プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

先週に引き続き、巨石ハンター・須田郡司さんのお話です。
世界には、信仰の対象としての巨大な石が数多く存在していて、なかでも日本には、巨大な石は「磐座」、つまり、神様が下りてくる場所とする考え方がある・・・先週はそんなお話でしたが、今週は、そんな日本の巨石についてさらに詳しく伺います。


〜30年にわたって各地の巨石を写真に収めてこられて、2月に写真集「石の聲を聞け」を発表されましたね。
 これは私のこれまでの石巡礼の集大成的な本になっています。日本と世界、そして近年島根県出雲市に移住したんですが、出雲を最後に紹介している形になっています。

〜これまで、たくさん巨石を見てきた中でこれは圧倒的にすごかったというのは?
 たくさんありすぎて難しいんですが、日本の中で非常に感動したものを紹介したいと思います。東北宮城県の石巻に、釣石神社というのがあります。山のところに大きな石が釣られているように見えて、落ちそうで落ちないんですね。落ちそうで落ちない。東日本大震災でも被害はあったんですが、石自体は動かなかったですね。今は復興のシンボルみたいな感じになっている。今は受験の信仰もあって、三が日にはたくさんの受験生の親御さんが来たりお参りに来たりするという非常に面白い場所です。今は東北の被災地の復興のシンボルになっている場所なんですね。

〜須田さんはパワースポット、聖地巡礼をしていて、そこに岩があることが気づいたとおっしゃってましたが、パワースポットに行っていると何か感じるものはありますか?
 私は石は「医師」ではないかと思うんですね。石に触れたりすると自分が癒される体験が何度もあるんですね。世界中の人も、こういう力があってなんとなく惹かれていったじゃないかなと想像しています。奄美大島に行った時にある方に、猪が必ず寄り付く石があると言う話を聞きました。猪が体が弱ってくると、この石に体を擦り付けているらしいですね。何そこにイノシシの毛がいっぱい落ちているんだそうです。それは人間ももしかしたら何か弱ってくると、自分の気に入った石にいると癒されて元気が再生していたんじゃないかなみたいな、そんなことを想像しているんですね。

〜須田さんは磐座学会という学会にも入っているそうですね。
 これはできて13年位の新しい団体ですが、磐座という言葉自体が忘れさられつつあるんですね。これを国際用語、iwakuraみたいに世界的にも聖なる石というようなことを広げようという思いもあります。また、この磐座学会の主なメンバーは建築家だったりするのですが、石の配置を研究して、これは天体観測に使っている道具ではないかとか、そういう視点の方が多いですね。私は自然信仰とか、文化的な視点の方で興味を持ってずっとやっています。例えば天体観測の装置としてストーンヘンジみたいなものが日本にもあるのではないかと。冬至、夏至、春分、秋分の時に決まってそこに光が入るとかですね、そういう場所もいくつかあるんですね。そういうものを科学的に研究しようという人が磐座学会には多いですね。団体としては100数十人の小さい団体ですが、年に1回磐座サミットをしたり、磐座ツアーみたいなことをしたりそういう活動をしています。

〜冬至や夏至に日が昇る、日が入る場所があるんですか?
 有名なところは伊勢の夫婦岩。伊勢。あれは夏至の日にちょうど海から登りますよね。福岡の二見岩は夏至の日に日が沈む。ですから、飛行機で福岡へ飛べば、一日で両方見れるんですね。

〜写真集を拝見するとすごく神秘的な写真だったり、森の中できれいだなと思うんですが、撮影している方としては苦労もありますよね。
 蚊や蜂、熊も出ますし、あとはマムシが多いです。結構巨石にはマムシが近くにいっぱいいるんですね、住処になっているところも多いので。巨石ハンティングには冬が一番いいですね。でも雪があるところはあまりいけませんが。行く時はきっちり音を出して熊よけとか、完全防具して行っていますね。

〜そんなご苦労も詰まった「石の聲を聴け」という写真集ですが、この写真集を見てくださる方はどんなことを感じて欲しいと思いますか?
 私が見てきた30年位の中のほんの一部ですが、石を通してもっともっと石に興味を持っていただいて、実際に石の旅をしてほしいですね。身近にある石と出会って欲しいなと思いますね。そしてそれぞれが石と向き合って、石の声を皆さんで感じてあげたらいいなと思いますね。

須田郡司さんのお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聴きください!


須田郡司写真集『石の聲を聴け』方丈堂出版

【今週の番組内でのオンエア曲】
・You should be sad / Halsey
・Highway Don't Care- (featuring Taylor Swift/Keith Urban) / Tim McGraw
今週の話題は、森でも海でも川でもありません。
自然が作り出したモノ・・・という意味では同じなのですが、どんな自然物よりも、歴史が長くて、ずーーーっと昔からそこにあるもの。

それは「岩」です。巨石ハンター」という肩書で、世界中の巨大な岩を撮影し続けるカメラマン須田郡司さんをゲストにお迎えして、ぜ「巨石」を追いかけるのか、石の魅力についてお話を伺います!


