2018.06.09
第270話 剣道
日本の伝統を今に伝える「剣道」

剣道は、その名に「剣」が入っているだけに、平安時代に日本刀が誕生したことがルーツとされている。それよりも前から日本にはいろんな形の刀剣があって、たとえば三種の神器のひとつ、草薙剣は両刃の直剣だ。しかし平安時代に鍛冶の技術が飛躍的に進歩し、芸術品のような反りのついた片刃の日本刀が作られるようになった。これが鎌倉時代以降、武士の象徴となり、刀を操る技術「剣術」が編み出されたんだ。
特に戦国時代から江戸時代の初期にかけては、塚原卜伝の鹿島新当流、上泉信綱の新陰流、伊藤一刀斎の一刀流、東郷重位の示現流、柳生宗厳の柳生新陰流、そして宮本武蔵の二天一流など、数々の剣豪たちによって様々な剣術が編み出された。ただしこれらの剣術はあくまで実戦で敵を斬るための技術だったので、稽古では怪我が絶えず、試合ともなると文字通り命がけだった。
しかし平和な江戸時代になるとそれでは困るため、直心影流の長沼四郎左衛門が面や胴といった防具を考案。空手で言うフルコンタクトの稽古や試合を気軽にできるようになった。これが動乱の幕末に大人気になって、江戸三大道場と呼ばれた北辰一刀流の「玄武館」、神道無念流の「練兵館」、鏡神明智流の「士学館」には全国から留学生が集まったんだ。桂小五郎や坂本龍馬もそのひとりだな。
ただ、さらに時代が進んで明治時代になると、廃刀令によって日常的に刀を持つ武士がいなくなり、剣術の人気もすっかり下火になってしまう。そこで1895年(明治28年)、様々な流派の人々が集って「大日本武徳会」を結成。敵を斬るための技術だった「剣術」が、肉体と精神を鍛錬するための「剣道」になったんだ。
どうだシンイチ、お前も剣道で青春の汗を流してみないか? 今日はその道の専門家に会って、詳しい話を聞かせてもらおう。Here we go!
- ONAIR LIST
- 3'40" / Route 66 / George Maharis
- 5'35" / Samba Da Minha Terra / Rosinha De Valenca
- 33'30" / E Nada Mais / Mario Castro Neves & Samba SA