今週は、日本から1万キロ離れた、インド洋の島国・モーリシャスで起きた貨物船の座礁事故のその後についてお伝えします。
モーリシャスはインド洋といっても、位置としてはアフリカの近くにあり、島の大きさは1980平方キロメートル。東京都とほぼ同じ大きさです。「インド洋の貴婦人」と呼ばれる、美しい海と白い砂浜。そして豊かな生態系を持つ島国です。ただ、そのモーリシャスがとても心配な状況になってしまいました。
あの事故によって、船の燃料・重油が海へ流れ出し、深刻な環境汚染が懸念されています。この問題、気になっている方も多いと思います。
そこで今日は、この事故を受けて、国際緊急援助隊として現地調査を行った国立環境研究所 生物・生態系環境研究センターの山野博哉センター長にお話を伺います。


〜山野さんは、8月下旬に現地へ行かれたということですが、重油流出の現場をご覧になって、率直にどんな印象をお持ちになりましたか。
私が到着した時にはすでに船からの重油の流出は止まっていまして、海の上からも重油は回収されている状況でした。ただ、マングローブ林の中は人も入りにくいのでそこには残っていたり、マングローブの根っこにくっついていたりしていました。沖合にわかしお(座礁事故を起こした貨物船)が座礁しているのが大きく見えていまして、やはり全体的にはちょっと異様な雰囲気と言いますか、やはり重油が出て大変になったんだなというのを想像させられるようなそんな光景でした。

〜山野さんは現地に行かれて、具体的にどんな調査をされたんでしょうか。
私は生態系の調査で参りまして、一つはサンゴ礁の状態の確認で、もう一つはマングローブ林の状態の確認です。私は主にサンゴの方をやってたんですけれども、サンゴ礁にボートで連れて行ってもらって、そこでがシュノーケリングをして実際に海の中に入ってサンゴの状態を確認しました。

〜実際にご覧になってサンゴの状態はいかがでしたか。
サンゴ自体は重油がかぶって死んでいるということは全然なくて、海底にも重油が溜まっているとかそう言ったことはありませんでした。サンゴは全体的には生きていました。ただ結構濁りが酷くてですね、どうも座礁したわかしおが波で揺られて、打ち上がったところのサンゴ礁を削って、それが細かい粒子を発生させて濁りを強めているようでした。それが流れてきて、全体的に特にわかしおに近いところでは水が濁った状況でした。濁ってしまうと光が届かなくなるんですね。サンゴは体の中に褐虫藻という藻類を共生させていて、それが光合成をして、その光合成で作ったものをもらって生きているんです。けれども光が届かなくなってしまうと、その光合成がうまくいかなくなってしまうんです。それから、細かい粒子がサンゴに溜まってしまうと、サンゴが窒息したり、あるいは窒息しないように粘液を出してそれを取り除こうとするんです。それが日々繰り返されてしまうと、やっぱりサンゴが弱って長期的にストレスになって死んでしまう。そういった二つの影響があると思います。わかしおがそこにある限りはずっと濁りが発生し続けるんですね。ですので、やっぱり根本的にはわかしおをなんとかしないといけないんですが、その前にやれることがあるとすれば、汚濁防止幕という、海の中にカーテンをかけて、それで濁りを遮断するようなやり方があるんです。それが設置できれば軽減されるかもしれないですね。ただそれは流れがあったり波があったりして結構難しいので、それは技術的な検討がもっと必要だと思います。

〜わかしおは撤去される見通しはでているんでしょうか。
それがまだ分からないんですね。また、全部を撤去できずに一部が残ったりする可能性もあります。今後撤去進めていく際にも、へたに動かしてしまうとさらに細かい粒子が舞ってしまうともあり得ますので、工事は十分注意をして行って頂きたいなと思っています。

〜よくサンゴについては世界的にも温暖化の影響で白化現象ということがよく言われていたりしますが、事故の前のモーリシャスのサンゴの状態というのはどうだったんでしょうか。
場所によるんですけれども、私が見た16ヶ所のうちの10ヶ所ぐらいではサンゴの状態はあまり良くありませんでした。それは今回の重油流出で死んだのではなく、2016年と2019年に水温が上がって白化現象が起ったんですが、それによって結構死んでしまったということなんです。今回の事故で濁り発生しているところは、よりによってと言いますか、ちょうど白化現象を免れたサンゴが生きている場所だったんですね。そういう意味でも今回の座礁事故とその後の濁りがをすごく心配しています。

