先週お伝えした「千年希望の丘 ファイナル植樹祭2022」。
2013年の第一回から、まる9年で30万本を超える苗木が宮城県岩沼市の沿岸部に植樹されてきました。

第一回から参加しているこの番組としても、最初に植えた苗木たちはいったいどうなっているのか、とっても気になります。ということで、今回は、植樹祭のあとに行われた<9年前の植樹地を歩くフィールドワーク>に参加してきました。


「鎮守の森のプロジェクト」

 
(8年前の植樹地)

鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで植物学者の西野文貴さんに案内いただきました。

西野:今、目の前に見えている森、実は植樹してから8年経っています。8年経つと今日皆さんに植えていただいた木がこのぐらいまで大きくなるということですね。

高橋:1、2メートルじゃなくて人の倍、4メートルくらいのやつもありますね。

西野:あります。さらに近づくと5メートルくらいまであるんじゃないですかね。これはすごいですね。

西野:これはトベラですね。縁の下の力持ちの木。将来的に3メートルから5メートルになる木なんですね。そういう意味ではゆっくり成長します。2メートル近くまで大きくなっていますね。
さらに関東からお越しの方はなじみぶかいスダジイ。明治神宮の主役の木でもあります。その木が3、4メートルくらいですね。さらに、大きくなっただけではなく、大きくなるとどんな効果があるのか。森の中を覗くと全然雑草が生えていないんです。これが森になるということです。
種子はどう発芽するかというと「温度と光と空気」の三原則なんですが、光が中に入らないと雑草が出てこないということになります。そうするとメンテナンスフリー、メンテナンスをしなくても持続可能な森になっていくということなんですね。



(背の高いのが「タブノキ」です)

西野:主役の木、タブノキです。5メートルくらいまでいっていますね。8年で5メートル。これは東北では頑張ってる方だと思います。九州とかあったかい地域では大体1年で1メートル行く時もあります。東北地方は常緑樹の北限に近いので、その中ではよく頑張っていると。この地域、タブノキが主役でがんばっているなというひとつの証拠になっていますね。



西野:僕は自然を見るときは過去も見るんですが未来も見るんです。ここを想像したときに何年後にどうなっているかを想像するんですね。想像すると、今後もう少しこんもりしてもらって、ちょっと風が吹いて寒いですが、夏の暖かい日や暑い日、木漏れ日が気持ち良い日に歩くと素敵だなと思いますよね。


これはアカメガシワ。鳥が運んできた木なんですけど、
この葉っぱを擦ってみて。

高橋:緑になった!

西野:そうなんです。
自然界でよくできていますよね。なぜ赤いんですかね。何だと思いますか?
これは毛なんです。一つ一つが赤い小さな毛でできています。
赤い理由は結構いろいろあるんですね。
例えば皆さんの後ろにあるあの木は新芽が赤くないですか。
あれはタブノキの新芽なんです。
植物って人も一緒ですが、最初は弱いんですよね。
肌も含めて。葉っぱも弱いからいきなり太陽の光をそのまま受けてしまうと
葉っぱが焼けちゃうので、まずは赤で太陽の力をそんなに受けないようにして、
徐々に徐々に緑にして太陽の力をいっぱい受け取るということで、
あえて赤くしているんですね。
どうですかこのしたたかな生存戦略。しかも植えていないのにこの大きさ。
じゃあこの木をいっぱい植えればいいじゃんと思いませんでしたか。
この木は寿命が15年から20年。先行逃げ切り型なんですね。
鳥が運んでフンをして出てきて、
さっと大きくなってまた花をつけてまた次の場所へ行く。
でもタブノキやスダジイは何百年その場所で
その土地を守り続ける気なんですね。
そういう木がどういうところに多いかというと神社やお寺の周り、
鎮守の森に多いということで、
鎮守の森のプロジェクトを今後ともよろしくお願いします。




西野:ここからが難しいんだよな、万里恵さん見てください。
他の場所に比べて育ちがあまり良くない気がしますよね?


高橋:年数がそんなに経っていないのかと思いました

西野:同じ8年です。

高橋:風?

西野:そう。こちらは海風が当たりますよね。
風の通り道があると木の成長がちょっと弱くなってくるんですね。
我々は鎮守の森のプロジェクトはこういうのを見て、
じゃぁ海側は樹種の構成をちょっと潮風に強い物を多めにしようとか、
陸側はもうちょっと違う樹種にしようと組み換えてやっているんですね。
なので今日参加されている方の中には海側で植樹した方と陸側で
植樹をした方で植えた種類が微妙に違うんです。
実はそんな工夫をしているんです。
やはり雑草が出てくると言う話をしたんですが
まさしくここ、やっぱり森になっていないとどんどん草が出てきます。
この草がいわゆるやばいやつ。
セイタカアワダチソウといいます。
もともとは園芸として花が綺麗だから入ってきたんですが、
増えちゃって大変になっているんですね。北米原産の植物です。
これは種をつけてどんどん増やしているんですね。
根っこを抜いたのを見せて。セイタカアワダチソウは面白い植物で、
根っこから他の植物を殺す成分を出しているんです。
アレロパシーといいます。スナイパーみたいなやつ。
だからこのセイタカアワダチソウが生えちゃうと
周りはあまり草が生えにくくなるんですね。
土壌が豊かにならない。そういう悪循環が出ちゃう。


高橋:両サイドが大きくなってくると改善していく可能性はありますかね

西野: あります。後はそれをどれぐらい人が待てるか、
認められるか、ここがすごく重要だと思うんですね。
これから先の時代は重要だと思うんですが、
自然に対する人の評価を何年スパンで考えるか。
植えて8年。森ができるまでにあと10年でできればいいねと、
そんなにすぐにできるものじゃないです。
自然が放置して駐車場が森になるまで300年かかるんですよね。
だからなぜこんなに高密度で植えるのはなぜか、
自然界では無いですよねと、いろんな質問を受けますが、
間違いなく言えるのは自然の壊れるスピードと
元に戻るスピードは一緒じゃないんです。
自然が壊れているスピードの方がどんどん規模も大きくなっている。
でも自然が元に戻ってるところ本当に少ない。
だから後押ししていかなきゃいけない、
植えなきゃいけないと、自分の中で自問自答していますね。


今日は宮城県岩沼市の「千年希望の丘 ファイナル植樹祭2022」に併せて行われた、
8〜9年前の植樹地を歩くフィールドワークの模様をお伝えしました。
来週も続きをお伝えします。


「鎮守の森のプロジェクト」  

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Heaven / Los Lonely Boys
・明日へ / Galileo Galilei

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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