。レコーディングの際にも、仮ボーカルというか、ご本人のやつを聴いて、僕はやったので。

平井:僕、多分、あのビブラートできてなかったですよ。

木村:でも俺、そんなやってないよ。

平井:や、なんかカッコ良いなぁと思いましたね。

木村:やめて、やめて(笑)。

平井:なんかこう、大人の男の色気というか、SEXYな感じが。

BGM
M.Stand by me, Stand by you./平井大

O.A曲
M.Beautiful Things/木村拓哉

(後TM:MOJO DRIVE/木村拓哉)

2021年12月05日Flow 第百七十五回目「拓哉キャプテン × 平井大」Part1

今月12月のマンスリーゲストは、シンガーソングライターの平井大さんをお迎えしました!
どんなトークになるのか、お楽しみに!


木村:実際にこうやってお会いして、お話しさせていただくっていうのは初めてですね。

平井:初めてですね。

木村:僕、以前から平井さんの楽曲は色々聴いていたので、あと、いろんな歌番組でパフォーマンスされている映像とかもずっと見てたので、なんか“知らない人”っていう感覚がないんですよ。

平井:そうですか! 嬉しいですね。

木村:ファッションだったり紡ぎ出す音楽だったり、“きっと海に入ってるんだろうな”っていう感覚だったり、そういうのが自分の中で“全然遠い立ち位置の人じゃない”っていうイメージが勝手にあって。だから、今日初めてお会いして話をするってなっても、全然ナーバスにならないというか。

平井:僕、すごいナーバスですよ。

木村:マジで!?

平井:もうね、人見知りだから。

木村:そんなに日に焼けた人見知りの人っています?(笑)

平井:(笑)。くよくよするの。初めて会う人がいる時とかね。だから、昨日の夜すごいくよくよしてましたよ。どんなテンションで話そうかなって。

木村:いやいや、その“くよくよ”は即効なくしていただくためにもいろんなお話をしていきたいなと思うんですが、今回、平井さんにですね、来年1月の19日にリリースされます私のセカンドアルバム『Next Destination』に楽曲提供をしていただいたんですよ。

平井:ありがとうございました!

木村:いやいや、それを言うのは俺ですよ!

平井:僕、歌ってもらえると思ってなかったですから。1回、どこかのラジオで「Slow & Easy」を拓哉さんが流してくれたっていうのを聞いて、“うわ、嬉しいな〜!”と思いまして。そこからの流れだったんですよね。

木村:へぇ〜! 全然知らなんだ。

平井:僕、「Slow & Easy」より全然良い曲を作れるなと思って(笑)。

木村・平井:(笑)。

木村:さっきちらっと冒頭に話が出ましたけど、あんまり遠い立ち位置じゃないんじゃないかなって思ってた感覚が、そのまんま…。楽曲提供をしてもらった歌の中身を拝見したりすると、めちゃくちゃそれが具体的に感じられて、すごい好きな曲です。

平井:本当ですか。(楽曲の提供が)決定したってなる前に、もう僕、作り始めてたんですよ。だから、歌っていただけるかわかんないのに作っちゃってるっていうね(笑)。

木村:(笑)。どういうフィーリングというか、どういう思いで作り始めちゃったんですか?

平井:なんかね、勝手にギターを持って、“こういう感じかな?”っていうね。

木村:だって、まだ何も決まってなかったんですよね?

平井:何も決まってないです。だから、多分、この時間は無駄になるんだろうなって(笑)。

木村:ウソ! でも、最終的にすごくあったかくてハートフルな曲を作っていただいて、それを僕がレコーディングさせていただいたっていう形なんですけど。すごく、なんだろうなぁ…本当にあったかいんですよ。

平井:本当ですか。ここ最近の僕の曲の中で一番いい曲なんじゃないかなと思って。

木村・平井:(笑)。

木村:いやでも、すごい嬉しかったです。ありがとうございます。
さっきもちらっと、番組を始める前に、平井さんと「マジで!?」っていう話をしてたんですけど、東京生まれなんですね。

平井:そうなんですよ。どこに行っても「ハワイ出身ですか?」とか。

木村:自分もそう思い込んでた。

平井:そうですよね。東京なんですよ。江戸っ子ですよ。シティボーイなんですけどね。

木村:シティボーイなんだけども、やっぱりああいうCDのジャケットのイメージだったり、曲と曲の間に入っている波打ち際のサウンドだったりがあったりすると、聴いてる人たちからすると、(イメージが)どんどんそっちに持ってかれるのかもしれないね。

平井:海のそばかな〜っていうようなね(笑)。

木村:で、ギターとサーフィンが趣味のお父さんの影響で、幼少の頃より海にも親しみ、祖母から3歳の時にもらったウクレレがきっかけで、音楽に興味を持つと。
おばあちゃんは何でウクレレを選んだんですか?

平井:何でですかね。年齢的には、ハワイアンミュージックのムーブメントがあったぐらいの感じなんですよ。ちょっと若い時にね。だからやっぱり、「男は楽器ができた方がいいんじゃないか」っていう考えだったらしいです。

木村:お父さんもギターをやってて。でも、おばあちゃんのその信念がなかったら、かなり可能性は変わってたよね。

平井:本当によくプレゼントしてくれたなと思いますよね。

木村:すごいな。で、初めて手にしたのがウクレレで。え、ギターは?

平井:ギターは、手、痛いじゃないですか。

木村:(笑)。左手ね。

平井:痛いから、ちょっと遠ざけてたんですけど、小学校ぐらいの時にやってみたいなと思ったんですよ。

木村:そしたらお父さんが教えてくれた感じ?

