ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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トウガラシ

2016.08.13

第175話 トウガラシ

ゲストコメント
信州大学 学術研究院(農学系)准教授 松島憲一さん「世界一辛いトウガラシの辛さは…」
信州大学 学術研究院(農学系)准教授 松島憲一さん
トウガラシはナス科トウガラシ属の植物。実はピーマンやパプリカも同じナス科トウガラシ属なのでトウガラシの一種で、辛みを産出することができなくなった系統です。一方「鷹の爪」はトウガラシの品種を指します。日本では昔からこの品種を粉にして香辛料として使っていたので、鷹の爪という言葉がトウガラシの総称のように使われるようになりました。

でもトウガラシは各地にいろんな品種があります。たとえばキムチ用のトウガラシはそんなに辛くなく、発色が良くて甘みもある。酸味があったり、グルタミン酸のうま味成分もあったり、トウガラシは辛みの強さだけでなく、辛みの向こうにある甘みやうま味を料理に活かして下さい。

韓国では辛みの弱いトウガラシを生のまま味噌を付けて食べますし、日本でも長野県の北の方では「ぼたんこしょう」というピーマン型のトウガラシを生で食べます。ぼたんこしょう、ナス、ミョウガ、大根の味噌漬けなどを刻んで混ぜた「やたら」という料理なんですが、ご飯にかけるとピリッとした辛さと夏野菜の青臭さが暑い夏には心地良い一品です。

ブータンならトウガラシをチーズと一緒に煮込んだ「エマダダツィ」。イメージとしては激辛クリームシチューで、これもご飯にかけて食べるとおいしい料理です。タイの「トムヤンクン」は酸っぱ辛いスープですし、中国の「麻婆豆腐」ではトウガラシと山椒と合わせています。それぞれの料理に合った品種のトウガラシが各地で使われていますね。

ギネスブックに登録された世界一辛いトウガラシは「キャロライナ・リーパー(キャロライナの死神)」です。これはアメリカ人が登録した品種で、日本で一味唐辛子に使われる品種だと乾燥した粉1gあたり2000µgのカプサイシンを含んでいるのですが、キャロライナ・リーパーはそれが9万8000µgもあります。ハバネロで3万くらいですから、とてつもない辛さです。

昔はトウガラシの辛さを測るのに、成分をアルコールに抽出して砂糖水で少しずつ薄めて、何倍まで薄めたら舌で感じなくなるかを調べていました。この方法を考えた人の名前から「スコヴィル値」というのですが、人間の舌はあいまいなところもあるので、今はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)という機械でカプサイシンの濃度を測っています。

トウガラシの辛み成分はカプサイシンで、トウガラシしか作ることができない成分です。トウガラシを食べるとカプサイシンが口の中の受容体を刺激し、脳に「痛い」「熱い」という信号が送られます。だから英語で「辛い」を「Hot」と表現するのは正しいんです。ちなみにワサビの辛さは「Sharp」でトウガラシの辛さとは違う言葉で表現します。

トウガラシを食べると体がポカポカしてくる現象を「体熱産生」と言います。体の中の糖分や脂肪をどんどん燃やして熱に変えていくので、トウガラシを食べるとダイエット効果があるんです。さらに汗をかくことによる熱放散の効果もありますし、ビタミンCも豊富なので、夏にすごくいい食べものだと思います。

よく料理の先生が「トウガラシの種を取り除く」と言いますが、実は種そのものには辛みはありません。カプサイシンを生み出すのは種が付いている胎座と隔壁です。もっとも種を取り除けば胎座と隔壁も一緒に除かれるので、辛みを和らげるために種を取り除くのは間違ってはいません。
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