今週も京都大学 ウイルス・再生医科学研究所宮沢孝幸准教授のお話です。
先週は、人間はじめ哺乳類の赤ちゃんを覆っている「胎盤」は、もともと、ウィルスが持つ能力が由来だった・・・というすごい話をしてもらいました。
つまり、もしかすると人間をはじめとした動物、植物、あらゆる生き物にとってウィルスも「なくてはならない存在」だという可能性があるということ・・・。
では、ウィルスって自然界にとって、いったいどんな存在なのでしょうか。

ウィルスは邪魔者では決してありません。私たち気づかないうちにウィルスに感染したり、あるいはウィルスが行き来したりすることによって、いろんな作用が起こっていると思っています。ウィルスによって我々は進化してきているわけですし、ウィルスに感染することでいろんなメリットを享受している可能性もある。今後の研究次第ですが、もしかしたらウィルスを介して、違う動物の遺伝子を受け取ったり受け渡したりしているんじゃないかなというふうに私は考えています。

〜コロナウィルスはコウモリの体内にいたとされていますが、という事は森や自然の中にウィルスが沢山いるということなのでしょうか。
私たちヒトはウィルスにたくさん感染して、いろんなウィルスを持っていると思っていますよね。ですが、それ以上に野生の動物はいろいろなウィルスを持っています。あるウィルスは病原性があって野生動物が死んでしまう可能性もあるんですが、あるものに関しては共存状態にあって、おそらく今回のコロナウイルスもコウモリにおいては共存していたのだと思います。コウモリには何も病気を起こさない。ところがヒトが野生の世界に足を踏み入れる、あるいは野生動物を食べることによって、ウィルスがヒトに来てしまう。確率論になりますが、他の野生動物では共存しているウィルスがヒトに来てしまうと、たまたま相性が悪くてそういう病気を起こしてしまうという事はあるんだろうと思います。

〜私たち人間が自然との境を超えると、ウィルスがヒトのほうにくる可能性はすごく高くなるということでしょうか。
そうですね。環境破壊によって迷惑を被っているのは野生動物もそうで、人間が移動することでウィルスもたくさん運ばれて、いろんな病気を野生動物に起こすこともあります。大きな例としては、オーストラリアのコアラがいい例です。コアラは今、レトロウィルスにこっぴどくやられていろんな病を起こしています。これはおそらくヒトが運んだ、もしくはヒトが運んだ動物が運んだと考えられています。ですので今、オーストラリアは6500万年くらい前に完全に孤立したわけですけど、4万年くらい前に人類が入ってきて、いろんな動物を運んでしまった。最初は4万年前にアボリジニが入ってきたわけですけれども、その後に白人たちが入ってきて、いろいろな動物も運んできて、いろいろなウィルスも運んだ。そこでオーストラリアにもともと住んでいた動物、有袋類とは全く違うウィルスがオーストラリアに入ってきて、今オーストラリアの有袋類は大混乱に陥っているという事ですね。それで今コアラは絶滅の危機に貧しています。環境が変わることによって人だけがウィルスによってやられているかというとそうでもなくて、環境破壊によって、あるいはヒトの影響によって野生動物もウィルスの影響受けてしまうという事はあります。

〜これからコロナと生きていく上で新型コロナウィルスの弱点ってどこかありますか?
他のウィルスに比べたら感染力は低いと思います。病原性はある程度高いが、楽観的な見通しとしては徐々に弱くなっていくんじゃないかなと思います。局面局面においては時々強くなったりするかもしれないが、大きな流れで見ると弱くなっていくんだろうなと予想しています。コロナウイルスが本当に悪いことばかりしているのかというとまだわかりません。もしかしたら良いことをしていることもあると私は思っていて、もしかしたらコロナウィルスにかかることによって他の病気が治ったり、ガンになりにくかったりする可能性はゼロではない。それを見つけるのが僕の仕事かなと思っています。インフルエンザも非常に悪いものだと思っているかもしれないが、インフルエンザにも絶対良いものがあると思っています。自分の経験なんですが、風邪をひくとアレルギーが良くなるという経験があります。これはアレルギーに向かっている免疫がインフルエンザに向かったから、弱まったとも考えられるんですけれども、小児科の先生に聞きますと、これははっきりしたエビデンスはないが、アトピーの子供が風邪をきっかけに、あるいはインフルエンザをきっかけにアトピーが治ってしまうことがあると伺いました。私もそれはあってもおかしくないと思っていて、研究ができたら面白いなと思っています。

〜夏になるとウィルスは弱くなると聞きますが。
温度が高くなればウィルスは死にやすくなるというのは間違いないです。紫外線に弱いことも間違いない。その意味においてはコロナウィルスが夏に流行しにくくなるのではないかと思います。ただ現代社会においては、クーラーがありますので室温はあまり変わらない。なおかつ部屋の中で換気をしないでずっとその中に人がいるという事は、逆効果の面もあります。昔から流行っているコロナウィルスは夏になるとほとんど流行らないですよね。それから類推すると、新型コロナウィルスも夏になると一旦収束する可能性もあるかなと思っています。もちろんそうじゃない可能性も残っていますが、一般論としては夏には弱まるんじゃないかなと思っています。

宮沢先生のお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをおとどけします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・My Mind is For Sale / Jack Johnson
・ハネモノ / スピッツ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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