2020年02月02日Flow 第七十九回目「拓哉キャプテン × 蜷川実花」Part1
今月のゲストは、写真家、映画監督の蜷川実花さんです。
について伺いました。
木村:資料を見て思ったんだけど、出会いって20年ほど前なんですか?
蜷川:そんなことないと思う、会ったっけ?(笑)
木村:(笑)
蜷川:もちろん父の舞台に出てたし、同じ空間にはいたけどご挨拶してないと思うし…もちろんずっと超見てるけど。
会ったのは、たぶん父のお葬式じゃない?
木村:たぶん、その時が初めてだと思う。
蜷川:散々うちの父から話しを聞いていて、なんか「キムタクにもらったデニム」とか、超自慢されたりとかして(笑)。
でも、父は太っちゃったから穿けなくてキムタクのデニムは私が穿いていました(笑)。
木村:マジっすか(笑)。それで、「いつか一緒にお仕事できたらいいね」っていう会話をお葬式の席でして。
蜷川:ご挨拶に来てくれて、「はじめまして、今日はありがとうございます」っていうところで、私が言ったんだと思うんだよね(笑)。
「いつか一緒に仕事したいと思ってて、やっと会えました」って言ったんです。
木村:それで、実際に「話してたら叶いましたね」っていう現場が…。
蜷川:一週間後ぐらいに撮影の依頼が来て、“超かっこいい!”と思って。それから結構撮影してるよね。
木村:ああいう時ってどうなんですか? 僕は写真を撮るのも好きなんだけど、見るのも好きだし、いろんな人の写真集も見てたりするんですけど。
写真家、フォトグラファーからすると“こいつ撮りやすいな”っていう日と、“なんだよ!”っていう日って、正直あるんですか?(笑)
蜷川:あるよ。その日もあるし、もちろん人との相性もあるし「どこからでも撮ってください」っていう協力的な人が、必ずしもいつでも面白いかっていったらそうでもない場合もあるし。“なんか閉じてるな〜っていう感じの人を、どうする?”みたいな感じで、にじり寄っていくのも楽しいし。
木村:“閉じてる”っていうのは、ファインダー越しに分かるんだ。
蜷川:ラジオとかでもさ、人と会ったりしても分かるじゃない? “開いてる、閉じてる”みたいなのって。
それがより撮影すると分かるから。
木村:“閉じてるな”っていう人でも、実花ちゃんなりのアプローチで最後は開けるの?
蜷川:開かないままの人もいるかな(笑)。それはそれで、閉じ切ってる感じは感じで、またカッコよかったりとかさ。開けば必ずいいものでもない場合もあるし。
お互いの関係性だったり、距離感みたいなものがちゃんと映るのがいいかなと思って。
あまり言葉で「いいね、いいね」とか、「かっこいいね〜」みたいなことは恥ずかしくて出来なくて。
木村:そうですか?(笑)
蜷川:それはいつも言われてるからでしょ? 本当に思ってるから言ってるんだよね。言葉で乗せるっていう好意が恥ずかしくて(笑)。
木村:恥ずかしいと言っていますけど、僕を撮ってくれてる時は、“カシャ、カシャ、カシャ、えへへへ〜”とか言って(笑)。
蜷川:だって無理なんだもん、カメラで目が合うからさ。そんな破壊力で来たら“えへへへ〜”ってなるじゃん。
木村:実花ちゃんの撮る写真って、“パカン! パカン! パカン!”のタイミングが、すごく気持ちいいところでくるんですよね。
蜷川:良かった、私、餅つきの餅をひっくり返す人いるじゃん? ああいう感じで呼吸を合わせようと思っていて。
あまり、“私に着いてきて”っていうタイプではなくて、あれだけ写真の個性が強いからオラオラしてるように思われがちなんだけど、そんなことなくて。
木村:写真がオラオラしてるように感じさせるよね。
蜷川:親の風評被害かなとも思うんだけど、すごく怖い人って思われるんだよね。みんな会うと「思ったより全然いい人ですね」って言われるんだけど(笑)どんなキャラ設定なんだと。お酒もすごく弱いんだけど、ものすごい酒豪だと思われてたりするし、すぐ怒ると思われてたり、そんなことないんだけど。
むしろリードしていただきたくて、相手の呼吸に合わせてシャッターを押してく、みたいなことを心がけているんだけど。それが気持ちいいタイミングでいってるんだったら、それは超褒め言葉、すごく嬉しい。
木村:色っていうのが、凄いじゃないですか? 代名詞というか“蜷川実花=原色ボーーン!”みたいな(笑)。
蜷川:原色ボーーン!だよね(笑)。
M1.Family Affair/Sly & The Family Stone