 私は石の声が聞こえるんですね。というとちょっと変かもしれませんけれども(笑)。ただ、なにか石というのは人間に限らず、何かメッセージを発しているような気がするんですね。石というのは無機質といわれていて、植物とか木は生きてるというイメージがありますよね。でも、石はなにか、生きていないようなイメージがあるんですけど、私は人間とか植物と違って、すごいゆっくりしたスパンで呼吸していると感じるんですね。それで、石を見ると思わず触ってみたくなって、石の鼓動というか、石の声を聞きたいという思いでVOICE OF STONEというプロジェクトを立ち上げました。そして日本中、世界中の巨石を撮影に出かけて旅をしています。

〜考えてみれば、すごく大きい石がそこにあったとして、自分より遥かに先輩というか、もう何千年も前からそこにいて、その景色を見ているんですよね。、、
 まさに地球が生まれた当初から石はあると思うんですね。ですから、何億年も前からあって、石から水が生まれたといいますし、それから生物が出てきたということを思うと、やはり石というのはあらゆる生物の源みたいな、そんな印象がありますよね。

〜いままでに巨石はどれくらい撮影されてきたんでしょうか。
 日本ですと1500ヶ所くらいは行っていますし、世界では200ヶ所くらいでしょうか。”ハンター”というのは狩人という意味がありますけれども、あとなにか物事を探求するという意味もあるんですね。私は人と関わる大きな石というものをテーマに撮影していますが、それに加え、そこにどんな文化があったり、どんな信仰があったりするのかということも探求したいなという思いで、”巨石ハンター”というネーミングを付けています。

〜あまり普段意識したことないですけれど、人と石の関わりってあるんですか?
 たとえば、お墓ってだいたい石が多いですよね。そして、古い時代、例えばヨーロッパのドルメンとか、ストーンサークル。これは今から4000年くらい前につくられていた巨石遺構なんですけど、たとえば朝鮮半島、韓国には、コインドルというドルメンがあります。ドルメンというのは、2つ以上の石の上にテーブル状の石をのせているものドルメンといいますが、古代の人はそういう大きな石を使ってお墓をつくる。それが割と世界的にも多い現象だったんですね。ですから、お墓イコール石というのは、もともと世界中に共通した石の最初の利用の仕方だと思うんですね。
 日本で言えば古墳ですよね。古墳の石室もだいたい大きな石を使っています。特に日本の場合は、磐座(いわくら)って聞いたことありますかね?磐座信仰というのは、古事記、日本書紀とかにも出てくる言葉なんですけれども、自然そのものの石を利用したものと人工的なもの、色んなパターンがあるんですけれども、石そのものに信仰の永遠性、普遍性みたいなものを感じたり、たぶんそういうものから石への信仰というものが生まれたんではないかと思うんですね。


〜日本庭園にも石がたくさんあったりしますよね。
 日本庭園も私はすごく興味があります。大事な聖なる石って山にあることが多いんですよ。そういうものを身近に持ってきたのが日本の石庭文化ではないかと感じているんですけどね。

〜巨石ハンターになりたいと思ったきっかけってありますか?
 学生時代に沖縄の大学に行ってまして、沖縄ではウタキと呼ばれている場所がいっぱいあるんです。ウタキの中でも斎場御嶽(せーふぁうたき)という、いま世界遺産にもなっているところがあります。隆起石灰岩が高さ10mくらいの大きな岩があって、ちょうど三角状んになっていまして、そこを超えると神の島、久高島を遥拝できる。かつて琉球王府時代の最も聖なる場所とよばれているウタキがあるんですね。ウタキというのは地元のいろんな方が拝んだりする聖地なんですね。ほとんど石なんですね。石と森。木と石が一体になっている。岡本太郎さんが沖縄に来て、そこを見たときに、なにか目に見えないものがぎっしりあると。そういうことが文章にかいてあるんですね。私もそこに行くとゾクゾクするんです。何かわからないけど、体が変容していく自分がいて、聖地というものに惹かれて、やがて自分のライフワークとして聖地巡礼みたいなことをしていました。で、聖地にいると、なぜか大きな石と出会うんですね。聖地に行けば石と出会うということに気づいて、やはり信仰の元は石だなと。それでだんだん巨石というものに焦点を当てて、巨石ハンターという道を歩くようになったというのが今の私なんですね。

〜島根県の出雲にいったときに、山の奥に大きい岩があって、そこにしめ縄がされていて、地元の方の信仰の場所になっていたんですが、日本ってそういう場所も多いですよね。
 日本は非常に多いと思います。磐座とか石上とかいいますけど、出雲の場合は石上さんという言い方をするんですね。やはりそこに神様が降臨するというか、スサノオノミコトが降臨した岩とか、そういう伝承がたくさん残っているんですよね。私は出身は群馬県なんですけど、出雲に移住して7年なんです。本当に島根県って石上さんだらけなんですよね。そういうものを地域ごとの巨石マップというのをつくってまして、いま3つ作ったんですけど。ことしは隠岐の国のマップを作ろうと今計画しています。

〜隠岐の島にもたくさんあるんですね。
 はい。出雲大社の裏に大きな石があるのを知ってますか?出雲大社の真裏に素鵞社(そがのやしろ)いう小さい社にはお参りされましたか?そこは最近パワースポットとして非常に人気があります。素鵞社といって、スサノオノミコトを祀っている小さい社があるんです。その裏に大きな岩盤があります。実際地元の方はそこにお参りするんですね。で、岩に触ったりもするんですけど、そこは歯が痛い人が来ると歯がなおるとかね、もう全国からパワースポットとして注目されているんです。

〜海外でも同じようなことはありますか?
 たとえばオーストラリアのアボリジニという先住民が、有名なエアーズロック、地元ではウルルといいますが、これもやっぱり信仰の、巨大な岩山です。彼らは岩そのものを信仰の対象にしていますよね。

須田郡司さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。


須田郡司写真集『石の聲を聴け』方丈堂出版

【今週の番組内でのオンエア曲】
・NEW ERA / Nulbarich
・Closer (feat. Halsey) / The Chainsmokers
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高橋万里恵
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