ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

妖怪

2016.08.20

第176話 妖怪

ゲストコメント
日本美術史学者/『大妖怪展』企画監修 安村敏信さん「妖怪は基本的に害がないものです」
日本美術史学者/『大妖怪展』企画監修 安村敏信さん
妖怪は江戸時代に大増殖しました。それまで妖怪といえば京都のものだったんですが、これは妖怪の絵を描ける絵描きが京都にしかいなかったから。それが江戸時代になると出版文化が発達して、庶民も妖怪に触れる機会が生まれます。そして街道が整備され江戸の妖怪本が地方に伝わると「これならウチにもいるぞ」とばかりに各地で様々な妖怪が生まれるんです。

実は多くの妖怪は害がなく、子供のように人間を驚かせて喜んでいるだけです。たとえば『稲生物怪録(いのうもののけろく)絵巻』では16歳の平太郎クンのもとに毎晩妖怪が現れます。逆さになった首が髪を足のようにして歩くなど、妖怪たちは30日間にわたってあの手この手で平太郎クンを驚かせようとしますが、この平太郎クンがまったく驚かない。ついに最後は妖怪の親玉が表れて「参りました」と降参します。実はその妖怪にも事情があって、16歳の子を100人驚かせると妖怪の王様になれたんです。でも平太郎クンで失敗してしまい諦めて帰ることに……というお話です。

真珠庵の『百鬼夜行絵巻』は百鬼夜行が最初に描かれたとされる貴重な絵巻です。室町時代の作品だと考えられていますが作者は分かっていませんし、詞書(ことばがき)も付いていないのでストーリーも分かりません。それなのに国の重要文化財に指定されているのは、後の絵描きたちに多大な影響を与えたからです。江戸時代にはこの絵巻からピックアップした妖怪を描いた人や、この絵巻を図鑑化して百鬼夜行をまとめた人がいました。現代でも水木しげるさんの作品やスタジオジブリの『平成狸合戦ぽんぽこ』などにこの絵巻を参考にした妖怪が登場しています。

『針聞書(はりのききがき)』は人間の体の中の妖怪を描いた戦国時代の作品です。人間の病気を引き起こす妖怪たち「腹の虫」を、ゆるキャラのような可愛らしい絵で描いています。「大酒飲みの虫」は子連れのお父さんが「お父さんにはコイツがいるんだ!」なんて言われて苦笑していますね。実はこの本、お医者さんの教科書で「この虫を殺すには何を食べればいい」みたいなことが書かれています。とても医学書とは思えない可愛らしさですが。
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