宮城県南三陸町でスタートしたバイオマス事業について数回にわたってお届けしてきましたが、きょうは同じく南三陸町から、林業のいまをお伝えします。
実は、南三陸には、「南三陸杉」という、かの、伊達政宗公もお墨付きの、質のよい杉が取れる地域として有名なんです。きょうは、その南三陸杉をめぐる、町の新たな動き、お伝えします。
この地域で林業を営む佐藤太一さんに里山を案内していただきながら、お話しをうかがいました。

◆南三陸の林業のいま
ここはうちの管理山林の一部なんですけど、「梨の木山」ってよんでいます。でもはえているのは梨ではなく南三陸杉です。南三陸杉は背が高く伸びる性質があって、山の中で一番高いのは52mなんですが、日本一の杉の高さって秋田の杉で54mっていうのがあるんです。それは樹齢300年くらいなんですが、うちのは樹齢120年でそのくらいの高さになるんです。そこからも南三陸杉はその高く伸びるっていうのがわかると思います。
高く伸びる理由としては、実はこの辺りは沿岸地域なので雪が少ないんですね。あと比較的東北の中でも暖かい地域なんです。だから海岸の方に行くと本来であればもうちょっと南の方で生えるタブの木が群生してるくらい暖かい地域なんです。ですから、ぐんぐん上に伸びて行く。
元々南三陸町は林業が盛んな地域で、きれいに手入れされている林は結構多いですね。ただ小さい山だったり、共同山といって色んな所有者が共同で持っているような山は、木材利用の需要が減ったせいで手が入らない山っていうのもやっぱりありますね。
実は昨年の10月にFSCという国際認証を取得したんですね。南三陸森林管理協議会という協議会を立ち上げまして、うちや町有林とか全部で4社集めて認証を取得したんです。震災があったことでやっぱり山が将来的に最終的には残る財産だっていうことに気付きました。さらに言うと山里海のがこの町の魅力でもあり、そのひとつでも欠けてしまえば、全部がコンディションが悪くなってしまう地域だっていうことに改めて気付かされて、そこで森林管理を国際基準に照らし合わせたらどうなのかっていうのを客観的な評価をして実際に取得できたという形なんですけ。
FSCは山林だけじゃなくそれを管理する方法も問われます。要はどういう背景で木材が出されているかわからないっていうことですよね。木をただ切って出すだけだとすごい簡単なんですよ。ただその代わりに色んな動植物にダメージを与える可能性があるわけなんですよ。土を崩すことによってそこにある川に土が流れて、農業をやってる方にご迷惑をかけるパターンがある。木を切ったままで木を植えないではげ山がどんどん増えて、そこから土砂崩れに繋がるような背景を持った木材が未だにまだ使われてるわけです。
そう考えると、ちゃんと生産の背景まで追えるトレサビリティがちゃんと保たれてるのかっていうことを確認しながらそういう建物を建てる。例えば新しく役場庁舎が建てられるんですけど、そこは町有林のFSC木材を使って建てようというプロジェクトを進めてまして、今実際に建設が始まっています。
そのようにFSCを使うことによって、建設そのものをプロジェクトの中に山側、生産者が入っているっていうのは今までありませんでした。ちゃんと生産者も責任を持って、どういう風に使ってください。そういう提案をする環境を整えたいというか、より消費者に近くなってるっていうのが今の状態ですね。


FSCとは、林業の盛んなドイツに本部のある「森林管理協議会」が、環境に配慮し、適切に管理された森を評価する制度です。このFSCを取得した森の木材は、ロゴマークをつけることができます。10の原則・56の項目の審査基準をクリアしないといけない大変厳しい審査を経て、取得するものなんです。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの関連施設では、FSCの認証を受けた木材が優先的に使われるそうで、新国立競技場には、南三陸の杉が使われる可能性が高いんだそうです。
しかも、町の努力次第では、FSC認証の森はどんどん範囲を広げることも可能。それを目指し、南三陸の林業関係者は継続して良い森作りを続けているそうです。
さらに、森・里・海のつながりを活かそうと取り組む南三陸では「海」に関するお墨付きも手にしているんです!

◆FSC認証とASC認証
実はあの南三陸そうですね、戸倉の牡蠣の漁協さんもASCっていう認証を取ったんです。海の養殖業に対する同じ理念の認証がASC、山側はFSCという認証で、実はこの同じ町内、同じ地域内にFSCとASCっていう国際認証が同時に存在するっていう街っていうのが多分世界で南三陸だけなんですよ。ASC自体も日本初ですし、FSCは宮城県初なんですけど、やっぱりこれが示すことっていうのは、南三陸が山と里と海が全部繋がって共存している。その特徴を今後ASCとのコラボ商品とかを作って南三陸の名の下で売り出せば、それが南三陸というブランドの物になっていくのかなと思うんです。ブランドって何かっていったら、「何を約束するか」なんですよ。南三陸町で約束することっていうのは、ちゃんと環境を配慮して生産する。さらにその資源を正しいやり方で使っていく町。それが南三陸町の約束すべきことなのかなって考えてますね。


今回のお話いかがだったでしょうか。来週も引き続き南三陸の林業の話題です。
どうぞお楽しみに!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Ragged Wood / Fleet Foxes
・Fleet Foxes / Awesome City Club

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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