〜日本なんかでは9月、10月も台風のシーズンと言われますが、台風が来ると海水が撹拌されてサンゴがいる場所の水温が下がるとも聞きます。モーリシャスでもそういう事が起きる可能性はありますか。
サイクロンと呼ばれますが、モーリシャスの辺りは結構台風が来ますね。今回の場合も、漂着した油を取り去ってくれるんじゃないかと期待はされています。あともちろん水温も下がりますし、潮通しも良くなりますので、サンゴにとっては台風で破壊されることもありますが、全体的にいいのかもしれないですね。それはどれくらい発生したかとか、全体的な水温がどれくらいかによっても変わるんですけれども、サンゴにとって良い効果をもたらす可能性はもちろんありますね。ただ今回の濁度まで取り去ってくれるかというと、やはりそこはわかしおがある限り濁度は発生しますので、濁度に関してはそんなに効果はないのかもしれませんね。ひょっとしたら波がすごくだって、濁度を余計に発生させてしまう可能性もありますね。そこもまさに今後モニタリングして、どういったことが起こるかというのをちゃんと見ていかないといけないと思っています。


今回のお話、いかがだったでしょうか。国立環境研究所 生物・生態系環境研究センターの山野博哉センター長の今回のお話は、ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、そちらもぜひお聞きください。

【番組内でのオンエア曲】
・Falling for You (feat. Justin Bieber) / Jaden
・Somewhere Only We Know / Keane
今週も引き続き、水中写真家・中村征夫さんのインタビューです。
世界各地の海だけでなく、湖や沼をはじめ、地球上のいろんな水の中にもぐり、シャッターを切り続けている中村さん。
実は、一般人はけして潜ることのできない、特別な場所にも潜っているんです。
ということできょうは、誰もその水の中の様子を知らない神秘の沼福島県裏磐梯にある「五色沼」のお話です。


五色沼は磐梯朝日国立公園の中にあるので勝手に潜ったり、枝1本折っちゃいけないんです。ですからここは誰も潜ったことがないので、沼の底がどうなっているのかきちんと残しておかなきゃいけないんじゃないかなと思ったんです。水が将来干上がってなくなる可能性もあるし、現実になくなった沼もあります。それを残しておくことが大事じゃないかなということで、当時の環境庁と掛け合って、なんとか潜らせてもらうことになりました。これまで30〜40回位は潜っています。五色沼といっても本当は100以上あるんです。ただそれを総称して五色沼と言っているんだけれども、探勝路があって、そこをめぐると右に左に有名な沼が見えてきて、それを五色沼と言っているんですが本当はいっぱいあるんです。噴火でせき止められできたのでたくさんあるはずなんですよ。


〜今日は写真を持ってきてもらっていますが、幻想的ですよね。
こういう世界を見たことないですね。沼ごとに成り立ちが違うものですから、火山性の鉱物が沸き上がってきているかどうかで全然色が違うんですね。五色沼といわれる沼の中でも、魚が住めるのは2つか3つぐらいしかないんじゃないですかね。硫黄などの火山性の物質が湧き上がっているからほとんどの魚が住めないんです。その中に潜っているわけなんですが、素潜りで撮影しますので、ゴクリと飲んじゃうことがある。水からあがるとひゅーひゅーと声が出ないことがあります。
 最初に顔をつけたのがるり沼という沼でした。有名な沼でとってもきれいなんですが、この沼に最初に入って泳いだ時に、僕はもぐれる人間で本当に幸せものだと思いました。ものすごく大きなサイズのマリモのような、ウカミガマゴケというコケの一緒なんですが、それがつながってお茶畑のようになっているんですよ。水の透明度が良いし視界も抜けていて、何だこの世界は!と思いました。。魚は1匹もいない。沼の底を見たら何か湧き上がっているんです。これケイ酸アルミニウムが湧き上がっているんです。これが沼の神秘の色の元なんです。これに光が反射して瑠璃色に見えているんですね。
 五色沼の現地のガイドさんがいつも僕らを案内してくれたんだけれども、その方も1度も覗いたことがないから「見てみたい!」と。僕は許可を得ているので、一緒にもぐれば大丈夫ということでウェットスーツ着てもらって、みどろ沼という所に潜って見たら感動していました。その景色もまた不思議な沼なんですよ。上から見ると、手前が黄緑色で向こうが青い沼なんですね。手前は全く見えない状態なんですが、上だけでつながっているんです。そこに芦とかが生えているいるんですね。その下あたりからケイ酸アルミニウムが湧き上がっている。だから手前には魚がいないが向こうには魚がいるんです。なぜこんなに黄緑色なのかというとケイ酸アルミニウムに植物プランクトンが混じり合うとこういう色になるんです。濃い緑色になるんです。それで水の綺麗なほうに近づいていったら、植物に鉄分の粒子が覆いかぶさっている。全体に赤っぽい写真になるんですよ。
 いま五色沼の陸上をしっかり撮影しているんですよ。まもなく撮影に行くんですけれども、陸上をしっかり撮ってまとめたいと思っています。


