ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

On Air オンエア

カテゴリー : アウトドア , カルチャー

秋の虫

2017.09.23

第233話 秋の虫

コオロギとスズムシ、鳴き声の区別がつきますか?
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第233話 秋の虫
おや、庭から虫の鳴き声が聞こえてくる。もうすっかり秋だなぁ。この声はコオロギか……いや、待てよ、スズムシか、マツムシか、キリギリスか? よく考えたら、ちゃんと虫の声と名前を覚えたことがなかったな。せっかくの秋だし、今日は秋に鳴く虫について改めて調べてみるとしよう!

鳴く虫の声を愛でるのは東アジア、中国や日本に古くから伝わる文化だ。たとえば中国では8世紀頃の唐の時代、宮廷の女官たちは鳴く虫を飼い、その声を愉しんでいた。ちなみに一番人気だったのがキリギリスだ。実は今でも中国ではキリギリスが秋の風物詩として親しまれていて、秋にはキリギリスを売り歩く行商人もいるんだぞ。

日本でも8世紀頃に編まれた最古の和歌集『万葉集』に、秋の鳴く虫が登場している。《影草の 生いたる野外や どの夕影に 鳴くこほろぎは 聞けど飽かぬも》《庭草に 村雨降りて こほろぎの 鳴く声聞けば 秋づきにけり》なんて具合だ。コオロギというのはこの時代、秋に鳴く虫の総称だったから、奈良時代の人も虫の声に聴き入りながら「もうすっかり秋だなぁ」と思っていたんだな。

平安時代の『枕草子』では、第41段で《虫は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫きりぎりすはたおり。われから。ひを虫。螢。》と記されている。なかなか説明が面倒だが、まずワレカラというのは海に棲んでいる小さな虫(甲殻類)だ。それからひを虫はカゲロウ。で、はたおりがキリギリスのことで、きりぎりすはコオロギのことだった。な、ややこしいだろ?

江戸時代の後期になると「虫売り」という商売も現れた。神田でおでん屋をやっていた忠蔵という男が、片手間に自分で捕まえたスズムシを売っていたところ好評だったので、そっちを本業にしたのが最初だ。やがて忠蔵はスズムシの養殖にも成功。6月頃にスズムシを販売することで初物好きな江戸っ子たちに大ウケし、忠蔵は莫大な利益を得る。そして虫売りは江戸の風物詩となっていった。

こんな秋に鳴く虫の声を愛でる日本の文化について、改めて近代にまとめたのが小泉八雲のエッセイ『虫の音楽家』だ。ヨーロッパからやってきたラフカディオ・ハーンにとって、その文化は衝撃的なまでに美しく見えたらしい。そしてそれは宇宙人の俺にとっても同じだ。今日は秋の虫に詳しい人に話を聞いて、せめて虫の声を聞き分けられるくらいになるぞ。Here we go!
ONAIR LIST
3'41" / Route 66/ George Maharis
11'59" / Something Happens To Me / Nancy Wilson
32'23" / Don't Let it Go to Your Head / Nat King Cole
42'31" / Time After Time / Jacy Parker
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