2020年02月09日Flow 第八十回目「拓哉キャプテン × 蜷川実花」Part2
今月のゲストは、写真家、映画監督の蜷川実花さんです。
今週は「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事」の
お仕事についても伺いました。
木村:2020年、「東京オリンピック・パラリンピックの競技大会組織委員会理事」になられたんですね。
蜷川:だから、偉いんですよ〜(笑)本当にすごい会議で…。
木村:それで、実花ちゃんからのアイデアも?
蜷川:そういうこともあるんだけど、本当にすごいところにうっかり入れて頂いちゃってて、なんか「意義な〜し」みたいな(笑)。
木村:でも、写真撮ってなかったっけ?
蜷川:それはまた別枠というか、理事だからとかじゃなくて、いろんなアーティストがオリンピックとパラリンピックのポスターを撮るのにも選んでもらって撮ったんです。
木村:パラリンピックの、ウィルチェアーのバスケットボールの写真って実花ちゃんの写真だよね? あれ、かっこいいんだよね。
蜷川:鳥海選手っていう方で、あれは合成とかじゃなくてスタジオなのよ。
スタジオで撮ってて、ボールを投げたところ鳥海選手がピョンって車椅子ごと飛ぶんだよね。
木村:あれ、スタジオで撮ったの!?
蜷川:ちょっと宇宙空間みたいでしょ? 違うの、スタジオの一発撮りなの。
木村:さすがっすね!(笑)
蜷川:意外と写真上手いんですよ〜(笑)。いろいろ合成してったらさ、いろんなのができるけどそうじゃないんですよね。
選手の持っている力というか、その場のライブの写真みたいな、これ、あんまりどこにも言ってないかも? みんなゴリゴリに合成してると思ってると思う。
木村:小さい頃から写真を撮ってたって言ってたけど、最初は僕らの世代ってフイルムじゃん?
フイルムで撮ってて、ある時、誰でもコンビニでも買える「写ルンです」みたいなのが出て…。
蜷川:私、今めっちゃ「写ルンです」使ってる!
木村:マジで? それは現像どうするの?
蜷川:今はデータにしてくれるの。長いことやってると、技術でねじ伏せれちゃう時って無いとは言えなくて。
この仕事って、気持ちが入ってないと全然ダメで、側だけ蜷川実花っぽくしてもすぐバレちゃうから、そうじゃいけないなと思っていて。
「写ルンです」って、「写ルンです」に合わせないといけないじゃん? 「写ルンです」で写る範囲で撮るしかないから。
ある一定の「ここで撮ってね」っていう範囲に自分が入らないといけないから、得意技が一切使えないじゃない? だから、武器が気持ちだけしか無いわけなんですよ。
木村:うんうん。
蜷川:「それで何ができるか?」みたいなことを、勝手にやってて(笑)。筋トレみたいな感じだね。
得意技を全部封じたときに何が残るか? みたいなのをいつもやってるの(笑)。
木村:上がってきた写真を見たときに、自分の今の筋力が分かる?
蜷川:分かるし…やっぱりどうにもならないから、新しい技が出てきたりとかさ(笑)。
“こういう画角で撮ったことなかったな〜”みたいなのとか、カメラが軽やかだから私の気持ちも軽いし、撮られる側も軽いし、思わず笑っちゃうじゃないけど“蜷川実花、写ルンです持ってきた”みたいな感じもあるし(笑)。
けっこう面白い効果があって、2年ぐらいやってるかな。
M1.Girl On Fire [Main Version]/Alicia Keys