ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

妖怪

2016.08.20

第176話 妖怪

ゲストコメント
横浜国立大学教授 一柳廣孝さん「もはや妖怪は日本の文化です」
横浜国立大学教授 一柳廣孝さん
私の研究テーマは「怪異」です。もともと夏目漱石や芥川龍之介といった正統派の文学研究をしていたのですが、ある時、漱石が心霊的なものに関心を抱いていることに気付いたんです。芥川も子供の頃から怪談を聞いて育ったような人だったので、怪談やオカルトが大好きでした。2人とも文豪のイメージが強すぎてそんなイレギュラーな部分に光が当たっていないので、そっちを研究し始めたのが最初でした。

海外で近代科学が勃興してきたときに「魂とは何か?」という科学的な研究も試みられました。そんな心霊の研究が日本へ伝わると「日本では霊魂や魂はどう考えられているのか」「それが明治になってどう変わったのか」を考えざるをえません。それを考える時に妖怪や怪談、すなわち「怪異」が非常に興味深い存在なんです。

江戸時代あたりから怪談のフレームができて、怪異のイメージが固まってきます。そして明治になって世の中が変わると怪談が抑圧されたり、70年代のオカルトブームのときは注目を集めたり、最近なら「実話怪談」が出てきたり、時代によって怪異のおかれる立場は変わってきました。

たとえば最初に《青山墓地のタクシー幽霊》が流行ったのは昭和の初期。「あるタクシーが青山墓地で美しいお嬢さんを乗せて家まで送ったら、そのお嬢さんは数日前に亡くなっていた」というお話ですが、これが60年代に急に復活しているんです。ところが60年代の話が昭和初期と違うのは「座席が濡れている」という設定が付いているんです。それはなぜか……というような研究をしています(9月から『怪異の時空』という3巻本のシリーズにまとめますのでぜひご一読下さい)。

実は海外には「妖怪」にぴったり当てはまる概念がありません。もちろんそれぞれの土地に伝わる不思議な現象や存在はありますが、それと日本の妖怪は似て非なるものなので、マイケル・フォスターというアメリカ人の研究者は著書で「Yokai」と綴りました。水木しげるさん以降、90年代の京極夏彦さん、近年の妖怪ウォッチなど、一過性のブームを超えて完全に定着した妖怪は、もはや立派な日本の文化と言えると思います。
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