今週も引き続き、地球全体をフィールドに撮影を続ける自然写真家・高砂淳二さんのインタビューです。
最新の写真集「LIGHT on LIFE」。この写真集では世界30国以上を旅して撮影した自然の姿が納められています。
80年代からずっと、世界各国の自然の中に身を置いてきた高砂さん。この番組の大きなテーマである「森」についても、様々な体験を語ってくれました。


ハワイ島にボルケーノ(火山)がありまして、その近くに雨林があるんですよね。そこもすごくいいですね。ヘゴっていう、大きなシダの一種がいっぱい生えていて、太古の昔に来たような、そういう景色が広がっているんです。それが溶岩の上に生えているんです。いまは結構観光客も行くようになったので有名になってきましたが、そこに溶岩チューブという、溶岩が流れたトンネルがあります。そのトンネルは出口も入り口も森のなかにあるんですが、トンネルから出たときの印象が「うわ、どこに来たんだろう!」みたいな感じです。すごく雨が多くて、霧で覆われているときも多いんですが、そうすると、どこからともなくついた水滴が、シダの一枚一枚の葉のさらに先の一本一本の先に垂れそうになっていたりして、ものすごい生命力を感じるんですね。
そんなのがあるかと思うと、たとえばヘゴの先から出てくる、葉の赤ちゃんみたいなものがあるんですが、その先を見ると、なんか人のお腹の中の、最初にできた赤ちゃんみたいな形をしていますよね。こういうのがあっちこっちのヘゴの先についていて、ここからどんどん伸びて葉が出ていく。みんな生命の始まりは同じような感じだな、ということも感じるし、それがまた周りが霧で覆われていて、なんだか生命の濃厚なスープみたいなところに入り込んでしまったという感じ、すごくいいですよね。


〜この番組で、以前に奄美大下の森の中にいるという、ケンムンとうい妖怪について取り上げたことがあります。多分、自然に対しての畏怖を込めてということがあると思うんですが、なんかそういう不思議な体験とかってありますか?
ハワイでもメネフネっていう小人の伝説があります。メネフネが夜中にみんなで集まって、堀がずっと続いた用水路みたいなものを一晩でつくったとか、いろんな伝説があるんですよね。
僕はハワイにずっと通ってますけど、いろんな夜の森も歩きました。最初は、夜に一人で歩くっていうのは、結構怖かったですよね。いちど、滝があって、カウアイ島の滝に行ったとき、そこに現地の子どもたちとかが下りていくような獣道があるという話を聞いて、現地の人に下り方を教えてもらって、実際に昼間に下りてみたんですよね。崖をロープで下りたり、うっそうとしたところを通って、やっと滝壺まで下りられる道です。それで、夜の風景を見てみたいと思って、昼間のうちに白いテープで下りるルートをつけておいて、夜にそこにひとりでいったんですよね。ロープをおりたり、鬱蒼としたところを通ったりして、やっとの思いで滝壺にたどり着いたわけです。やっぱりこんなしんどい思い、怖い思いをするんだったら来なきゃよかったなんて思いながら。それでやっと滝壺にたどり着いて、滝壺を見たら、滝のしぶきに月の光が当たって虹が出ていたんです!その素晴らしい風景が、なんだか待っててくれたみたいな感じがして、プレゼントをもらったように感じながら写真を撮りました。本当に涙が出そうになって帰ってきましたね。本当に「ありがとう!」っていう感じですね。


月の光でできる虹「ムーンボウ」とよんだりしますが、とても幻想的な風景ですよね。そして高砂さんに、この先、もし行けたらぜひ行くべき「森」、教えて頂きました。

やっぱりコスタリカかな。コスタリカは世界の動植物の5パーセントがいるらしいんです。コスタリカの面積は九州と四国を足した程度なので、ものすごい濃密ですよね。濃密な森には、やっぱり濃密な生態系とか、珍しい生き物とか、いろんなものが見れるし、しかもそれらが絡み合った関係性も見れる。コスタリカっていうところは自然をすごく大事にしていて、エコツーリズムも盛んだし、最近だと動物園も廃止になったんですね。動物園にいた動物たちを、施設をつくってそこで引き取って、自然に返せるものは返して、返せないものはそこで大事に一生面倒をみるということをやっているんですよね。だからなのかどうか、人間との関係が微妙に変わってきているみたいなんです。たとえば、森のなかにあったホテルにいったんですが、そうしうたらそこのレセプションの、人が働いてるすぐ横にちょっとした柱があって、その上に鳥が巣を作っていました。周りは森なのに、なんでわざわざこんなところに入り込んで巣を作るんだろうと思って、現地のガイドに聞いたら、森は天敵がいるから、人のそばだと安心だということがわかっていて、そこに作るんだそうです。ケツアールという、バードウォッチャーにはたまらない、火の鳥のモデルになった鳥がいるんですが、以前は見るのが大変だったそうです。でもいまは一羽、人が住んでいる家のすぐそばにいて、近くの木の穴に巣を作って、子どもを育てているんですよね。なんだこんな簡単に見れるんだって、びっくりしたんです。

〜人と動物の共存っていうのは、もしかしたらそういうことなのかなと思っちゃいますよね。
人が本当に変わると、自然との関係性っていうのも変わるんじゃないのかなっていうのは思ったりしますね。

高砂さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。


「LIGHT on LIFE」(小学館)

高砂淳二さんウェブサイト→http://junjitakasago.com/

【今週の番組内でのオンエア曲】
・My California / ハナレグミ
・Lost In This City / Michael Kaneko

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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