木村拓哉 Flow supported by Spotify - TOKYO FM 80.0MHz - 木村拓哉

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2020年02月16日Flow 第八十一回目「拓哉キャプテン × 蜷川実花」Part3

今月のゲストは、写真家、映画監督の蜷川実花さんです。

今週は、リスナー皆さんからいただいたメールをもとに、トークをしました。

神奈川県 かほこさん 20歳 女性
キャプテンこんにちは!???
私は人前で話すことが小さい頃からとても苦手です。クラスメイトの前でもとても緊張してしまい、
失敗することを考えると本当に怖くなってしまいます。
4月から社会人になったら、もっと沢山の方の前で話す機会が増えると思います。
そのために、人前で失敗することを恐れずに、堂々と話せるようになりたいです。
また、自分の考えを自信を持って言えるようになりたいです。アドバイスよろしくお願いします!


蜷川:私は、人とこうやって話すのは平気なんだけど、人前で話すのは結構苦手で。
今でも覚えてるんですけど、初めて監督した映画「さくらん」の、オールスタッフ80人ぐらいいて、そこで「監督から一言」って振られるわけよね?

木村:撮影の前に?

蜷川:そう。初めてだから、そこにいる誰よりも私は経験値がないのに一番上に立たなきゃいけないプレッシャーとか凄かったんだけど。
話す時に、立って「どうもこんにちは、蜷川です」って言ったら、手がガタガタ震えちゃって(笑)。“震えてる監督やばいだろ”と思って、震える左手を右手で押さえつけて喋ったんですよ。
それがすごく印象的で、何を喋ったか覚えてないんだけど、誰でも得意なわけではなくて乗り越えていかないといけない瞬間ってあると思うんだよね。

木村:うんうん。

蜷川:そんな風にして最初は押さえてたけど、今だと全然余裕で話せるんだけど、やっぱり慣れもあると思うんだよね。
“失敗したらいけない”って思い過ぎなくて良くて、その中からしか生まれてこない事ってたくさんあるから。
とりあえずしんどいけど、震える手を押さえながらでも喋るっていう(笑)。

木村:「失敗が怖い」って書いてありますけど、失敗は実花ちゃんが言ってた筋トレに近いことだと僕は思うんだけど。
だから、失敗を経験したことのない人って、たぶん成長があんまりないのかなっていう気がするんですよ。

蜷川:でも、失敗したくない気持ちもよく分かるわ。

木村:それもすごく分かる。「自分の考えを自信を持って言えるようになりたい」って書いてありますけど、“なりたい”じゃなくてね、たぶん必然的になってきますよ。
自分の考えに自信を持つのではなくて、自分自身に“私これだったら自信あるんですけど”っていう、要はセールスポイント?
“ここは厳しいです”っていう、ウィークポイントっていうのを自覚しておくといいんじゃないかと思いますけどね。

蜷川:ウィークポイントとか、私はすごい父に言われていたんだけど、失恋したりとか、大学落ちたりとか、仕事が上手くいかなかった時に友達と飲みに行ったりとかするとさ、すんごい怒られたわけ。
「目の前の楽しいことで辛さを紛らわすな」って言われて。そうじゃなくて、そういう時にしか聴こえないメロディーがあったりとか、響かない言葉があるから、そういう時はじっと自分を見つめろって、すごく言われて。

木村:すごい父ちゃんだね。

蜷川:それが結構重要で、ついつい目の前の楽しいことで傷口をとりあえず止めたくなるけど。そうじゃなくて、ちゃんとそこと向き合えっていうことだったんだけどさ。そうしないと、せっかくイヤな思いしても何も前に進まないっていうか、“そうなんだなー”って大人になってからもよく思うね(笑)。

木村:蜷川さんの舞台だったというのがたまたまの話になっちゃうけど。“あの舞台ができたんだから、これができないわけないだろう”っていつも思います。自信の鎧になってますね。

