京都大学 ウイルス・再生医科学研究所・宮沢孝幸准教授のインタビュー、きょうで最後となります。
ウィルスってなんなのか。ウィルスとの共生ってどういうことなのか。わかりやすく説明していただきましたが、最後は新型コロナウィルスをめぐる「新しい生活様式」についてウィルスの研究者としての考えを伺います。
感染拡大、第二波を防ぐため。新しい日常、新しい生活様式を心がけましょう。
この呼びかけが続く中、先が見通せず、息苦しさを感じている人も多いのではないでしょうか。
スーパーで買い物するときも、人が多いとちょっとビクビクしたり。マスクせず歩いてる人を見ると、「むむ」と過敏になっちゃう人もいるはず。
京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授にこの悩みをぶつけてみたところ、こんな答えてくれました。


気楽に考えましょうよ。「感染のリスクを減らす」ってことだけを考えたらいいんです。完全に感染から逃れようと思うと苦しくなる。できる範囲でやればいいことだと思います。接触感染の場合は手に着いたウイルスが目・鼻・口に到達することで感染が成立するということが分かっていますので、まずは触らないこと。触るんだったら手を洗ってから触る。またエタノールを付けてから触る。外にいる場合はお手拭きで拭いてそのリスクを減らす。ゼロにすることはできないかもしれませんが、お手拭きで拭くだけでリスクはかなり軽減されると思っています。
それから飛沫感染防ぐにはマスク。これから暑くなって大変だと思いますが、人と会う時はマスクをする。もしマスクができない状況であるならば大きな声でしゃべらない。小声でしゃべる程度でいいと思います。都知事や厚労省は厳しいことを言います、それはゼロリスクを目指してのことであって、私たちが普通にウイルスから逃れようとするならば、そこまでやる必要ないと思います。難しい話をするならば、実行再生産数を1以下にしたいという目的だけであれば、ちょっとした注意だけで大丈夫だと思います。
私は今は過剰自粛だと思っています。人と会う時も頭を使えば会えます。私は皆さんが警戒している時も一生懸命頭つかって、こうすれば良いというのを考え付きました。4人で一緒に食事をする時、どうすれば警戒しながら楽しく食事ができるか。マスクをして行って、食事が出るときまでにマスクをして普通にしゃべる。これで全然問題ありません。食事が出てきたら極力しゃべらない。しゃべるときは下を向いて小さな声でしゃべる。これで良いんです。そしてまた食事の後にマスクをしてしゃべれば良い。家族で食事する時も静かに大きな声を立てずに食事すれば良いことだし、レストランでも4人テーブルが離れていれば家族4人で言葉少なげに食べる。会話するならまたマスクをつければ大丈夫です。ソーシャルディスタンスという言葉は欧米を中心に言っていることで、マスクをしない文化で言っていることです。ソーシャルディスタンスを取れない場合にはマスクをつけてくださいと注意書きが書いてあります。逆に言ったらマスクを着けていればソーシャルディスタンスを短くすることができる、1m以内にすることだって可能だと私は思っています。そこが誤解されていて、マスクをつけて2m以上となってしまっていることは非常に残念に思っています。2m離れてレジに並ぶというのもウイルス学的に見ると、マスクして黙っているならそれは全く的外れ。なのに皆さん一生懸命マスクつけて2m離れて並んでいて、ある本屋さんではその列がお店の外にまで並んでいます。それでも万引きもないのは本当に日本ってすごいなと思います。
どんちゃんさわぎしたいならZOOMなどネット上でやるか、ソーシャルディスタンス、2mもっと離れてやるということです。ワクチンができれば可能だが相当先。若い人はどんちゃんさわぎしたいのは理解できるが耐えていただきたいなと思います。



そして宮沢先生は、最近よく耳にする「実行再生算数“1以下”」つまり1人の感染者が、平均で感染させる人数が「1人以下」という数字を例に、ウィルスの封じ込めに必要な考え方を教えてくれました。


ワクチンに関してはなかなか難しくて、ある程度良いワクチンができたとしても副作用などを考えるとたくさんの人に打つのはなかなか難しいと思っています。集団免疫は本当に未知数で、結構時間がかかりそうです。日本は感染があまり広まっていないので多くの人に免疫がつくのには時間がかかると思いますが、もう一つのオプションとしては、ちょっとした努力で実行再生産数が1を切りますので、ちょくちょくウィルスがまた入ってきても、ちょっとした努力で押さえ込むことが私はできるようになっていると思います。国などは欧米の状況を見て、WHOの状況や情報、アメリカのCDCなどの情報を見ていろいろ警戒されていると思いますが、私としてはその情報に流されることなく日本の現在起きていることに集中すれば良いのだと思っています。このぐらいの自粛をとれば、このぐらいの政策をとれば、このぐらいの再生産数の値に落ち着くと言うことがわかるのであれば、それを目指せば良いことだと思う。欧米がこうだからというより、もしかしたら日本人は本当にこのウィルスに強いのかもしれないし、あるいは腸内細菌の違いがある、免疫が違うという可能性はあります。それがなぜ違うかは調べるのに時間がかかるので、それは置いておいて、データが溜まってきたわけです。3月27日に感染者がピークアウトして、その後減少に転じている。4月7日に緊急事態宣言が発出されて、その前から再生産数は一応「1」を切っていたのでそのぐらいの警戒レベルで良いと言うことに我々は気がついたわけです。それを、その以前の警戒レベルに抑えるにしてももう少しストレスがないような方法にしようというのが私の考え。頭を使って知識を使って逃れる。ストレスがないように再生産数を1以下に抑えれば大流行する事はもうないと私は思っています。

京都大学 ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらも是非チェックしてみてください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ベルベット・イースター / 荒井由実
・The Great Journey feat.RHYMESTER / KIRINJI

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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