2018.03.17
第258話 SUV

三菱自動車 林祐一郎さん「開発者が語る最新のSUV」

3月1日に発売された新型車「エクリプス・クロス」は、昔からある三菱自動車の強みを活かそうと考えて開発を始めました。具体的には、パジェロに代表されるSUVの基本性能や、ランエボXのAWC(オールホイールコントロール)のような走行性能、こういった部分はきちっと活かしたいなと。
それに加えて新たな挑戦として考えたのが、ひと目見て格好良いと思えるようなスタイリッシュなクーペフォルムです。実はコンパクトサイズのSUVを求めるお客様にアンケートをしたところ、「外観を重視する」「格好良いSUVが欲しい」という回答がすごく多かったんので、その期待に応えたいと考えて開発しました。
── たしかにスタイリッシュですが、それでもSUVなんですね
車高の高さは見晴らしが良くて気分的に良いというだけでなく、安全性にも寄与しています。さらに最低地上高(フロアの下から路面までの距離)もあるので、かなり荒れた路面でも走って行けます。オフロードじゃなくても、駐車場に入る時に下を擦ってしまうようなことはそうそうないでしょう。
全高は1685mmなので、見た目よりは車高があります。これはスタイルのために荷室の広さや後席の居住性を犠牲にしたくなかったからです。でも普通の立体駐車場なら問題ありません。200mmの後席スライドは、このクラスのSUVではなかなかないでしょう。ゴルフバッグ4個が荷室に収まるので4人でゴルフに行けますし、後席をパタンと前に倒して荷室を拡げれば、ロードバイクを車輪を外さないまま積み込むこともできます。
── どういった人に向けてエプリクス・クロスは開発されたのですか?
実は今回、ターゲットユーザーを年齢や性別で定義するのをやめました。そのかわりに「自分をしっかり持っている大人」「自分がやりたいことにどんどん挑戦していく人」というモノの考え方で定義したんです。そういう人が、エクリプス・クロスを見て座っただけで、ワクワクして何かに挑戦したくなる、そしてどんな場所のどんな路面でもその挑戦を支える、そんなクルマにしたいと考えて開発しました。
水平基調のインパネは歴代のパジェロやデリカと同じ。これはオフロードで車体姿勢を意識しやすいからです。コクピットのような囲まれ感もあるので、シートに座ると「よし運転するぞ」というワクワク感もあります。さらに視線の高さは女性に好評なので、ぜひいろんな方に乗っていただきたいと思います。