今週は、前回の続きです。
いまからおよそ1万6000年前、つまり縄文時代の住居を当時の技術で作ろうとしている大工さん、雨宮国広さんのインタビューです。

自ら山に入り、木を切り倒して木材を作り、チェーンソーや、電気ノコギリなど電気の動力に頼らず、ひとの「力」と、石や鉄でできた「道具」だけで、様々な建物を建ててきたという、雨宮さん。
そこから得ることができた、たくさんの気づきが、雨宮さんを、新たな挑戦へと導いたと言います。
その挑戦が、「縄文時代のすまいを作る」というプロジェクトです。

作る場所は石川県能登半島の真脇遺跡というところです。能登町にあるんですけども、ちょうど輪島の反対側になります。縄文時代に栄えたところです。巨大な栗の木を円状に配置した祈りの場みたいなところなんですが、自然とともに生きた人たちの、その思いがすごく感じられる場所ですね。そこに建てるんです。
真脇の町で、地域創生プロジェクトの一環として三年計画でやるんです。

〜どんな道具を使うんですか?
石斧と、石の手斧っていう道具と、石のノミ。まあ、ノミと斧はわかると思うんですけど、手斧っていうのは、斧で切った後に材木の表面を平らにしていくような作業に使う道具です。

〜完成にはすごく時間がかかると思うのですが、いつの完成予定になるんですか?
完成は2017年の秋ですね。来年の3月から森に入って木を切るところからスタートします。地域参加型なので、どなたでも参加できますので、たくさんの人と造っていくっていうことです。

〜なぜ縄文時代の道具を使って、縄文時代の住居を造ろうと思ったんですか?
電動工具を使っているときは、今のものづくりは命を縮めるなっていうことを常に感じてたんですよ。その本質的なところを突いている道具や建築が縄文だったんです。
以前は石の道具なんかなにもできないと思ってたんですよ。だけどある出会いがあって、石斧を作って実際に木に切り込みを入れた時に、もう本当に衝撃が走って鳥肌が立った。「これだ!」と思いました。一発の斧を入れただけでこれだなと。もう全てがそこにあったんですよ。何があったかと言うと技術的なものもそうだし、なんでもこれでできるなと思いましたね。
時間は確かに掛かるんですよ。だけどストレスゼロ。自然との一体感がものすごくあって、本当に縄文時代にタイムスリップしたような感じになります。


〜出来上がる予定の縄文時代の住居は広さはどのくらいなんですか?
広さは13.5畳、まあ14畳くらいですね。二階ロフト付きの建物なんです。

〜縄文人ってロフトを持ってたんですか?
そうですね。今までの縄文遺跡の建物っていうのは、大体学者が考えた建物がほとんどだったと思うんですよ。今回は大工である私が石斧を使ってやってきた経験をもとに、多分縄文人だったらこういう建築をしただろうっていうところを思いながら設計したんですよ。
遺跡にある縄文小屋に見たり入ったりしたときに、絶対この中に住みたくないよなっていう建物ばっかりなんですよ。ほとんどがジメジメした虫の住処になっているような、とてもじゃないけど絶対住みたくないっていう小屋ばっかりなんですよ。そうじゃなくて、「あ、いいな。ここで暮らしたいな。」「ここで一杯飲みたいな。」「ここで自然との恵みを共存共栄しながら暮らしていけるな。」と感じられる建物であるべきだなと思ってるんですよ。その思いをこれから実現してやっていくんですけどね。


〜完成したら一般の人も見ることができるんですね。
そうです。見ることもできるし、そこで火を焚いて泊まることもできる。本当に使っていくことに意味があるんですよ。建てて終わりだったら私はやりたくないなと思ったんです。家っていうのは人が住むためのもので、住んで初めていろんなことが見えてくる。発展もしていく、進歩もしていくんですね。ですので、真脇遺跡は建てた後に、どんどんいろんな形で利用しようと思っています。海が目の前にありますし、山もありますし、そういう海山の恵みをそこでいただきながらとか、また食べ物を作りながらとかいろんなことをそこでしていくっていうことですね。

〜縄文時代の竪穴式住居から現代の住居に活かせることって何かありますか?
縄文住居は冬は暖かくて夏涼しいんです。それに本物の火が使えるっていうとこですね。それが今の暮らしにはなくなっちゃってるんですよ。地熱っていう、一年変わらない温度の床面があって、立ち上がった土の壁があって、そこにあんまり高さのない居住空間があって、土の天井とか土の壁で覆っわれているので、火で暖めることができる。
夏は今風通しが良く、壁を開け閉めできる構造になっているので、南北に風が通るっていうことで、夏も冬も両方快適な家ができるんですよ。今の民家は夏は涼しいんですけど冬は寒いんですよ。それは開口部がどうしても薄っぺらい建具になっちゃったからなんですね。あれが縄文の時代はカヤをいくつも重ねて木の皮でサンドしてっていう、そういう壁なんですね。
冬はそれを閉めれば暖かい。北海道のアイヌの建物もそうなんですけども。それを夏は今度は開け放す。上に持ち上げて吊ってるような感じでね。開ければ風が通る。そうすると夏も冬も大丈夫なんです。


〜中で火が焚けたりとか、命を繋いでいく家っていうのがそこにあったっていう感じがしますね。
そうですね。生きることは食べることでね、その食べるものを得るために毎日祈るんですよね。明日たくさんきのこが採れますようにとかね。命掛かってますからね。今はそれをしなくても当たり前に三食食べられる時代ですけども、大きくそこで日々の人間の心の持ち方とか違ってきますよね。

雨宮国広さんのお話しいかがだったでしょうか。今回のお話しはポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!
真脇遺跡ウェブサイト→http://www.mawakiiseki.jp/

【番組内でのオンエア曲】
・Wrapped Up (feat. Travie McCoy) / Olly Murs
・狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン / レキシ

番組テーマ曲「ドロミティ・スプリング 」清水靖晃

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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