2013.07.13
第15話 サーフィン

プロサーファー 真木蔵人さん「サーフィンに魅せられて」

サーフボードに乗るだけなら2秒でできます。そして乗った後に、動く、立つ、正座するなど、サーフィンにはいろんなカテゴリーがあるんです。でも最初の「乗るだけ」でもけっこう気持ちいいもの。さらに最近はサーフボードの上に立ってパドルで漕ぐ「SUP(サップ)」も流行っているし、昔ながらの木の板に乗る「アライア」も見直されています。波の力に押してもらえる道具であれば、極端な話、浮き輪でも構わないのがサーフィンです。
サーフボードにはいろんな種類があるので、選ぶ時は「サーフィンはこういうモノだ」という自分のイメージに合ったものを選びます。僕は「チューブ(波のトンネル)に入りたい」と思うので、日本の小さなチューブにも入りやすい膝立ちのサーフボード「ニーボード」を使っています。
チューブに入った時の感覚を言葉にするのは難しいですね。すごく気持ちいいけど、実はけっこう怖いので「早く出たい」とも思うんです(笑)。でもチューブに入るだけなら誰でもできます。そこからちゃんと出てきてコンプリートなので、その気持ちを持つことは大切です。
チューブは海から陸に吹く風(オンショア)が続いた後、逆に陸から海へ吹く風(オフショア)に切り替わった時に生まれます。波のタイミング、地形、その時のうねり、すべての条件が揃わないとチューブは生まれません。そして何より、その時その場所に自分がいないと乗れないというのがすべてです。
ちなみに雨が降ると河口(リバーマウス)がとても良い波になります。日本の河口は世界に名を轟かせていて、去年も世界ランキングでトップクラスの人が来日してたっぷりサーフィンを愉しみ、最後は足の骨を折って帰って行きました。日本の波はそれくらい魅力的で、なおかつパワーがあります。