
で、今日は薫が親戚から送られてきた大きなタケノコを、おすそわけで何本もガレージに持ってきたので、タケノコについて調べることになったの。量子コンピュータなんか目じゃない私にかかれば、そんなの一瞬よ。ピーガガガーピピーガガー……ダメね、こっちのスペックがどんなに高くても、回線の混雑には勝てないわ。仕方ないから便利カーで《タケノコ》の歴史を調べに行きましょ。
平安時代から『竹取物語』が語り継がれてきたくらい、竹は大昔から日本にあったし、タケノコも食用にされてきたわ。とはいえ昔から日本にあった真竹のタケノコは苦くて固いので、それほど人気はなかったの。でも18世紀、江戸時代の中期に、中国から薩摩藩に2株の孟宗竹が伝えられた。孟宗竹は現代でも食用として一番ポピュラーなおいしいタケノコ。これが日本にタケノコを春の味覚として定着させるきっかけになったの。
その孟宗竹のタケノコを江戸の薩摩藩邸で食べて惚れ込んだのが、回船問屋の山路治郎兵衛勝孝という男だった。治郎兵衛は目黒で孟宗竹の栽培に取り組み、収穫したタケノコを籠に入れて町々を回って、従来の真竹のタケノコとは違うことをPRしたわ。さらにタケノコを桐の箱に入れて売る高級路線も開拓。目黒不動の参道ではタケノコご飯のお店を開き、これが大人気になったことからタケノコの大ブームが江戸に起こったの。やってることは完全に胡散臭いフードコーディネーターだけど、それが文化を生むこともあるのね。
治郎兵衛が日本に定着させたタケノコは、現代でも炊き込みご飯や筑前煮といった和食から、グラタンやパスタなどの具材として洋食でも、そして竹の原産地である本場中国の中華料理などで、そのシャキシャキの食感がユニークな食材として欠かせない存在になっているわ。今日は専門家に会って、薫が持ってきたタケノコをどう料理したらいいか、おすすめの食べ方をいろいろ教えてもらいましょ。で、私もアレを言わなきゃいけないの? 仕方ないわね……Here we go!
- ONAIR LIST
- 2'49" / Route 66 / George Maharis
- 10'21" / It’s Too Good To Talk About Now / Janet Seidel
- 31'01" / Fascinating Rhythm / Tony Bennett & Diana Krall
- 41'26" / On the Sunny Side of the Street / Alexis Cole & Bucky Pizzarelli