2022年07月17日Flow 第二百七回目「拓哉キャプテン × かまいたち」Part2
7月のマンスリーゲストは、お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司さん、濱家隆一さんをお迎えしました!
ここでしか聴けないトーク、お楽しみに!
木村:お笑いコンビ「かまいたち」のお2人は、結成初期から、賞レースで2007年に第28回ABCお笑い新人グランプリ最優秀新人賞、2008年に第43回上方漫才大賞新人賞を受賞。
ネタはお互いに作りあうパターン?
濱家:ネタはどうですか?
山内:ネタは、100:0で僕ですね。
濱家:(笑)。
木村:100:0?
山内:はい! 100:0で僕です。
濱家:言うてますわ。
山内:気持ち的に1000:0ぐらいのイメージを持っておいてもらいたいです。はい。
木村:えっと、(NSCのクラス分けで)Cクラスだったんですよね?
山内:ええ。 Cクラスでした。
濱家:本当、だからNSCを疑いますよね(笑)。
一同:(笑)。
木村:(クラス分けした)講師をね(笑)。
濱家:ええ。講師を疑いますね。
木村:NSCは疑っちゃだめよ。
濱家:確かに。
木村:でも、そのCにいた山内氏が1000:0ぐらいでネタを作り。
かまいたち:はい。
木村:それで、どうやって進めていくの?「もうちょっと、あの〜、濱家、今のところ棒読みだから、もうちょっとちゃんとやって」みたいな(笑)。
濱家:ガチガチなってるから(笑)。
山内:そうですね。竹刀でバシバシ叩いてスパルタで。
濱家:お前(笑)。
木村:じゃあ、山内氏が作って本を書き、濱家に渡して合わせて作っていく…って感じ。
山内:そうです。本当にそのスタイルですね。
木村:でも、漫才とコントとかあるじゃないですか。そのパーセンテージというか、比重とかはあるんですか?
山内:漫才・コントは、特にこだわりなく、“なんか面白いな”って思う現象があったら、“これを漫才でやった方が面白いのか?”“コントでやった方が面白いのか?”っていうのを考えてやりますね。で、ボケ役、ツッコミ役というよりも、“これどっちが言った方が全体として面白くなるかな?”っていうので、濱家の方が変なことを言う時もあれば、僕の方がツッコミに回るみたいな時もありますね。本当に、あんまり決めてない感じが最近は多いですね。
木村:でも、コントはすごく大事にするんでしょ?
濱家:そうですね。
山内:コントはキングオブコント(2017年)も優勝できたんで。
木村:「あの2人はコントはすごい大事にしてるんで、木村さん、ちゃんとセリフを覚えておいてください」って言われて。
濱家:えっ、誰がそんなことを(笑)。
山内:(笑)。
濱家:『かまいちょぱ』(GYAO)側のスタッフがですか?
木村:『木村さ〜〜ん!』(GYAO)側も言ってた。
濱家:そうですか?
木村:うん。「かまいたちの2人はコントをすごく大切にしてるんで、木村さん 、(コントを)もしやるんだったら(セリフを)ちゃんと覚えてください」って言われて。
山内:そこまでは大事にしてないんですよ。
濱家:(笑)。
木村:そうなんだ(笑)。
山内:そこまでではないです。
木村:安心した。
濱家:でも、めっちゃちゃんと(コントを)やっていただきました。
木村:で、東京進出のチャンスが、2009年、『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるッ!)』とか『はねるのトびら』の系譜を受け継ぐフジテレビのコント番組『ふくらむスクラム!!』のレギュラーに抜擢され。
濱家:はい。これは当時で言う黄金ルートみたいな感じやったんです。“『めちゃイケ』『はねるのトびら』と同じチームがつくる新たなコント番組”っていうのに抜擢していただいたんですよ。だからもう、選ばれた時点で周りが「はい(黄金ルート)確定です。おめでとうございます!」みたいな。
山内:いや本当に。「良かったねぇ。もう一生安泰だね」って言われたんです。
木村:へぇ〜。
山内:そのぐらい、『めちゃイケ』も『はねる』も鉄板の番組で、フジテレビの片岡飛鳥さん(テレビプロデューサー)率いるチームがやる番組やから、「もう選ばれたら一生食っていける!」って言われてた。僕、選ばれた瞬間、親に電話して「(お笑いで)なんとかやっていけそうや」って言いました。
木村:マジ?
