2017.06.03
第217話 ウォーキング

ウォーキングプロデューサー、元オリンピック「競歩」代表選手 園原健弘さん「日本人に競歩とウォーキングが向いている理由」

競歩は歩くことを競うので走ったらダメ。でも歩くことと走ることの違いって難しいですよね。歩くことの定義のひとつは「両足のどちらかが必ず地面に着いていること」です。だから両足が地面から浮いた瞬間、競歩では失格になります。
逆に、走ることを「跳ぶ」と言う地方があったり、トレイルランニングでは下りを「フライ」と呼んだり、走るということは空中に浮かぶ動作なんです。競歩ではそうならないよう、一歩一歩どちらかの足を必ず地面につけて進みます。
一般的な歩行のスピードは時速4〜5kmくらい。東京マラソンなら制限時間が7時間なので、時速6kmでずっと走り続ければ制限時間内にゴールできる計算になります。ところが競歩は時速12〜14km。この速度を実現し、さらにエネルギー効率も追求した合理的な歩き方が、あのちょっとユーモラスな競歩独特のフォームです。
── 普通に歩くスピードの約3倍も出てるんですか?!
実は時速8kmを超えると、歩くよりも走る方が楽だったりまします。これは筋肉の先にある「腱」の働きが理由で、走るときは時速8kmを超えたあたりから腱がゴムのように伸び縮みするので、エネルギー消費量を抑えて効率的に進めるんです。
ところが歩くときは腱を伸び縮みさせる動作がないので、ずっと筋肉だけで前に進まなくてはいけません。だから競歩はマラソンよりもエネルギー消費量が多い、とても過酷なスポーツなんです。躍動感がないので見た目ではその過酷さが分かりづらいのですが、レース中の心拍数は180にも及びます。
ちなみに日本は競歩がとても強いので、2020年の東京五輪ではぜひ現地で応援して下さい。リオ五輪でも銅メダルを獲得している有望種目です。マラソンでアフリカの選手が強いのは、先ほどの腱が強くて長いから。この特徴は草原で狩りをしていたルーツにあると思います。その点、日本は農耕民族なので、腱のバネはそこまで強くありません。でも、だからこそ筋肉をしっかりと動かす競歩は向いています。そういう意味ではウォーキングも日本人に合った運動だと思います。
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