〜すごい、水面が揺れているから紅葉も揺れて、青空も揺れています。子どもの頃やったマーブリングを思い出します。ラジオだから全部伝えるのが難しいので、見たい方は写真展が開催中です。五色沼に関する写真展を9月4日から30日まで、裏磐梯高原ホテルで開催中です。気になる方はぜひ足を運んでみてください!詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

写真家中村征夫公式ページ –https://squall.co.jp/


「中村征夫の写真絵本『サンゴと生きる』写真・文/中村征夫 監修/茅根創」

【番組内でのオンエア曲】
・LOST IN THIS CITY / Michael Kaneko
・Sunday Candy / Donnie Trumpet & the Social Experiment
今週も先週に引き続き、水中写真家・中村征夫さんのインタビューです。
中村さんが沖縄・慶良間諸島で撮影したサンゴの知られざる生態、そして環境問題を、写真絵本という形でまとめた新刊「中村征夫の写真絵本 サンゴと生きる」。

サンゴに住み着く小さなカニを主人公にして、お子さんにもわかりやすく伝えてくれている本なんです!
この中には、中村さんが「初めて撮影に成功した」という貴重なシーンが入っています。それはなにかというと・・・「サンゴの喧嘩シーン」。
ういうことなんでしょうか。

サンゴは石のように動かないと思うじゃないですか。確かにじっと見ていてもほとんど動かないです。でも夜になるともう一つの顔があるんです。サンゴには成長の早いサンゴと遅いサンゴがいます。テーブルサンゴとか枝サンゴ、きれいですよね。テーブルサンゴは、これから海に行った時によく上から見てみてください。喧嘩の跡がはっきり分かります。丸いテーブルサンゴは1メートル、2メートル、3メートルくらいになりますが、その端ががえぐれている。そこの下には必ず成長の遅いサンゴがあります。これは成長が遅くて1年間に2ミリしか伸びない。テーブルサンゴは1年間で10センチぐらい伸びますから、どんどん成長していくと下にいたサンゴの上を覆ってしまいます。そうすると光合成ができなくて、死んでしまうんです。それで口喧嘩が始まるんです。「こっちに来るなよ」「俺、太陽の光を受けないと死んじゃうじゃないか」「そんなこと言ったって僕ももっと大きくなりたいから」と。そして「そっちがその気ならこっちにも手があるぞ」と言って、3週間から1ヶ月ぐらいかけて長いスリーパー触手という毒の触手を作るんです。普通は数ミリくらいしかないのに、それは17センチ伸びる。長いストローみたいなものです。それが漂うんだけども先っちょがふくれていて、それで相手のサンゴに当てて組織を溶かしてしまうんです。あるいは自分の体内から組織を出して、白い糸のように激しく動かしてサンゴの上に覆い被さるようにして、相手の組織を全部溶かしていく。そういう喧嘩が夜は行われているんです。

〜成長が遅い方負けるわけじゃないんですね。喧嘩をしていると知って潜るとまた面白いですね。
知ってる見方が全然変わるから楽しくなっちゃうと思いますね。オニヒトデがサンゴを食べるじゃないですか。オニヒトデって悪いものというイメージを皆さんがもっていますが、針は猛毒を持っているので確かに怖いんです。大きいオニヒトデは40、50センチありますよ。あれが足の踏み場もないくらい出てくるんだから怖いですよ。でも昔はほとんど見かけることがなかったんです。太陽の光が大嫌いで、岩の奥のほうに隠れていたんです。だから沖縄の復帰前は見ることがなかった。でもきっといたんですね。沖縄が日本に戻ってきて、観光地なのでリゾートができました。道路ができて乱開発が始まったので、土砂が全部海に流れてしまって、いまだに雨が降ると海が土砂で赤く染まっちゃうんです。生きているサンゴの上に土砂が降り注いでしまったので、呼吸困難でサンゴが死んでしまったんです。沖縄が復帰してから9%くらい沖縄本島のサンゴは死んだそうです。実はオニヒトデでは毎年30〜50万くらいの卵を産むんだけれども、それはサンゴの餌だったんですよ。それでバランスが保たれていた。ところが乱開発が始まったからサンゴが激減してしまったので、ほとんどのオニヒトデの赤ちゃんが成長できるようになっちゃって、わずか1年くらいでサンゴを食べちゃう。それで生き残った者もだいぶ壊れてしまって、食うサンゴがなくなると潮に乗って北上して九州、四国、和歌山、三宅島まできました。だからオニヒトデはサンゴを食い荒らしていると言うけれども、実はオニヒトデが大好きなのはテーブルサンゴとか枝サンゴとか成長の早いサンゴです。成長が遅いサンゴはほとんど食べない。ということは成長の早いサンゴが減ることによって成長の遅いサンゴが生き残る可能性がある。間引きしているということです。台風が来ると、後楽園球場やサッカー場くらいの広大な面積に広がっていたテーブルサンゴがたった1度の台風で全滅になることがあるんです。成長が早い分、もろいんです。ただ石のように固い成長の遅いサンゴはしっかりと生きていくので、どんなに波が来てもびくともしない。だから防波堤の役目を果たしているのは実はそういう石のように固いサンゴなんですよ。それらが生きていかれるようにちゃんと間引きしていたということになるんじゃないですか。だから自然界っていうのは本当にうまくできている。そういうのを目の前で見せてもらうと、どの生き物も無駄な生き物はもひとつもない、みんな影響しあいながら生きているということがよくわかりますね。

