ピートのふしぎなガレージ

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エヌ博士

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カテゴリー : カルチャー

江戸の夕涼み

2013.08.24

第21話 江戸の夕涼み

ゲストコメント
作家/江戸歩き案内人 黒田涼さん「東京よりも涼しかった江戸の街」
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作家/江戸歩き案内人 黒田涼さん
実は江戸時代は今ほど暑くありませんでした。今は真夏日(最高気温30℃以上)が年間に何十日もありますが、江戸時代は数日しかなかったんです。だから風鈴や金魚や花火など、気持ちの持ちようで涼しくできる範囲でした。

これは世界の気温が100〜200年くらいの単位で変動していて、江戸時代は世界的に寒い時期だったからです。特に18世紀は寒くて、ナポレオンが冬将軍にやられたのも19世紀初頭だったし、日本で冷害によって起こった天明の飢饉も18世紀の後半。逆に平安時代は暑かったようですが、江戸時代は今より2〜3℃は涼しかったんです。

さらに現代は地球温暖化の影響があり、東京にはヒートアイランド現象もある。今から120年くらい前の明治時代から気象観測データは残っていますが、最高気温を調べてみると明治の初め頃は今より2℃ほど低いことが分かります。32℃なら風鈴で我慢できますが、34℃はちょっと無理でしょう。

さらに今の東京は、江戸と較べて造りが暑すぎます。江戸の街はモノを運ぶのに船を使っていたし、江戸城のお堀もありました。その水辺が今は圧倒的に減ったのが大きいですね。江戸城の外堀も半分くらい埋め立てられましたし、渋谷川や目黒川は地下の下水管になってしまいました。

また、江戸にはすでに水道がありました。多摩川の水を引いて、それぞれの町に水道管を通し、井戸で汲み上げて水を使ったんです。でも下水がなかったから、使った水は外に捨てていました。これは一種の打ち水で、今は生活排水を下水に流すからその打ち水もありません。その影響もあると思います。

建物も今と違って木造でした。木は雨が降ればその湿気を含むし、構造的に熱気が屋根裏へと逃げていきます。床下にも空気が通るし、軒があるから直射日光が部屋に差し込むこともありません。昔ながらの和風建築は暑い夏を快適に過ごせるような造りだったんです。

涼しくするには風を通すのが特に大事です。江戸時代は堀や川があったので、海からの風がそこを通っていました。でも今はその上に架かった首都高が邪魔をして、涼しい海からの風が通らないのも暑くなった原因ですね。
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