今回は私たちの身近な樹木の体調管理、健康維持をするお仕事・・・樹木医さんのお話です。
お話を伺ったのは、樹木医の後藤瑞穂さん。後藤さんは、元々熊本県出身で、熊本では女性第一号の樹木医さんです。女性の樹木医って少ないのだそうです。
現在は東京を拠点に、樹木医として全国を飛び回っています。

大きな樹木、古くからの森や林の診断・治療をしたり、樹木を保護する知識の普及・指導を行う専門家、樹木医。まずは後藤さんが、このお仕事を志したきっかけから伺いました。

◆樹木医の資格
私は元々造園のデザイナーで、造園設計の仕事を最初はしてたんですけれども、もっと良いデザインをするにはどうしたらいいのかなということを考えた時にインテリアや建築と違って造園の場合は樹木や植物という命を扱うそういうちょっと特殊なデザインであることに気が付きまして、と同時にちょうど子供ができた頃で未来へより良い緑環境を残していきたいという思いも強くなりまして樹木医の資格に挑戦しました。
勉強しなければいけない範囲はものすごく広いです。木はやはり外に生育してますから土壌を始め、気象、環境の知識も必要です。テストには天気図も出てくるんですよ。それからもちろん虫とか病虫害もそうです。そういうものを理解しておくことが大切です。


この樹木医という資格は、樹木の調査・研究、公園緑地の設計などのお仕事を7年以上経験した方が対象。試験を受け、研修や面接などを経て、認定されるもので、結構ハードルが高いんですね。平成26年現在で、国内で2400人ほどしかいないそうです。
そのお仕事は、巨樹、天然記念物に指定されているような地域の大切な樹木の診断治療。そして私たちの身近にある緑のケアです。

◆木を診る
まず樹木の外観診断というのをします。外観診断というのはその場所によってちょっと変わります。木は来てくれませんので私たち樹木医が全部往診でその場所にいきます。そして木の全体をまずよく見ます。
どのくらい枝が茂っているかとか、葉っぱは十分についてるかとか、色艶はどうかとか、外側の様子をよく観察します。あと幹の樹皮の色艶も大事です。あとは空洞があるかないかとか、虫の跡がついてないかとかそういうところをチェックします。
特に空洞が大きかったりとかすると生育にも影響が出ますし、倒れることもあるので危険です。やっぱり腐ってたりするとそれは折れやすくなったり倒れやすくなったりしますから、そういうものについては改めて精密診断というのを行います。
樹木の精密診断は外から見てはわからない木の中の腐れ具合を腐朽の度合いを調べる診断です。ただ外から見てもわからないものがたくさんあるんですね。内側が根の方から腐ってきていたりすると外から見てもわからないんですね。ぽっかり穴が開いているのはすぐわかるからいいんですけれども、そうでない樹木が突然倒れたりします。そういう危険度を予見するというのも私たち樹木医の大切な仕事です。
よく聞かれるのが「樹木医さん、木と話ができるんでしょ?」とか「聴診器持っていくんでしょ?」とかそういうこと聞かれるんですけれども、直接人の言葉で木はしゃべらないのと、聴診器を当てても残念ながら幹の中に流れる水の音は聞き取ることはできません。なぜなら、水の速さは一時間に30センチ程度しか上がらないのと、大変細い管を通りますので川の流れのような音は残念ながら聞き取れないんですね。ただ、聴診器を当てても何か音は聞こえます。それは枝がこすれる音だったり、他の別の物理的な要因で起きてる音だと思います。
私たちは木槌を持って診断に出かけます。主にその木槌で幹を叩いて内部に空洞がないかどうかなどを調べるのに使ってます。


聴診器じゃなくて木槌なんですね。最近の後藤さんのお仕事について伺いました。

◆梅の木の治療
去年ちょうど10ヶ月くらい前に梅の木の治療をしました。もう何年も花が咲かなくなってそれをなんとかしてください、というご依頼でした。
診断したところ、やっぱり移植後に少し枝を切り過ぎている。根も回復しきっていない。それと弱っていますから、虫が付きやすくなりますね。虫が付くと葉っぱが減ってしまってますます光合成ができなくなってしまって弱るという悪循環に陥ってしまいます。そういう梅の木だったんですけれども、それを治療しまして、今年見事に花が咲いたとお客様から喜びのお電話を頂きました。
まず切り過ぎないという、つまり引き算の治療というのもあるんですね。やたらにやり過ぎればいいっていうことはなくて、あえてそこは温存するっていうそういう選択をすることもあります。
まず枝がよく伸びるように地面に栄養剤を入れました。それと虫を退治するために薬剤散布を行いました。そうすることで木が自分の力を引き出して今度はどんどん健康になっていきますから、それを狙っての治療をやりました。
例えば虫だったら、アブラムシがついてたりとかすると葉が縮れてたりとか、あるいは穴が開いてたりとかすると羽虫が食べた後だとか、あとは葉が巻いてたりとかするとそれはもう葉巻虫だったり、そういうことで虫によって葉っぱへの被害がいろんな形がありますからそういうのは見逃さずに観察します。

なぜ枯れてるのかっていう犯人を捜さないといけないんですけれども、それは虫だったりあるいは台風だったりするかもしれないですし、あるいは農薬だったりすることもありますね。除草剤の散布が木に影響を及ぼしている場合もたまにあります。

樹木医 後藤瑞穂さんのお話いかがだったでしょうか。
後藤さんは本も出されています。様々な木々の写真と共に樹木医としてのお仕事、日々感じたことが綴られたエッセイです。ぜひチェックしてみてください。

「樹を診る女のつぶやき」熊本日日新聞情報文化センター

また、収録にもきれいな着物姿でいらっしゃった後藤さんは「樹木医みずほと巡る☆着物でお花見会」慈雲寺のイトザクラとワイナリーというお花見イベントも企画されているそうです。詳しくは後藤さんのブログをチェックしてください。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Mercy Mercy Me / Marvin Gaye
・Boon! / マイア・ヒラサワ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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