濱家:「(お笑いでやっていく)目途がたちました」って。でも半年で終わりました。
山内:半年ですね。
濱家:これはマジで大変でした。このコント収録。
木村:だって、そんなに面白いことって量産できるわけないじゃん?
濱家:いや、そうなんですよねぇ。
木村:それを1回、人を大笑いさせてしまうと、その大笑いを超えるものを人は待ってるから。
濱家:いや、そうなんですよ。
木村:それを常に生み出すのって相当きついと思う…けど、自分が本当に仲良くさせてもらってる怪獣(明石家さんま)とか。だから、あの人ネタじゃないもんね。その場のトークだったり、もちろん時事ネタもありますけど。(さんまさんは)芸歴で言ったらら何年なんですか?
山内:もう44年。
木村:(44年)やってても、真剣に言ってますよ。「面白いこと考えなくなったら、もうあかんねん」って。「それ筋トレやねん」って言ってた。
濱家:じゃないと、ああはなれないもんね。
山内:バケモン(笑)。ホンマ怪獣ですね(笑)。
木村:いや、本当に怪獣だから。だから、僕は一緒に(フジテレビ系バラエティ番組『さんタク』を)やらせてもらってるんですけど、クッタクタになりますもん。
濱家:終わった後ですか?
木村:あのスタジオトークって、だいたい3時間半くらい回すんですけど、怪獣ご自身がはめられている時計を見て、「もうええな」って言って、「もうええよなぁ」「あいよ」って言って終わるんですけど、その「あいよ」を聞くまでの3時間半の、なんかこう…流れていく時間?
濱家:そうですよね。
山内:今も怖いですけど、もっと若手の時、さんまさんの番組、怖くて。
木村:怖い?
山内:パスが来るじゃないですか。
木村:パスね。
山内: その時にちゃんと反応しないと「なんや、お前」みたいな感じになりそうで。
木村:そうね。
山内:”こいつできへんのか?”みたいに思われるのが嫌やから。
濱家:ほんまに、目合わせんかったもんな。
山内:そう! さんまさん見てたら「おう、お前なんかあんのか?」みたいな感じで、さんまさんも「おっおう?」みたいな感じになるから、もう目を決してあわせない。メデューサみたいな感じです。
木村:それをタイマンですからね。
濱家:3時間半(笑)。
木村:3時間半。
濱家:それは疲れます(笑)。
山内:タイマンきついな。
濱家:いや、ほんまに。
木村:タイマンです。でも、自分たちも「年間300本のロケ」って、ここに書いてあるけど。
山内:大阪の時。
濱家:そうですね。1年間で300オンエアやってました。
木村:でも1年って365日ですよ。
濱家:はい。
木村:それで300本のロケって、どうやってやるんですか?
濱家:だから、一番多い時は20本撮りぐらいした? 沖縄の時。
山内:まとめ撮りが多かった。
木村:溜め撮りね。
濱家:溜め撮りで1日で20本?
木村:1本何分?
濱家:1本は、でも10分ぐらい?
山内:10分以内のロケを2週間分位撮るって言って、お店を30軒ぐらい(回る)。 沖縄の商店街で(笑)。
濱家:だから、朝から晩までですね。
木村:へえ。
濱家:だから、朝、商店街に行った時は、商店街の方たちが「うわっかまいたちや!」とか言ってくれるんですけども、晩になったら…。
木村:「まだおんのかい!」っていう(笑)。
濱家:何の新鮮味もない、「まだおるやんアイツ」みたいな(笑)。
山内:嫌がられてたなぁ。
木村:でも、それはみなさんが景色としても空気としても受け入れてくれた証じゃないですか?
濱家:ほんまに(ロケを)300本入れた時でもアレやもんな。ギャラめちゃくちゃ安かったもんな。
山内:はい。
木村:そこはわりと頭の中に普段からあるの?
山内:それしかないです。
木村:えっ、ギャランティ?
