プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


さて、今週からは自然の中で「アート」を満喫できる、大きなイベントのレポートです。そのイベントとは、宮城県石巻市を中心に現在開催中のリボーンアート・フェスティバル2019。
音楽プロデューサー・小林武史さんを中心に、たくさんの芸術家の方々、そして地元の人たちが一体となって作り上げた東北発の芸術祭です。現在開催中。9月29日までおよそ2ヶ月に渡って開催されています。場所は宮城県石巻市市街地をはじめ、牡鹿半島、女川、東松島、松島、塩釜など。7つのエリアに分けられています。
小林武史さんを含むキュレーター7組が、それぞれのエリアでアーティストたちとともに作品を展開。しています。
今回は、そんなリボーンアート・フェスティバルをめぐるプレスツアーに参加。まずは石巻の駅前エリアからスタートしました。

■石巻駅前エリアのキュレーター 思想家、人類学者の中沢新一さんのお話

 この駅前エリアは、シンガポール在住のアーティスト、ザイ・クーニンさんの作品を中心としたアート展示しています。タイトルは「海に開く」ということです。復興はハードの面では進みましたが、心の中というか、ソフトの面の復興はまだまだ取り残されている感じがします。
 石巻はもともと海に向かって開かれていたところですので、もう一度、心の深いところから海に向かって開いていく。そこからいろんな元気や希望が湧いてくるような作品が欲しいと思いました。
 ザイさんはシンガポールの現代アーティストですが、ご自身がインドネシアやマレーシアの海の民と深い精神性でつながっているシャーマンだと考えている方ですね。ここは観慶丸という建物ですけれども、ここにザイさんが作った作品は1600個位の茶碗の中に水をたたえて、そこに目が浮かび上がってくるという作品です。茶碗というのは、人々の生活の一番日常的なもので、ご飯を食べる時にも水を飲む時にもお茶碗が必要です。その日常的なものが津波によって流されてしまって、この街には沢山の茶碗が、持ち主もわからないものも含めて溢れかえってしまいました。この茶碗をもう一度集めたいということで、街の人に協力を仰いで茶碗を集めることにしました。茶碗の中に入れられている水は、人間の心の中のことを言わんとしているんじゃないかと僕は感じていますね。そこから目が見ている。ザイさんの言葉を借りれば「HOPE」ということです。石巻の希望を表しているという表現になっていると思います。




そしてわたしたちツアー一行は、石巻市街地を出て東へ。牡鹿半島の付け根にある、音楽プロデューサー・小林武史さんがキュレーターを務めるエリア、桃浦エリアへと向かいました。

■桃浦エリアのキュレーターをつとめる音楽プロデューサー・小林武史さん

 うしろを見て分かると思いますが、防潮堤がずらっと並んでいるあのあたりを散策しておりました。その時に八大竜王という石碑があって、水神様なんですけど、航海の安全や大漁祈願の石碑が防潮堤の前にあって、普通はそれを悲しいように思うのかもしれないけど、エネルギーを反射しているのがすごく面白いなと思いました。防潮堤で囲われているエリアをリビングスペースのように見立てて、いろんな人がいろんなものを持ち込み、おじいちゃんやおばあちゃんや孫、寅さんのような旅人が旅の土産として持ち込むようなものがそれぞれ化学反応起こすような、茶の間のようにごちゃまぜなんだけども、それぞれが反応しあう宇宙感のようなものができないだろうかということでリビングスペースということになったわけです。


防潮堤の手前には草間彌生のアートが、そして海辺には櫓の上に水神様!

ちなみにリボーンアートという言葉。名付けたのは中沢新一さん。”人が生きるすべを取り戻す”といったニュアンスです。そして今回の全体のテーマは「いのちのてざわり」です。
「いのちのてざわり」ってどんなことだろう。そんなことを考えつつ、桃浦のアート展示がされている、旧荻浜小学校の旧校舎を利用したスペースへ、足を踏み入れました。

■桃浦エリアで展示しているアーティスト中崎透さん

ここは、昼のタイトルは「ピーチビーチサマースクール」ということで、荻浜小学校、桃浦地区に縁のある5名の方に、2時間くらいのインタビューをとらせていただいて、インタビューから抜粋した言葉が会場にちりばめられています。そのエピソードと、この学校の備品だったり、奥の資料室にある資料などをエピソードと合わせて配列し、物語のような形で回れる形式になっています。(中崎透さん)

 「いのちのてざわり」と僕は言っていたんだけど、ここは「いのちの手がかり」というようなものが、いっぱいヒアリングしたことで出てきて、それをたどって何かを感じてもらおうという意味では、すごく、ここは手がかりがわかりやすい、強いものだなと思っています。時間があったら”手がかり”をちゃんと読んでみていって欲しいです。(小林武史さん)




今回のお話、いかがだったでしょうか。ぜひリボーンアート・フェスティバル2019をチェックしてみてください!
https://www.reborn-art-fes.jp/

