TOKYO FM

38Stations SATURDAY 14:00-14:55

HOME

福山雅治 福のラジオ

TOKYOFM/JFN38 Stations Every Saturday 14:00-14:55

放送後記〜チェリー清水さんの後ろの席から〜

サヨナラだけが人生だ (1月16日放送分より)

2021/01/21 update
受験シーズンも本格的にスタート、
試験を控えている皆さんは、
体調管理を万全にして
力を出し切っていただきたい!
福のラジオではそう願っています!

今回は、そんな受験生の
ちょっと先輩にあたるリスナーさんから
こんなメッセージをいただきました。
るんちゃん(23歳会社員)
福山さんこんにちは!
相談させて頂きたい事があり
勇気を出して初めてメールしました。

私は某化粧品会社の美容職についていますが、
入社したときからお世話になっている
私の上司が、今月で異動してしまうことになりました。

私がミスをしたときは全力で守り、
質問には絶対に何でも答えてくれる、
私にとってはスーパーマンのような、
そして第二の親のような温かい人です。

少しでもその方の役に立ちたい、
恩返しがしたいという気持ちが
私の働く原動力となっていました。
そんな上司がそばにいなくなってしまうことが
とても不安で、気持ちの整理がつきません。
でもこれからの人生で
大切な人との別れは
何度も経験することだと思います。

福山さんは、そんな虚しさと
どのように向き合っていますか?


23歳で、いい上司に出会えたっていうのは
会社員として、とても良い経験ですよね。

なぜかというと、
るんちゃんが上司になった時、
上司はこういう風に部下に接してあげれば、
部下も安心して、全力を発揮することができる、
ってことをすでに知ってるわけだから。
上司になる研修が、すでに終わっているみたいなことですよね。

確かに”若いとき”というのは
この人とずっと一緒にやっていけたら、とか、
この人ずっとチームにいてくれたらいいな、とか思う。

でも、ほとんどの場合は、お別れがやってきます。
僕の場合も、デビュー当時から
この人はずーっと一緒にいるって言う人は一人もいません。
場所が変わって、違う関わり方をしてるっていうのは、ありますけど。

かつて井伏鱒二さんが、漢文を和訳した作品があります。
唐の時代の詩人・于武陵(うぶりょう)の詩、
『勧酒』の訳ですが・・・

コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ


音楽、歌になってますよね。

ということで、まあいろんな出会いや別れがあるんだけど。
ある種の諦念というか、いい意味での諦め。
でも、そうやってすごく信じられる人に
仕事の現場で出会うということ自体が、とてもラッキーなことです。

いつか必ず自分も上司になる日が来ます。
そしていつか相性のいい、
可愛いがってきた部下との別れも来ます。
その時、この井伏鱒二さんの詩を
思い返して、送ってあげてください。
 ・
 ・
 ・
もうすぐ、出会いと別れの春がやってきます。
そんなとき、この詩を思い浮かべてみてください。

  • mixiでシェアする

Copyright © TOKYO FM Broadcasting Co., Ltd. All rights reserved.

Page TOP