山内:ギャランティしかないです(笑)。
濱家:ギャラで動くコンビです。
山内:(笑)。
木村:マジ?
山内:その沖縄でまとめ撮りしたロケとか、1オンエア3000円だったんですよ。“こんだけやって…”みたいなのが、ずっと頭に。
濱家:そう。この当時は、大阪でよく番組には出させてもらってたんで、「(給料)めっちゃもらってるやろ」って言われたけど、全然給料が伸びない時でしたね。
木村:でも、2017年に『キングオブコント』で、にゃんこスターさんを押さえて優勝し。そうすると、さっき言ってた「人生変わる」みたいなことってあるんですか?
山内:いや、めっちゃ変わりました。
濱家:ここが転機でしたね。
木村:ここが転機?
濱家:どう考えても、この優勝が転機でした。仕事もちょっと増えて、”よし、東京に進出するぞ!”ってなったのが、この優勝がきっかけやったんで。
山内:そう。
木村:それで、大阪のレギュラー番組を7本卒業して、4月に東京に再進出。
濱家:そうなんですよ。
山内:2017年、ここで新幹線が初めてグリーン(車)になったんですよ。
濱家:だから僕ら14年目ですね。
木村:結成して。
山内:もう優勝しないとグリーン(車)なんか乗せてもらえないんで、優勝した瞬間に、当時社長をしていた藤原社長とこに行って「優勝したんでグリーン(車)にしてくださいね」って。
濱家:こいつすごかったんです。「優勝は…かまいたち!」で、オンエア終わった瞬間に、舞台袖におる社長捕まえて「グリーン(車)にしてください!」って。
山内:(社長が)「おめでとう!」って言ってくれたんで、その瞬間にもう「これグリーン(車)ですよね。お願いします」って。もう吉本は忘れるからと思って、すぐに言いました。
木村:その後も実力派コンビとして、数々の賞を受賞して、また2019年に上方漫才大賞奨励賞。
濱家:はい。階段を上っている感じですね。新人賞取らないと奨励賞取れないんで。
木村:同じ19年に『M-1グランプリ』に出場して準優勝。このときは優勝はミルクボーイ。
かまいたち:はい。
濱家:これは…。
木村:悔しかった?
濱家:そうですね。僕らコントと漫才両方やってきたんですけど、その意味は『キングオブコント』も『M-1グランプリ』も両方優勝するっていう目標でやってきたんで、ラストイヤーで準優勝やったんで、もうこの夢は叶わないなっていう。“なかなかうまいこといかないな”っていう年でしたね。でも評判が良かったので、ここからまた仕事は増えたんですね。
山内:そうだ。
木村:今は舞台は?
濱家:舞台は月に2回ぐらいですか。
山内:(月に)2日か3日、1日で5ステ(ステージ)とか6ステしてるんで。
木村:1日で?
山内:減ってそれなんですよ。
木村:へっ?
山内:今、喉とかもおじさんになってきたから。あんまり(スケジュールを)入れると次の日声が出なくなったりするからアレなんですけど、去年までは1日11か12(ステージ)でした。
木村:それは、ネタ的にやることは一緒で?
山内:ネタは変えたりもしますけど、大阪に行ったら漫才劇場3ステ、NGK4ステ。
濱家:いろんな劇場を回って。
山内:4ステ4ステみたいな。
木村:すごいね。
山内:やってましたね。
木村:完全に体力勝負だね。
山内:そうですね。多分、1日に回ったステージ数の記録、俺らなんちゃうんかな。
濱家:12かな。
山内:多分、12ステっていうのをやったんです。
木村:12回? すげえ。
濱家:でも、一番そこを軸にしている部分ではあるんで。ネタみたいなところ。だから、ずっと今後もやっていこうと思ってます。
木村:言っちゃったけど大丈夫?
濱家:えーっと、これでも収録ですよね?
木村:基本完パケで。
濱家:完パケですか?
木村:『徹子の部屋』(テレビ朝日系列番組)方式。
濱家:あー…そうですか…まあ、本当、やっていけたらいいなと(笑)。
一同:(笑)。
[OA曲]
M.イーディービー 〜飛んで火にいる夏の君〜/RADWIMPS
[後TM]
MOJO DRIVE/木村拓哉