【番組内でのオンエア曲】
・ラー / 水曜日のカンパネラ
・言ノ葉 / 秦基博

きょうは「鎮守の森のプロジェクト」の活動レポートです。
各地で続く植樹祭、いろいろお伝えしていますが、今回の植樹地は、岩手県・山田町です。植樹会場は、船越半島という海にポコンと飛び出た半島の「田の浜地区」。こちらにおよそ400人のボランティアの方があつまりまして、中には、北海道、大阪から来たという方、そして東京の大学生も大勢参加していました。いつも植樹の指導をされている西野文貴先生ももちろんいらっしゃいました。

〜西野先生、この苗木は何ですか?
 ケヤキですね。これは大きくなると25メートルから30メートルくらいになるんです。表参道にもケヤキ並木がありますね。ケヤキはニレ科の植物です。ニレ科は面白い特徴があって、葉の根元の部分が左右非対称になるんですね。ケヤキは落葉広葉樹といって冬に葉を落とすタイプなんですが、今は細い感じがしますが伸びるのがすごく早いです。

〜前回岩沼で植樹をしたときに新たにムラサキシキブを植える木に加えるという新しい取り組みがありましたが、今回はなにかありますか?
 今まで植えてきた木々の高さは、2年生から3年生の70センチ前後の同じ高さの木が多かったんですが、今回はもう1年歳を重ねた木を植えているんですね。樹種の多様性に加えて、高さの多様性を作ってみようということです。そうすれば早く相乗効果で大きくなったり、外圧に耐えられるのではないかということを試験的に始めました。ですので、これは追ってモニタリングをしていきます。この方式は、僕の提案で入ったんですけれども、どこからヒントを得たかというと明治神宮です。明治神宮の森は10万本の献木と1万人のボランティアでできたのですが、規格がなかったので、バラバラの木が入りました。明治神宮の森は当初の予想より早く成長しているのですが、その秘密はいろんな樹種を入れたのもありますが、高さが違うこともあったんじゃないかなと思ったんですね。



この山田町・田の浜の植樹会場は、海から、なだらかな勾配を200mほど登ったところにあります。そこからさらに登ると200世帯の住宅地。この住宅地で暮らす人達の命を守るための森作り・・・ということになるわけですね。ちなみにこの植樹地は「防災緑地公園」の一部という位置づけなのだそう。山田町・佐藤 信逸町長にお話しを伺いました。

■山田町・佐藤 信逸町長のお話
 前回は3000本、今年は4000本の植樹をします。私も去年植樹をしてどのぐらい根付くのかと半信半疑だったのですが、事務局長の日川さんに聞くと、9割以上がしっかり根付いているということで、素晴らしい森になっていただければと思いますね。
 ここから見えるようにあそこに堤防があります。山田湾の内海の堤防は9.7メートル。ここは12.7メートル。外洋に直接面していると言うことで堤防も高くなっております。もし東日本大震災の津波のようなものがあった場合に、越水してもここで防災緑地公園としてしっかり津波の力を減衰する。そういうような防災の機能も持った公園として、皆様方に愛される、くつろげる公園になったらいいと思っています。そしてまた植樹した木が、あの時植えた木ですよという話題になれる公園になればいいと思っております。


ということで、勾配を登った高台にある植樹地からは、キレイな海が見下ろせるのですが、防潮堤がまさに建設中。これが完成すると、ここからは海が見ずらくなるのかも・・・。
それでも!このあたりにはまだまだ、地元の人達がずっと大切にしてきた宝物のような自然がたくさんあります。地元の参加者の方の声です。


東日本大震災のときは、私の家も神棚まで水上がってしまいました。二度とこういうことのないようにと思って植える防潮林なので、みんなで散策できる夢の森にしたいですよね。成長してみんなで楽しめるような森に育ったらいいなと思います。大切にしていきたいですね。(山屋フジさん)
カブトムシがいる森になったら嬉しいです(千崎輝夢くん)


 高速道路も岩手県を通りましたし。防潮堤も見た通りほとんど完成してきていますし、国とか県とか街がやる仕事はほぼ予定通りされていると思います。あと大事なのは我々、地域の人間ができる事。木を育てたり、仲間を育てたり、子どもを育てたり、お年寄りを大事にしたりということで、初めて物と心がひとつになると思うのです。そういう意味で山田町は心の部分を今やっている最中です。まだまだ時間がかかると思いますけれども、木を植えながら、自分たちの人生に必ずプラスになると思うので、特に若い人たちにはたくさん参加してほしいと思います。いずれ自然自身が大きく立派になって、人をずっと見守ってくれるものになると思うので、母なる大地、自然って力強いし大事だしありがたいなと思いますね。(宮古ヤクルト販売社長寺崎勉さん)

今回の植樹の模様はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・未来のミュージアム / Perfume
・Blackbird / Raul Midon
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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