2017.04.08
第209話 旅行ガイドブック

(株)ダイヤモンド・ビッグ社「Good Luck Trip」編集長 植木孝さん「外国人の方の目線で見た日本は……」

はい、「Good Luck Trip」は訪日外国人、特に東アジアの個人旅行者に向けた日本の旅行ガイドブックです。東アジアというと韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポールなどですね。最近はそういった地域から個人でいらっしゃる方が増えているので、どんなお店があるのか、どんな見どころがあるのか、電車がどうなっているのかなどの情報を伝えています。
フリーマガジンなので空港のインフォメーションセンターなどで配布されています。言語は英語と中国語と韓国語の3カ国語で、基本的に日本語は載っていません。ただしよく見ると「東京で温泉三昧!」なんて日本語の見出しはあえて残しています。その方が外国人の方も現地でなんとなく分かりますから。
── どんな場所を紹介しているのですか?
3月に出た最新号では東京の温泉を特集しました。東京にもいろんな温泉がありますが、今回は昔ながらの銭湯も含めています。銭湯らしい富士山の絵を見たいという外国人の方もけっこういらっしゃいますから。ただし外国人の方には銭湯の利用法も説明する必要があるので、料金の払い方やロッカーの使い方などを解説しています。
つけ麺ならどんな具が入っているのかを写真入りで解説しますし、おまんじゅうも中身がどうなっているのかを説明しないと、初めて食べる外国人の方は気になりますよね。私たち日本人が普段気にしないことでも、外国人の方からすればすごく興味深いんです。たとえばターンテーブル式の駐車場だって土地が狭い東京で考え出されたシステムらしく、外国人の皆さんは興味津々で見ています。
── 海外の方に人気の場所といえば?
最近は東北がすごく人気で、特に青森に行きたいという方がたくさんいらっしゃいます。青森には独特の文化やお祭りがあり、冬は雪景色が愉しめる。そんな体験したことのない非日常を求める方たちがすごく増えているんです。北陸、山陰、四国など、地方にすごく目が向いている印象です。
台湾で「日本に行きたい」という方とお話する機会があったのですが、行きたい場所に瀬戸内海の小さな島を挙げるなど、私たち日本人よりも詳しいのに驚かされました。「どう思いますか?」と聞かれて「うーん、素晴らしいと思います!」としか答えられませんでしたが(笑)。日本は地域によって、それと季節によって風景がまるで違うので、そんなところを外国人の方々に愉しんでいただければと思います。