蜷川:大変な経験というのはよく言われるけど、本当に宝物ですよね。

木村:そう思います。なので、大変な経験、怖かったり、失敗もするかもしれません、ですが、貴重です!
それだけ<かほこ>に伝わればいいかなと思います。

兵庫県 おしゅーさん 18歳 男性
こんにちは。現在高校3年生で受験を控えている者です。
受験勉強を今まで行ってきましたが、最近、疲れてきてしまい、
読書が好きなので本を読み始めてしまいました。
しかしここで人生について考え始めるきっかけになる本を読み、
なぜ人は生きるの?何のために生きているの?など
考えても答えなどないようなことを常に考えてしまいます。
木村さんは「人は何のために生きるのか?」と質問されたらどう答えますか?


木村:「実花さん、何のために生きてるんですか!?」って言われたら、どう答えますか?

蜷川:結果だけフォーカスしちゃうと結構しんどいと思うんですよね。
例えば、誰かと付き合っても“別れるかもしれないし”とか、“これやっても上手くいかないかもしれないし”とか、結果だけについついフォーカスしちゃうけど、そこに行くまでの道のりこそが重要なんじゃないかなって思ってて。
もちろん、結果も良くなきゃいけない勝負時もあるんだけど。

木村:勝負時ね(笑)。

蜷川:全部がそれだと息が詰まるというか、それこそ“だって最後死ぬじゃん”っていう話で、極論言うと“生きててもしょうがないじゃん”ってなっちゃうし。
そういうのは勝負所だけで、あとは基本的に全部繋がってることだから。今悩んでることも含めて、それが生きている事なんだというか(笑)。
結論とか結果とか、最終地点だけじゃなくて、そこに行くまでにいろんなことがあることを、大変なことも含めて楽しむことなのかなと思ったりしますね。

木村:降ってくる雨を全て受け取る事って出来ないと思うんだけど、雨粒一粒がすごく苦しいことだったり、すごく楽しいことだったり、辛い事だったり、めちゃくちゃ気持ちいいことだったり、悔しいことだったりするんだけど。
X-MENみたいな特殊な能力があれば、めちゃくちゃな能力でよけられるんだけど。それもひっくるめて、自分で受けられる粒、それが結果LIVEっていうか…それかな。

蜷川:何事も起きないで凪いだような状態のシーズンってあるじゃない? 何も起こらないみたいな事より、いろんな人に否定されたりとか、何か言われたりとかしても、すごくやりたい事だったり、とてつもない幸福な瞬間があったりとかするのが好きかな。

木村:凪っているのって、状態としては“ワオ!”って感じなんだけど、瞬間だからいいんだよね。

蜷川:そうだよね。

木村:それが一週間続いても気持ち悪いと思う。一日の一瞬、その一瞬凪ってて、波ひとつない、風も何も吹いてない、海の上なのに蝶が飛んでるっていう瞬間がモーメントとしてあるから“ワオ!”ってなるんだけど、それを常に求めちゃうと“つまんねーかな”って。

蜷川:めっちゃ風吹いてて、バサバサ水かぶってる時は“もうほんと無理”って思う(笑)。
たぶん、よくよく考えるとそういうところにいるのが好きなんだろうなって思う。

木村:でも、そういう時って“自分のみ”っていうことはそんなに無いじゃないですか?

蜷川:そうね。そんなつもりでいても、振り返ったらすごくいろんな人に助けてもらってたとか、こんなにいろんな人が支えてくれてたんだなっていうのはけっこうあるよね。

木村:そんなのばっかりですね。

蜷川:日本で一番風圧高いところにいるぐらいの勢いじゃん(笑)。

木村:その風圧使って発電しないとね。

蜷川:本当だよね。

木村:風に耐えるだけだと保たないなと思って、これ発電できるなって(笑)最近発電に変えてますけど。

蜷川:光り輝いてますよ(笑)。

木村:やめてください(笑)。
ぜひ試してみてください。

M1.蛹化の女/戸川純

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