
ココアはカカオ豆から作る飲み物だ。カカオの木にはラグビーボールを小さくしたような実、カカオポッドが成る。その中からカカオ豆を取り出して、炒ってすり潰したものがカカオマス。これを絞って油(カカオバター)を取り除くとココアパウダーになる。ちなみに、取り除いたカカオバターを逆にカカオマスに加えて固めるとチョコレートになるぞ。
そのカカオの木は中央アメリカが原産で、メキシコあたりでは大昔からその実を食用にしてきた。もっとも昔は主に果肉を食べて、カカオ豆は捨ててしまっていたんだが。まあ、スイカも柿もフルーツはだいたいそうだから、仕方ないと言えば仕方ない。それでも7世紀にマヤ文明が栄えた頃には、種、つまりカカオ豆をすり潰して溶かした飲み物がお祝い事や儀式の時に飲まれるようになった。これがココアの始まりだ。
16世紀になるとスペインからやってきたエルナン・コルテスが、当時メキシコで栄えていたアステカ帝国を征服する。その時に黒くてドロドロの不思議な飲み物「ショコラトル」を知り、コルテスはスペインにカカオ豆を持ち帰った。これがヨーロッパにココアが伝わった最初だ。当初は薬として飲まれていたココアは、やがて砂糖を入れたスイーツな飲み物になり、貴族の間で大流行する。
そして19世紀、オランダのヴァン・ホーテン親子がカカオ豆からカカオバターを取り除く製法を開発。さらに強い酸味をアルカリで中和する方法を確立し、ココアパウダーを製品化した。これによってコーヒーや紅茶に較べて手間の掛かる飲み物だったココアが、誰でも簡単に作れる飲み物になったんだ。今でも「バンホーテン」はココアの代名詞と言われるブランドとして世界的な知名度を誇るぞ。
寒さの厳しいこの時期は、苦くて甘いココアを飲めば心も身体も温まる。アメリカ式にマシュマロを浮かべるのも楽しいし、コーヒーとココアを半々で割る「ルシアン」もコクがあっておいしい。何よりこの芳醇な香りが、俺のようなナイスミドルには相応しい……フフフ。今日はココアの専門家に会って、さらにおいしいココアの飲み方を聞いちゃおう。Here we go!
- ONAIR LIST
- 3'51" / Route 66 / George Maharis
- 10'18" / Anything Goes / Tony Bennett & Lady Gaga
- 30’39” / Lover / Janet Seidel
- 40'38" / I Only Have Eyes For You / Michael Buble