2018.11.24
第294話 麻雀
文豪も夢中になった「麻雀」の魅力とは

麻雀はもちろん中国の発祥だが、その歴史は意外と新しい。19世紀の後半、日本で言えば明治維新の頃に、上海の南100kmの場所にある寧波という港町で、商人の陳魚門が古くから伝わるカードゲーム「馬吊(マーディアオ)」をベースに、獣の骨で作った牌のゲームを考えたのが麻雀のルーツだとされている。
その新しいゲームを知っていたく気に入ったのが、イギリスのチャールズ・ゴードン陸軍少佐だった。ゴードン少佐は上海や天津の租界で麻雀の布教活動に励み、現地の欧米人の間で大ブームになる。麻雀はメンツが揃わないと遊べないから、現代でもよくある光景だよな。そんな事情で麻雀は中国人よりも先に欧米人の間で広まっていったんだ。
当時は欧米とアジアの行き来といえば長い船旅だったから、みんな船の中で退屈しのぎに麻雀を楽しんでいた。1920年にはスタンダード石油の社員だったジョゼフ・バブコックが英語のルールブックを出版し、1922年には「アバクロ」ことアバクロンビー&フィッチがアメリカで初めて麻雀牌を発売。イギリスでもアガサ・クリスティが傑作ミステリー『アクロイド殺し』の中で麻雀のシーンを描いたほどの麻雀ブームが欧米で起こった。
そんな麻雀が日本で広まったのは関東大震災の後だ。銀座の『カフェー・プランタン』が震災に遭って神楽坂へ移転した時、経営者の平岡権八郎が海外で買った麻雀牌を持ち込んで、作家の菊池寛や広津和郎、久米正雄らが夢中になったのが最初だったと言われている。今でこそ麻雀はオッサンの遊びというイメージだが、昔はハイソな人たちが楽しむ超インテリなゲームだったんだぞ。
最近はネットが普及して、パソコンやスマホで麻雀を覚える人も増えているようだ。さらに高齢者の認知症予防に麻雀が良いという話もある。これだけ大勢の人が夢中になるゲームだから、やってみたらきっとおもしろいぞ。それじゃ麻雀に魅せられた人に会って、どんなところがおもしろいのか、その魅力を語ってもらおう。Here we go!
- ONAIR LIST
- 9'54" / 'S Wonderful / Tony Bennett and Diana Krall
- 13'58" / Route 66 / George Maharis
- 37'39" / The Way Look Tonight / Janet Seidel