〜今回絵本という形で発表したことで、新たな気づきもありましたか?
絵本を持って小学校で講演をしたりしているんですが、子どもたちは反応がすごいですね。今までサンゴが酸素を供給していたというが、実際は植物プランクトンだったんだねとか、マスコミが言っているのは間違いじゃないですか、とか言ってくるんです。小学生ですよ。お父さんからメールが来て、「うちの子どもが片っ端から家の電気を消しまくって、冷蔵庫のスイッチまで切っていました」とかね。すぐ行動に移してくれるのが子どもたち。そういう子どもたちの為にも今この地球環境をなんとか元に戻して、僕らは渡さなきゃいけないじゃないですか。このままじゃちょっとね。

水中写真家中村征夫さんのお話、いかがだったでしょうか。
写真展が開催中です。
福島県の、裏磐梯高原ホテルにて「中村征夫写真展 五色沼の魅力に迫る」 入場無料9月30日(水)までとなっています。
詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・A Case of You / Joni Mitchell
・島人(しまんちゅ)ぬ宝 / BEGIN
今年は海にもあんまり行けなかったな〜なんて嘆いている方も多いと思いますが、きょうはぜひ、この方のお話で、世界中の美しい海を感じて頂ければと思います。
きょうのゲストは水中写真家・中村征夫さんです。水中写真の第一人者。50年にわたり、世界各地の海に潜り生き物や生みと共に暮らす人々を撮影してきた方。2年9か月ぶりにお話し伺います。


〜以前この番組に来ていただいたのが2018年の1月。それ以来ということで、およそ2年くらいですがいろんな所に行かれましたか?
あれから国内が多いですね。海外はエジプトの紅海とかフィリピンとか行ってます。フィリピンでは野生のジュゴンを見に行ってきました。ジュゴンは体が大きいのでコバンザメがくっついているんですね。それが何かモゾモゾして嫌なのか、懸命にゴロンゴロンと砂地の上を転がっているんです。それでコバンザメも上の方に上がってきて背中の方に、あるいはお腹の方にくっついて、その攻防を見ていてすごくおかしくなりましたね。結局コバンザメは振り払われて、もうもうたる砂煙の中からようやくジュゴンが現れた時は砂まみれになってました。お世辞にも可愛いという顔ではなかったですね。疲れ果てたような感じでしたね笑っちゃいました。