平井:そうですね。「これどうやってればいいの?」とか聞くと、たまに教えてくれるっていう。

木村:一番最初に“この曲弾けるようになりたいな”って思った曲って何ですか?

平井:そういうのがないんですよ。“この曲を弾こう”とかが全然なくて、バッキングに対してメロディを作るっていうのが好きだったんですよ。

木村:じゃあ、もうその時点で“ギターを弾く”っていう感覚じゃないんだ。もう、クリエイティブのスイッチが小学校の頃に入ってたのかもね。

平井:そうかもしれないですね。だから、そのぐらいの時に、音楽編集ソフトの「Logic」とかもやってました。

木村:小学校の時に?

平井:そうそうそう。積み木みたいに音を重ねて。それまで、ウクレレやギター1本で作らなきゃいけないからソロの音しか出せなかったけども、音楽編集ソフトを使うと、自分のバッキングに対して自分でソロを弾けるっていう。その感覚はすごい楽しかったですね。

木村:もう作ってたんだね。小学校の頃にはもう、“俺、でっかくなったらこういうことやりたいな”っていう選択肢にも、音楽は入ってた?

平井:どうだろうなぁ。けどね、そんなに考えてなかったですよ。小学校の頃は、音楽で食べていくってあんまり考えてなかったですね。

木村:じゃあ、いつスイッチが入ったの?

平井:いつなんだろう。「ここ!」っていう区切りがないんですよ。だから今、「将来の夢は何ですか?」って言われると、考古学者とかかっこいいなと思うし。今でもちょっとなってみたいもん(笑)。

木村:今からちょっと路線変更して考古学者に(笑)。

平井:そうそう。ピラミッドを調べに行ったりとかね。

木村:でも、ピラミッドはめちゃくちゃいろんな人がすでに調べてるよ。

平井:そうなんですけどね。やっぱり、宇宙人が作ったんじゃないかなとかね、ありますから。

木村:そっちまでいっちゃう?(笑) じゃあ、平井大っていうシンガーソングライターは、まだ途中なんだ?

平井:途中ですよ。全然。

木村:平井大の中で「これは一体何なんだ!?」っていうものがボコって見つかったりしたら、シンガーソングライターでもあり…。

平井:(他のことも)やっちゃうかもしれないですよね。

木村:お芝居とかは?

平井:お芝居は無理ですよね! 僕、嘘つけないから。やっぱ演じなきゃいけないじゃないですか。そもそも、セリフも覚えられない。

木村:歌詞と一緒じゃないですか。

平井:歌詞も覚えられないんですよ!

木村:(笑)。そうですか?

平井:本当に。僕がちょくちょく間違えるじゃないですか。そうすると怒られるんですよ。怒られるというか、テレビとかで歌った後に、レーベルのディレクターの方だったりとかが「ここ違うよ」って言うんですけども、「違う」って言われるとどんどんわかんなくなっちゃうから。で、どんどん違うの歌っちゃうんですよね。

木村:(笑)。

平井:そうなってくると、間違っても何も言わなくなりました(笑)。

木村:そのレーベルの人も(笑)。

平井:だけど、ステージで起きたことが正解ですから。その感じでいいかなっていうね。

木村:デビューのきっかけは…一応ここに記されてはいるんですけど、2011年に「ONE LOVE 〜Pacific Harmony〜」がホノルルフェスティバルの公式イメージソングに採用されて、そして同じ年の5月にデビューミニアルバム『OHANA』を発表…ということで。
なぜホノルルフェスティバルのイメージソングになったんですか?

平井:ハワイの知り合いの方づてに、「ウクレレを持ってる子がいるよ」っていうところでお話をいただいたんですけど。でも、それまで僕、歌を歌ったことがなかったですから。お客様の前で歌うとか、自分の曲を作って歌うということもなかったんですよ。だから、てっきり僕はインストゥルメンタルの曲だと思ってたんですよ。で、よくよく内容を聞いてみると、「歌を歌ってくれ」っていうことで、“歌、歌ったことないよ!”と思って。もうそこからてんやわんやですよね。

木村:それ、歌わせた人たち、すごい決断をしたね。

平井:そう。で、その頃のプロデューサーと今もずっと一緒ですから。その時に、「やっぱ大は歌わないと金になんないよ」と言われて(笑)。

木村:すごいな(笑)。そこで歌ったんだ?

平井:“じゃあ、歌わなきゃダメかぁ”と思って。それまで、楽曲を提供したりとか、あと、その当時はバックのミュージシャンとかスタジオミュージシャンになりたいなと思ってたんですよ。だから、フロントマンになろうと思ってなかったから…。人がいっぱいいると怖いじゃないですか。

木村:(笑)。確かに。ステージって緊張するよね。

平井:そうそうそう。そういうのがすごいストレスだなと思ったから、フロントマンに隠れてちょっとギター弾いて楽しむっていうのがいいなと思ってたんですよ。そうしたらこれで歌うことになっちゃったから。

木村:なっちゃったから(笑)。

平井:僕も二つ返事だったんですよね。ホノルルフェスティバルというのはけっこう大きいフェスティバルなんだっていうことは知ってたんで、「ぜひぜひ」とか言ったらば、決まってしまったという。

木村:で、歌うことになって。

平井:だから、歌詞とかも大変ですよね。「1番は英語、2番は日本語でお願いします」とか(笑)。それで頑張ってやりましたけども、そこで思ったのは、やっぱり楽器だけのメロディで何かを伝えるよりも、「言葉」っていうのは強いなって、ここですごく勉強になりましたね。

M.Slow & Easy/平井大

(後TM:MOJO DRIVE/木村拓哉)


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