今年は海にもあんまり行けなかったな〜なんて嘆いている方も多いと思いますが、きょうはぜひ、この方のお話で、世界中の美しい海を感じて頂ければと思います。
きょうのゲストは水中写真家・中村征夫さんです。水中写真の第一人者。50年にわたり、世界各地の海に潜り生き物や生みと共に暮らす人々を撮影してきた方。2年9か月ぶりにお話し伺います。


〜以前この番組に来ていただいたのが2018年の1月。それ以来ということで、およそ2年くらいですがいろんな所に行かれましたか?
あれから国内が多いですね。海外はエジプトの紅海とかフィリピンとか行ってます。フィリピンでは野生のジュゴンを見に行ってきました。ジュゴンは体が大きいのでコバンザメがくっついているんですね。それが何かモゾモゾして嫌なのか、懸命にゴロンゴロンと砂地の上を転がっているんです。それでコバンザメも上の方に上がってきて背中の方に、あるいはお腹の方にくっついて、その攻防を見ていてすごくおかしくなりましたね。結局コバンザメは振り払われて、もうもうたる砂煙の中からようやくジュゴンが現れた時は砂まみれになってました。お世辞にも可愛いという顔ではなかったですね。疲れ果てたような感じでしたね笑っちゃいました。

〜でも今年に入ってからは新型コロナウイルスで海には行けてないんじゃないですか?
全く行ってないですね。

〜海が恋しいですか。
そうですね。やっぱり恋しくなります。少し塩気を浴びないとダメだなって。

〜リスナーの方でも海に行けなかったなという方たくさんいらっしゃると思うんですが、そんな方はせめて写真や映像で綺麗な海を感じていただきたいと思うんですが、まさにそんな欲求を叶えてくださる本を出されたばかりです。タイトルが「中村征夫の写真絵本 サンゴと生きる」という本です。すごく綺麗なサンゴが写っていますが、この本はどんな本なんでしょうか。
今温暖化の影響などで世界中のサンゴが瀕死の状態、悲鳴をあげている感じなんですね。もしこのまま温暖化が進めば、世界中から数十年後にはサンゴが消えてしまうんじゃないかと思うんですね。あまり知られていないけれどもサンゴの中に植物プランクトンがみっちり入っているんですよ。海中を漂っていると小魚に食べられちゃうんです。サンゴは動物だから植物は食べないということを知っていて、サンゴの口の中にびっちり入り込んでいる。それが増殖しているんですよね。だからサンゴの色がきれいなのは植物プランクトンの色なんですよ。植物プランクトンが全部いなくなると、サンゴは元々の色である白になっちゃうんです。それが白化現象です。水温が30°を超えちゃうとサンゴは生きていかれなくて、ストレスを感じて植物プランクトンを全部吐き出しちゃうんですね。そうすると真っ白になっちゃう。サンゴは植物プランクトンと共生しているんですが、植物プランクトンはサンゴに命を助けてもらう代わりに何かお返しをしなくちゃいけない。植物プランクトンは光合成しますから、太陽の光を受けて酸素とか糖類とか様々な栄養源ができるんです。それをサンゴにあげているんです。だから完全なる共生関係が保たれているということも知ってもらいたいんです。そしてサンゴの恩恵というものはどういうものなのか、子供さん達でも分かるような内容になっていて、小学生5〜6年生くらいから十分読めるんじゃないかなと思います。


〜すごく語り口調が優しいのでお子さんもすごくよく分かりますよね。
サンゴの中に隠れているちっちゃな蟹、オオアカホシサンゴガニ主役です。カニの目線でいろいろ話してくれるんです。

〜サンゴというと海の中ですごく綺麗にあって当たり前にあるように感じてたんですが、 この本を読むとサンゴがなくなると小魚もいなくなってどんどん海から生き物が消えてっちゃうのかなということがわかりますよね。
サンゴはたくさんの栄養を植物プランクトンからもらっているので、食べ切れずに半分くらいの栄養を外に出すんですね。その栄養を求めて魚たちがよってくる。だからエビやカニもサンゴ礁に集まってくるのはそのためなんです。さらにサンゴは硬い骨格を持っているので、どんな嵐が来ても波を受け止めてくれる防波堤の役目を果たしてくれているといいますね。だからサンゴ礁がもし消えちゃうと、島に住んでいる人たちの所にも波が来てしまうということになります。沖合に白い波がパッと立っているところ、あそこがサンゴ礁のあるところです。サンゴ礁は浅いところにあるんですが、なぜかと言うと植物プランクトンは光合成をしなくちゃいけないので太陽が届かないところにサンゴ礁を作るサンゴはいないんですよ。宝石のサンゴは深海だけどこれはまた別のものなんですね。だから浅いところにいるために地上の気温の影響をものすごく受けるんです。 だから少しでも水温が30°に達しないように我々がなんとか温暖化を食い止めていかないといけない。この世界からサンゴが消えたら酸素の供給源がなくなる。それに植物プランクトンは二酸化炭素を吸収します。波がうねった時に地上の二酸化炭素が海中に取り込まれ、それをサンゴの中にいる植物プランクトンが吸収してくれるんです。


〜森みたいですね。
森と全く一緒ですよ。

〜海水温が上がって白化してしまったサンゴはもう生き返らないんですか?
1977年と78年に世界的な規模で白化現象が起きたんですよね。僕は沖縄の久米島で9月に撮った時は、どこ見ても真っ白でした。不謹慎ながら綺麗だなと思っちゃうんです。樹氷を見てる感じだったんです。それで2ヶ月後全滅でした。真っ白だったのが朽ちて黒になるんです。そして汚い海草がへばりついている状態で、もうお化け屋敷のような感じです。でもサンゴが助かる方法が一つだけあって、台風が来れば助かる可能性がある。台風が来ると海が荒れるじゃないですか。そうすると30°の水と深海の27〜28°の水が混ざり合って撹拌される。それで30°よりちょっと低くなるんです。また、雨も降るのでさらに低くなる。そうするとサンゴに助けてもらおうと思って植物プランクトンがみんな戻ってくるんです。そして光合成でまた増殖しますから、みるみる緑になっちゃうんです。サンゴがそれで栄養をもらえるわけですよ。3週間位以内に台風が来なければ全滅ですね。

水中写真家中村征夫さんのお話、いかがだったでしょうか。
そして征夫さんの写真展とトークショーがあります。
9月8日(火)〜30日(水) 裏磐梯高原ホテル
「中村征夫写真展 五色沼の魅力に迫る」 入場無料です。

9月12日(土)には同じく裏磐梯高原ホテルにて
「五色沼の神秘」というトークショーもあります。
詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

– 写真家中村征夫公式ページ –https://squall.co.jp/


「中村征夫の写真絵本『サンゴと生きる』写真・文/中村征夫 監修/茅根創」

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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