〜でも今年に入ってからは新型コロナウイルスで海には行けてないんじゃないですか?
全く行ってないですね。

〜海が恋しいですか。
そうですね。やっぱり恋しくなります。少し塩気を浴びないとダメだなって。

〜リスナーの方でも海に行けなかったなという方たくさんいらっしゃると思うんですが、そんな方はせめて写真や映像で綺麗な海を感じていただきたいと思うんですが、まさにそんな欲求を叶えてくださる本を出されたばかりです。タイトルが「中村征夫の写真絵本 サンゴと生きる」という本です。すごく綺麗なサンゴが写っていますが、この本はどんな本なんでしょうか。
今温暖化の影響などで世界中のサンゴが瀕死の状態、悲鳴をあげている感じなんですね。もしこのまま温暖化が進めば、世界中から数十年後にはサンゴが消えてしまうんじゃないかと思うんですね。あまり知られていないけれどもサンゴの中に植物プランクトンがみっちり入っているんですよ。海中を漂っていると小魚に食べられちゃうんです。サンゴは動物だから植物は食べないということを知っていて、サンゴの口の中にびっちり入り込んでいる。それが増殖しているんですよね。だからサンゴの色がきれいなのは植物プランクトンの色なんですよ。植物プランクトンが全部いなくなると、サンゴは元々の色である白になっちゃうんです。それが白化現象です。水温が30°を超えちゃうとサンゴは生きていかれなくて、ストレスを感じて植物プランクトンを全部吐き出しちゃうんですね。そうすると真っ白になっちゃう。サンゴは植物プランクトンと共生しているんですが、植物プランクトンはサンゴに命を助けてもらう代わりに何かお返しをしなくちゃいけない。植物プランクトンは光合成しますから、太陽の光を受けて酸素とか糖類とか様々な栄養源ができるんです。それをサンゴにあげているんです。だから完全なる共生関係が保たれているということも知ってもらいたいんです。そしてサンゴの恩恵というものはどういうものなのか、子供さん達でも分かるような内容になっていて、小学生5〜6年生くらいから十分読めるんじゃないかなと思います。


〜すごく語り口調が優しいのでお子さんもすごくよく分かりますよね。
サンゴの中に隠れているちっちゃな蟹、オオアカホシサンゴガニ主役です。カニの目線でいろいろ話してくれるんです。

〜サンゴというと海の中ですごく綺麗にあって当たり前にあるように感じてたんですが、 この本を読むとサンゴがなくなると小魚もいなくなってどんどん海から生き物が消えてっちゃうのかなということがわかりますよね。
サンゴはたくさんの栄養を植物プランクトンからもらっているので、食べ切れずに半分くらいの栄養を外に出すんですね。その栄養を求めて魚たちがよってくる。だからエビやカニもサンゴ礁に集まってくるのはそのためなんです。さらにサンゴは硬い骨格を持っているので、どんな嵐が来ても波を受け止めてくれる防波堤の役目を果たしてくれているといいますね。だからサンゴ礁がもし消えちゃうと、島に住んでいる人たちの所にも波が来てしまうということになります。沖合に白い波がパッと立っているところ、あそこがサンゴ礁のあるところです。サンゴ礁は浅いところにあるんですが、なぜかと言うと植物プランクトンは光合成をしなくちゃいけないので太陽が届かないところにサンゴ礁を作るサンゴはいないんですよ。宝石のサンゴは深海だけどこれはまた別のものなんですね。だから浅いところにいるために地上の気温の影響をものすごく受けるんです。 だから少しでも水温が30°に達しないように我々がなんとか温暖化を食い止めていかないといけない。この世界からサンゴが消えたら酸素の供給源がなくなる。それに植物プランクトンは二酸化炭素を吸収します。波がうねった時に地上の二酸化炭素が海中に取り込まれ、それをサンゴの中にいる植物プランクトンが吸収してくれるんです。


〜森みたいですね。
森と全く一緒ですよ。

〜海水温が上がって白化してしまったサンゴはもう生き返らないんですか?
1977年と78年に世界的な規模で白化現象が起きたんですよね。僕は沖縄の久米島で9月に撮った時は、どこ見ても真っ白でした。不謹慎ながら綺麗だなと思っちゃうんです。樹氷を見てる感じだったんです。それで2ヶ月後全滅でした。真っ白だったのが朽ちて黒になるんです。そして汚い海草がへばりついている状態で、もうお化け屋敷のような感じです。でもサンゴが助かる方法が一つだけあって、台風が来れば助かる可能性がある。台風が来ると海が荒れるじゃないですか。そうすると30°の水と深海の27〜28°の水が混ざり合って撹拌される。それで30°よりちょっと低くなるんです。また、雨も降るのでさらに低くなる。そうするとサンゴに助けてもらおうと思って植物プランクトンがみんな戻ってくるんです。そして光合成でまた増殖しますから、みるみる緑になっちゃうんです。サンゴがそれで栄養をもらえるわけですよ。3週間位以内に台風が来なければ全滅ですね。

水中写真家中村征夫さんのお話、いかがだったでしょうか。
そして征夫さんの写真展とトークショーがあります。
9月8日(火)〜30日(水) 裏磐梯高原ホテル
「中村征夫写真展 五色沼の魅力に迫る」 入場無料です。

9月12日(土)には同じく裏磐梯高原ホテルにて
「五色沼の神秘」というトークショーもあります。
詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

– 写真家中村征夫公式ページ –https://squall.co.jp/


「中村征夫の写真絵本『サンゴと生きる』写真・文/中村征夫 監修/茅根創」
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