全国で地元の杉の木を見直そうと、様々な活動を続ける不思議な団体、「日本全国スギダラケ倶楽部」の話題を引き続きお届けします。
全国の杉の産地を訪ね、地元の方に話を聞いて現状を知り、さらに交流を深める。これが10年続く日本全国スギダラケ倶楽部の中心的な活動です。

この杉の産地訪問はツアーになっていて、参加者も募集しています。その結果、いまや全国のメンバー総数、およそ1800人。木材業者、デザイナーをはじめ、様々なジャンルの方々がボランティアで関わり、各地域を盛り上げるプロジェクトも生まれています。
さらにスギダラケ倶楽部は、年に一度、大きなイベントも開催しています。

◆杉というソウル
年に一回全国大会っていうのをやるんですよ。昨年は吉野でやりました。百数十名のメンバーが集まって、「こんなことやってるぜ!」とか活動の報告をするんです。とにかく楽しくて、メンバーの話がもう涙が出るくらいおかしくてたまらないんですよ。
それで、なんでこんな意味不明な集まりで、みんなこう大笑いして、自分のお金払ってまでこうやって集まるのかなあと考えてみると、「あ、これは親戚の集まりだ」と思いました。血はつながってないけど親戚なんです。共に同じ夢や希望を持ちながら、地域を一緒に豊かなものにしていきたいとか、自分たちの次の世代にきちんと橋を渡してあげたいって思う僕たちの気持ちなんでしょうね。
僕はそれを「杉というソウル」っていっているんですが、先祖から受け継いできたものを橋渡しするっていう繋がりそのものがスギダラの根底だったんだろうな、なんて最近はちょっと思ったりするんですよね。だからそういった意味では、「杉というソウル」を持ち合った親戚っていうような感じですかね。


そんなスギダラケな人たち。各地の杉の産地で、町おこしに関わるだけでなく都会に住む子どもたちへ向けた活動もしているんです。

◆杉を五感で感じる
どんどん木の生活を増やしていくことって重要ですね。特に僕が思うのは子どもの空間です。東京おもちゃ美術館という、年間12万人の来館者がある人気の美術館があるんですが、そこは廃校になった小学校の中に作られてるんです。そこの中に、赤ちゃんとお母さんの憩いの場を作ろうじゃないかっていうことで、理科室の床を厚い杉の木材のフローリングにして、赤ちゃん木育ひろばを作ったんです。
有馬晋平さんという造形作家がいまして、スギコダマっていうんですけど、大きなスギの塊で作った石ころのような、美しいつるつるのアートを作るんです。それを枯山水のようにトントントンって置いて、きわめて抽象的な木の空間を作ったんです。
だいたい子供の空間というのは怪我しないようにマットが敷いてあって、赤とか黄色とか青色の原色があって、大体その傍らでお父さんがふうっと疲れてるみたいなものが多い。しかし、子どもを放置する空間ではなく、お父さんもお母さんも子どもも楽しく豊かで癒されて、創造的で気持ちのいい空間にしようと思ったときに、なんか抽象的な空間の方がおもしろいなと思ったんです。
子どもから見れば木目は川のように見えたり、想像力を働かせればどうにでも見えるはずなので、それくらい謎めいた空間のほうがいいと思ってつくりました。とにかく評判が良くて、みんな裸足で遊んでいます。スリスリして、ベロベロ舐めて、とにかく体全体でその感覚を味わおうとするので、いまは子どものよだれと汗でピカピカに光ってるというような感じですね。本当に愛されています。やっぱりそういう空間なんですね、木の空間ていうのは。
僕たちは、子どもは子どもの空間、大人は大人の空間なんて思ったけど、それはここ50年のうちにちょっと変わっただけなんですね。元々は自然のものと一緒に、山と共に、木と共に生活していたので、子どもたちも大人たちも、自然のものがそこに存在すればすぐわかるんだなっていうことは思いましたね。


この東京おもちゃ美術館には、「コダマのプール」というのもあります。これは、小さな子ども向けのプールに、小さなスギコダマがたくさん入っていて、プールみたいに杉の木の中をごろごろしながら泳いで遊べちゃうものです。
杉を使ったモノに触れる。杉の床を裸足で歩く。時にはべろべろしちゃう。若杉さんは、そうやって杉を五感で感じることが、子どもだけでなく、私たちには必要だと話します。

◆柔らかくて、傷付きやすくて、あったかい
杉はまっすぐ育つと大きくなります。大きくなるっていうのは柔らかい証拠なんですよね。それが杉の魅力です。だから建築用の素材としては極めて優れた材料なのかもしれませんけれども、昔の小学校、中学校の学校の家具って全部スギでできてたんですよね。頑丈で、野太くて、彫刻等でみんなで掘ってたりなんかしてね。傷が付くっていうことを前提にしながらみんな使ってたんですよね。
杉は柔らかくて、あったかくて、いちばんポピュラーな素材だと思うんです。ですから床になんか使うと、冬でも割とあったかいんですよ。みなさんのお住まいの住宅で使われてるフローリング材っていうのは、合板の上に薄い板を張って、あるいはプラスチックのシートを貼って、傷が付かないようにさらにコーティングをしていますよね。傷は付きませんけれども、冬はひんやり冷たくて、硬くて痛い。でも子どものことを考えれば、傷ぐらいついたっていいじゃないですか。『柔らかくて、傷が付きやすくて、あったかい。』なんか人間のようなもんじゃないですか。工業製品のような人よりも、傷は付きやすいけれどもあったかいっていう方が人間らしくていいですよね。あとはそういう素材を僕たちが受け入れられる度量があるかどうかの話ですね。



日本全国スギダラケ倶楽部 の 若杉浩一さんのインタビューを3回にわたってお届けしましたがいかがだったでしょうか。
この日本全国スギダラケ倶楽部、入りたい!という方はウェブサイトで、随時会員を募集しています。 応募フォームから申し込めば、素敵な会員証が届くということです。
日本全国スギダラケ倶楽部WEBサイト→http://www.sugidara.jp/
そして、この日本全国スギダラケ倶楽部は、ウェブマガジンも発行しています。その名も「月刊杉」! なんと105号を突破、毎月 はじめに更新されています。 全国の杉産地に関する連載、杉に関する活動をはじめ、若杉さんの、ちょっと笑えるコラムもあります。ぜひチェックしてみてください。


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Have a Good Day! / のあのわ
・明日の風 / 山崎まさよし

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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